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平成28年11月
 
第34回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会への祝辞
『「プレイボール!」の前に』

 第34回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会が、ここ佐賀の地で盛大に開催されますことをお喜びいたしますとともに、全国各地からご来県された監督、選手、役員並びに応援に来られた皆様を、県民を代表して心から歓迎いたします。

 野球の試合前によく見られる「始球式」。記録にある最古の始球式は、ここ日本で行われたということを皆さんはご存知でしょうか。
 今から百年以上前に行われた早稲田大学対アメリカ大リーグ選抜の試合。その時ボールを投じたのは、佐賀県出身で早稲田大学の創設者、大隈重信でした。当時数えで71歳の大隈侯のボールは大きく外れたため、バッターボックスに立った早稲田大学の選手は、「大先生に恥をかかせてはならない」と、わざと空振りをしてストライクにしたという逸話が残っています。このこと以来、日本の始球式ではバッターが必ず空振りをするようになったそうです。

 明治維新の立役者であり、総理大臣にまで上り詰めた政治家でありながら、教育家としての一面も持っていた大隈侯ですが、こうした言葉も残しています。
 「運動を為し過ぎるよりは、学問を為し過ぎる方がいけない。」
 学問はもちろん大切だけれども、物事を成し遂げるためには、その基本となる健康な肉体が必要だということ、そして、運動を通じて勝ち負けの厳しさを学んでほしいという若者への思いが、そこには込められているのです。
 本大会に出場される選手の皆様は皆、準硬式野球を愛する仲間同士だと思います。しかし、プレイボールの声がかかった後は真剣勝負です。優勝を目指した厳しい戦いを通じて、これからの人生の糧となるものを得てほしいと願っています。

 終わりに、大会の開催にあたりご尽力を賜りました九州地区大学準硬式野球連盟をはじめ、関係者の皆様に深く敬意を表しますとともに、ご参加の皆様のご健勝、ご活躍を祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。