平成29年4月

　

佐賀北ライオンズクラブ結成４０周年記念誌への祝辞
『未来への「ひとしずく」』

　「ハチドリのひとしずく」という物語をご存じでしょうか。
　ある時、森が火事になりました。たくさんの動物たちが急いで逃げ出す中、小さなハチドリはくちばしで一滴の水を運ぶために行ったり来たり。そんなハチドリを見て、ほかの動物たちは「そんなことをして何の役に立つんだ」と笑います。その時、ハチドリはこう答えました。「私は、私にできることをしているだけ」――。
　この物語はここで終わっているため、このあと動物たちはどうしたのか、森がどうなったのかは誰にも分かりません。けれども、私は、ハチドリの言葉を聞いた動物たちはきっと、仲間や森を守るために行動を起こしたのだと思っています。

　何かに懸命に取り組む人の姿は、私たちの心を揺さぶります。
　貴クラブの皆さまが、子どもの文化・スポーツ活動への支援をはじめ、献血や薬物乱用防止のキャンペーン活動などに励まれていることは、地域を元気づけるとともに、地域のために自分にできることをやろうという「ひとしずく」の思いを地域の人々に届けているように思います。
　そして、同じ思いを持つ人たちが手を取り合うことによって、たとえ一人では成し遂げられないことでもきっと実現することができるはずです。

　あのハチドリのように、先頭に立って思いを実行に移している皆さまの姿を見て、愛するふるさとを支えようという思いを持つ人がもっと増え、そして、その思いが次の世代に引き継がれていってほしいと強く願っています。私も、地域のために活動されている皆さまの思いに応えられるよう、力を尽くしてまいります。

　最後になりましたが、歴代の会長さまをはじめ、活動を支えてこられた多くの会員の皆さまのご熱意とご努力に心から敬意を表しますとともに、佐賀北ライオンズクラブのますますのご発展と皆さまのご健勝、ご活躍を祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。結成４０周年、誠におめでとうございます。