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平成29年9月
 
佐賀商工会議所青年部創立10周年記念誌への祝辞
『志ある青年たちへ』

 佐賀商工会議所青年部が創立10周年を迎えられますことに、心からお祝い申し上げます。

 来年2018年は、明治維新から150年という節目の年です。
 日本が新たな国づくりに直面していた当時、多くの佐賀出身者が様々な制度の整備に尽力しました。後に早稲田大学を創設する大隈重信は、30歳という若さで政府の要職に就き、また、同世代であった大木喬任や江藤新平も学制の制定など教育や司法の分野で様々な功績を残しました。こうした活躍を見ると、明治維新に伴う改革を成し遂げた先人の多くが、皆様と同じ年の頃であったと言えるのではないでしょうか。

 「人が黑きと云はば、黑き筈にてはなし、白き筈なり、白き理があるべし」
 これは、武士の心得をまとめた『葉隠』に書かれている一節です。人の話を鵜呑みにするのではなく、真実は違うのではないのかと考えてみる。そうした多角的な視点を持つことによって、物事を柔軟に考えることができ、人が思いもつかないような発想につながると説いています。
 幕末維新期の若き佐賀藩士たちは、既成概念にとらわれず、新しいものを学び取り入れることによって、自らが進む道を見いだしました。そこに共通していたのは、生まれ育ったふるさと、そして日本という国を発展させたいという強い思い。その志があったからこそ、道を切り拓き、日本を近代国家へと導くことができたのだと思います。

 人口減少やグローバル化の進展など、私たちを取り巻く環境が急速に変化している現代、何かを成すときには、そうした志を持つことが大切です。
 地域経済の活性化のため、街歩きのアプリ開発やグルメガイドの発売など、新しい試みに取り組まれている皆様は、まさに志ある若き経済人。これからも、思いを同じくする仲間とともに切磋琢磨し、次の10年に向けさらに力強く前進されることを期待しています。

 結びに、佐賀商工会議所青年部の今後益々のご発展と、会員の皆様のご活躍、ご健勝を心から祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。