メニュー表示
こちら知事室です
×
こちら知事室です こちら知事室です

平成27年11月
 
佐賀ユーモア協会創立20周年記念誌への祝辞
『「笑い」で届ける地域の素晴らしさ』

 佐賀ユーモア協会が創立20周年を迎えられましたことをお祝い申し上げます。また、20年という長きにわたる活動の中で、人々に笑顔を届け続けてこられたことに、心から敬意を表します。

 私の両親は佐賀県出身で、私の中には「さがんもん」の血が脈々と流れています。以前から佐賀に関するフレーズが出てくると、つい反応してしまったものです。
 例えば、古典落語「猫の皿」では、名品として柿右衛門の皿が出てきていて、昔から最も広く知られた焼物のひとつだったんだなあと誇りに感じたものです。ただ、最近は噺に別の皿が使われることも多いようで、創業400年を機に有田焼の素晴らしさをもっと伝えていかないといけません。

 お皿だけではなく、佐賀を舞台にした落語はないのかなと思っていたのですが、昨年、佐賀県のご当地落語と銘打って「皿美人」という演目をつくっていただいていたのですね。皿に描かれた邪馬台国の女王卑弥呼さまが、夜な夜な皿から出てきて見物人を楽しませ、佐賀の旅館は大繁盛するが…という噺です。
 卑弥呼さまはA5ランクの佐賀牛から、呼子のイカ、佐賀海苔、小城羊羹まで佐賀の名物を堪能して邪馬台国に帰っていきます。この噺には佐賀という地域の特色がふんだんに盛り込まれていて、噺に引き込まれていく中で、ふるさとへの思いを強くさせてくれます。

 笑いが医学的にも健康づくりに大きな効果をもたらすことはよく言われますが、その効果は地域づくりにも繋がるのではないでしょうか。私は全国の地域創生の成功事例を見てきましたが、そのキーパーソンは皆、地域への強い愛着を持っていて、いつも笑顔でした。そして、その笑顔とともに地域も元気になっていったのです。
 佐賀の人たちはよく「佐賀には何もなか」と言われますが、そんなことはありません。「皿美人」はもちろんのこと、佐賀にわかなどは、若い人たちにたくさん観ていただいて、笑いながら、佐賀弁の良さ、佐賀の素晴らしさを再認識してほしいと願っています。きっと、その笑顔が佐賀をもっと元気にすることでしょう。
 ただ、私にはユーモアのセンスが「皿々」ありませんので、熱演を客席側から楽しみながら、応援していくことでご勘弁いただきたいと思います(笑)。

 最後になりますが、佐賀ユーモア協会の「皿」なるご発展と会員の皆さまのますますのご活躍を祈念して、創立20周年のお祝いの言葉といたします。