平成28年10月

　

第３３回九州マスターズ陸上競技選手権大会in佐賀歓迎のことば
『全員出陣！』

　第３３回九州マスターズ陸上選手権大会in佐賀にご出場の皆さん、ようこそ佐賀県へお越しくださいました。県民を代表して皆さんを心から歓迎いたします。

　「古人の覚悟は深き事也。十三以上六十以下出陣ということあり。それ故に古老は年を隠すと言えり。」

　これは、江戸時代の佐賀藩士の必読書「葉隠」にある言葉です。戦国の武士にも定年というものがあったようではあります。しかし実際には、歴戦の勇士たちはいくつ年齢を重ねても引退することなく戦場に出ていたということなのでしょう。
　例えば、佐賀の戦国武将竜造寺家兼は、九十を超えてから宿敵を討ち果たし家を再興しました。佐賀藩の藩祖鍋島直茂は、関ヶ原の合戦時、既に六十を超えていましたが、勇躍出陣し敵城を攻め落としたと伝えられています。

　そして今の時代も変わりなく、年齢に関係なく活躍されている方がたくさんおられます。昔のように年を隠す必要はありません。むしろ胸を張って年齢を表に出して活躍できる舞台の一つ、それがマスターズ陸上なのではないでしょうか。
　出場者の皆さんは、競技記録を目指してチャレンジする方、健康のために楽しんで競技を続けられる方、同好の仲間を探している方など、それぞれの様々な価値観のもと、陸上競技と向き合っておられることでしょう。
　ただ、ここは選手権大会。そうした思いを胸に抱きつつも、自らの競技クラスのトップを掴み取るために全力を尽くしてほしいと思います。その先には、創業４００年の伝統を持つ有田焼でつくられた美しいメダルが待っているのですから。
　「十八以上全員出陣」、です！