メニュー表示
こちら知事室です
×
こちら知事室です こちら知事室です

平成28年2月
 
第56回郡市対抗県内一周駅伝大会への祝辞
『16万年の記憶』

 ヒトは概ね16万年前にアフリカで暮らしていた共通の祖先から、世界中に広がっていったと言われています。
 直立二足歩行を行うことで、大きな脳を得た上に、手を使えるようになったヒトは道具を使い、言語を発達させ、様々な文化を生み出しました。
 その歴史は、長く険しい道のりであったに違いありません。7万年前には火山の噴火で人口が1万人以下にまで激減したとの研究もあります。ヒトは様々な困難の中、仲間と助け合い安住の地を探し求めながら、親から子へと襷をつなぎ続け、今、地球上には70億人を超えるヒトが暮らしています。

 ずいぶんと大きな話になってしまいました――。

 この県内一周駅伝で1チームが積み上げる歩数は16万歩くらいか、それ以上になるでしょうか。私にはその一歩一歩がヒトが歩んできた道のりと重なりあって見えます。
 ヒトが進化の過程で得たその力強い脚で、困難を乗り越えつつ、ただひたすらに走り続ける。仲間たちの思いを背負い、自らの住む地への誇りを抱きながら、次の走者に襷を渡す。駅伝がここまで私たちの心を揺さぶり、熱中させるのは、DNAの中にある16万年の記憶を刺激するからなのかもしれませんね。

 いよいよ、向春の佐賀を駆けぬける三日間のドラマが始まります。
 全てのヒトたちの、そして選手の皆さまの健闘を心からお祈りします。