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平成27年3月
 
第29回オープントーナメント全九州空手道選手権大会あいさつ

 第29回オープントーナメント全九州空手道選手権大会が盛大に開催されますことを心からお祝い申し上げます。

 日本全国に空手を広めた一人、船越義珍は、その著書「空手道教範」の中で、空手道を学ぶ人は、その心の内に謙譲の心を持ち、まわりに対しては温和な態度を示さなくてはならないと書き残しています。これは、空手に限らず、広く日本文化の「心」と言えるのではないでしょうか。
 昨今、2020年の東京オリンピックでの空手の採用に向けての機運が盛り上がっていますが、世界最大のイベントで、空手競技を通じて、そうした日本の「心」を示すことは、平和の祭典の中で大きな意味を持つことでしょう。

 空手の「空」は、徒手空拳の「空」でもあるとお聞きしました。私が知事選挙に出ると決めたのは選挙の1か月前でした。ほとんど何の準備をできないまま、まさに徒手空拳、必死に拳を空に突き上げて自分の思いを訴えました。ただ、一人ではありませんでした。仲間がいて、家族がいました。みんなの「心」や「思い」を大切にしてきた結果、知事となり、皆さんにこうして語りかけることができています。
 私は、これからの時代、一人一人が持つそうした「心」や「思い」をもっと大切にしなくてはならないと考えています。色んな思い、色んな考えがこの世の中にはあって、そのひとつひとつをしっかり見つめることが今、求められています。
 皆さんは、組手の中で、その拳を交えながら、相手と「心」を通じ合わせていることと思います。フルコンタクトルールで行われる試合では、激しい打撃の応酬になることでしょう。しかし、そこで自分を見失わず、相手の思いを見つめ、そして大切に受け止めてこそ、自分のやるべきことが見えてくるはずです。

 第29回オープントーナメント全九州空手道選手権大会に参加される皆さんが、組手を通じて「心」を高めあいつつ、悔いなく戦い抜かれることを祈念して、あいさつとさせていただきます。