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平成29年5月
 
成穎中学校創立20周記念誌への祝辞
『「立志」のとき』

 「吾、十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑はず。五十にして天命を知る。六十にして耳順(したが)ふ。七十にして心の欲する所に従ひて矩(のり)を喩(こ)えず。」
 この論語の一節は、孔子の人生訓として良く知られ、ここから15歳のことを「立志」と呼ぶようになったといいます。
 私は、この言葉が意味するように、中学校という学び舎は「志」を育てる場であると思います。勉学や部活動、地域活動などを通して、子どもたちの世界は大きく広がり、将来について深く考え始めるでしょう。広い世界と向き合う中で見えてくる、やりたいことや達成したいこと。自らを突き動かすような強い想いこそが、実りの多い人生を歩むために何よりも大切なものなのではないでしょうか。
 来年は、明治維新から百五十年という節目を迎えます。皆様もご存じのとおり、幕末・維新期の佐賀藩の偉業は目を見張るものがありました。それを成し得たのは、高度な知識や技能を育む「人づくり」が、その礎にあったからです。これと同じように、創立以来、社会に貢献するための知性を磨き、個性豊かで明るい若者の育成を目指す成穎中学校の「人づくり」は、これからも佐賀県、そして日本の発展に大きく寄与されていくものと確信しています。
 生徒の皆さまには、佐賀の偉大な先達の足跡を辿って、新たな時代の精鋭となるべく、この学校で自分の芯となる「志」を立ててほしいと思います。自分の「志」を信じ、夢を持ち続け、それに向かって真摯に努力を続けることができれば、世界に挑むことができるはずです。
 最後になりましたが、笠理事長様や歴代の校長先生をはじめ、関係者の方々のこれまでの御労苦や御努力に対しまして心より敬意を表しますとともに、成穎中学校のさらなる御発展を祈念申し上げます。成穎中学校創立二十周年まことにおめでとうございます。