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平成29年3月
 
第31回全九州空手道選手権大会あいさつ

 「武の道においては千日を初心とし、万日の稽古をもって極とす」

 フルコンタクト空手を広めた極真空手の創始者・大山倍達(おおやまますたつ)総裁の座右の銘として、この言葉をご存じの方も多いと思います。
 「千日」は約3年、「万日」は約27年。もしかすると、毎日の稽古を一生懸命続けることによって、数年で黒帯を取ることは可能かもしれません。しかしながら、大山総裁は、いかに技術が伸びようとも最初のうちはまだまだ未熟な状態であり、極めようと思えば長い月日の修行が必要であると言っています。

 武道などにおいてよく耳にする「心技体」という言葉。心と技と体をバランス良く高めることで、より良いパフォーマンスを引き出すことができると言います。
 私は、最初の一文字が「心」であることに大きな意味があると思います。それは、自分の中にある目に見えない「心」は鍛えることが難しいものでありながら、ここぞという時に驚くような力を発揮するからです。
 大山総裁は、技術や身体能力の向上だけではなく、すぐには身につかない精神的な力をも含めた成長を大切にしていたからこそ、冒頭の言葉を自身への戒めとしていたのではないでしょうか。

 31回目を迎える全九州空手道選手権大会には、幅広い年齢層、そして様々な経験年数を持つ選手の方々が参加されています。経験の長短はあれど、稽古を重ね壁にぶつかりながらも、それを乗り越えるために、皆さまは自分の空手と、そして何よりも自分自身と真摯に向き合ってこられたことと思います。自分とのたたかいに終わりはありません。本日は、今備わっている自分の「心」の力を信じて相手にぶつかり、試合を通じてさらにその力を磨かれることを願っています。

 最後になりましたが、第31回オープントーナメント全九州空手道選手権大会がここ佐賀県で盛大に開催されますことを心からお祝い申し上げますとともに、大会に出場される選手の皆さまの健闘を祈念しまして、私のあいさつといたします。