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平成28年4月
 
ゆめさが大学入学式式辞

 皆さま、ご入学おめでとうございます。
 本日、こうしてゆめさが大学第六期生の皆さまをお迎えできましたことを、大変うれしく思います。また、引き続き大学院で研鑽に励まれる皆さまに対しまして、心からお祝い申し上げます。

 皆さまは、「世界が尊敬する日本人百人」に選ばれたこともある、女性芸術家、篠田桃紅(しのだ とうこう)さんという方をご存知でしょうか。
 篠田さんは現在百三歳。文字の形にとらわれない空間芸術とも評される前衛書道の世界で国際的な評価を受け、今も現役で精力的な創作活動を続けておられます。
 その篠田さんは、近年、ご自身の創作について、こうおっしゃっています。

 「不思議なことに、何かまだわたくしのなかには 今まで知らなかったスイッチがある」

 篠田さんは、自分の中の 何かのスイッチを押すたびに、新たなものがあふれでてくるのを感じているそうです。きっと、人の才能というものは、何かをきっかけにして無限の泉のようにこんこんと湧き出てくるものなのでしょう。

 ここ、ゆめさが大学では、皆さまが培ってこられた知識や才能を生かした活動をしていくための基礎知識や、ふるさとの歴史を深く知るための講義の時間をたくさんご用意しています。
 その中で自らをしっかりと磨き上げていけば、これまで気付かなかったスイッチがいつか顔を出してくるはずです。その時は、迷わず、勇気をもってそのスイッチを押してほしいと思います。

 これまでのゆめさが大学卒業生の数は、前身である佐賀県高齢者大学の時代も含めて四千二百十二名にのぼります。卒業生の皆さまの中には、ここでの学びを生かして、名所旧跡のガイドや福祉施設への訪問活動、絵本の読み語りなど、それぞれの地域でご活躍いただいている方が数多くいらっしゃいます。
 そうした方々は、仲間とともに学び、卒業後もそのつながりを大切にしておられるからこそ、一人だけではなかなか難しいことも立派に成し遂げられているのだと思います。
 皆さまにおかれましても、これからの学生生活の中で、何よりも仲間との絆を大切に、学びを進めていただければと願っています。

 最後に、新入学生及び大学院入学生並びにご列席いただいた皆さまの今後ますますのご健勝、ご活躍をお祈り申し上げまして、式辞といたします。