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平成29年8月
 
第61回九州ブロック学校保健・学校医大会並びに平成29年度九州学校検診協議会への祝辞
『ただ子どもたちの健康をこれ願う』

 第61回九州ブロック学校保健・学校医大会並びに平成29年度九州学校検診協議会が、佐賀県で盛大に開催されますことをお喜び申し上げますとともに、九州・沖縄各県からご参加いただきました皆様を心から歓迎申し上げます。
 また、学校医の皆様には、病院・診療所における診療や健康診断に加え、学校における児童・生徒の保健管理にご尽力いただいていることに対し、深く感謝の意を表します。

 来年は、明治維新から150年を迎えます。
 幕末・維新期の佐賀藩は、他藩に先んじて西洋の科学技術を取り入れるとともに、人材の育成にも力を入れ、明治政府において活躍することとなる人材を多数輩出するなど、日本の近代化を推し進める原動力となりました。
 そして、新しい国づくりのために様々な制度が整えられていく中、学校教育について定めた「学制」が発布されました。その制定には、初代司法卿・江藤新平や初代文部卿・大木喬任などの佐賀人が尽力しており、当時の佐賀における教育熱の高さを感じます。

 日本の学校保健の歴史は、この「学制」とともに始まったと言われています。これは、将来を担う子どもたちがしっかりと学ぶためには、疾病予防と健康づくりが欠かせないことを示しているように思います。まさに、学校は子どもたちの健康を見守る場とも言えるでしょう。
 健康を保つためには、日頃から注意を払っておくことがとても大切です。特に、心と体の両面で発達と変化が著しい子どもたちの健康状態を把握するとともに、疾病の早期発見や治療につなげ、生涯を通した健康づくりの基礎を育むことは、子どもたちの未来を守ることに他なりません。

 「父母はただその疾(やまい)をこれ憂う」
 これは、一番の親孝行は子どもの健康であることを説いた、古代中国の思想家・孔子の言葉です。子どもたちの元気な姿を願う気持ちは、いつの世も変わらないものなのでしょう。
 そうした思いに寄り添う取組として、佐賀県では、昨年度から県内全ての中学3年生を対象に、胃がんの主な原因とされるピロリ菌の検査・除菌治療の支援を行っています。この取組を進めることで、検査を受ける子どもだけでなく、そのご家族や学校関係者の方々なども一緒にがんについて考えていただき、そして、定期的にがん検診を受けるという県全体の意識改革につなげていきたいと考えています。

 日頃から児童・生徒たちの健康診断をはじめ、生活習慣の指導やアレルギー疾患への対応など、学校と連携しながら適切な指導や助言を行っていただいている学校医の皆様。この大会を通じて、九州・沖縄各県の関係者の皆様の連携がさらに深まり、学校保健のより一層の充実につながることを期待しています。

 結びに、本大会の開催にあたり、ご尽力いただきました関係の皆様に対し、深く感謝申し上げますとともに、本大会のご盛会とご参加の皆様のますますのご健勝、ご活躍を祈念いたしまして、祝辞といたします。