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平成29年10月
 
全国重症心身障害児(者)を守る会第20回九州・沖縄ブロック佐賀大会への祝辞
『寄り添いながら、歩む』

 全国重症心身障害児(者)を守る会第20回九州・沖縄ブロック大会が、ここ佐賀県で開催されますことをお喜び申し上げますとともに、九州・沖縄の各地からお集まりいただきました皆様を心から歓迎いたします。

 今からちょうど150年前に佐賀藩士の家に生まれ、「日本の障害児(者)教育・福祉の父」と呼ばれた石井亮一は、福祉という概念がなかった明治初期に、障害者教育の道を開きました。
 亮一は、「障害の有無に関わらず教育は必要である」という揺るぎない考えのもと、日本初の福祉施設といわれる滝乃川学園を設立し、子どもたちの人格を尊重する教育を行いました。
 福祉事業への理解が進んでいない当時の日本において、一人ひとりの心に寄り添いながら、妻・筆子とともに希望を持って立ち向かったその歩みは、今日に至る福祉施設の広がりをもって、「一粒の麦が地に蒔かれた」とたとえられているところです。

 それから今日まで、障害福祉の分野では様々な進歩がみられます。
 2014年には我が国においても「障害者権利条約」への批准がなされ、昨年4月には「障害者差別解消法」が施行されるなど、障害者福祉の制度整備には大きな前進がありました。しかしながら、現場では様々な課題が残されており、社会全体として十分な理解が進んでいるとは言えない現状にあります。

 本大会にお集まりいただいた皆様は、心身に重い障害を持つ方々へ寄り添い、その支えとなるべく尽力されています。その取組は、皆様の思いとともに「一粒の麦」として地域に根づき、障害のある方々のより良い未来という豊かな実りを生み出すでしょう。 
 佐賀県においても、「人を大切に、人の想いに寄り添う」との強い思いを持って、障害のある方々が住み慣れた地域で暮らすことのできる共生社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。

 最後になりましたが、重症心身障害児(者)の福祉の向上のために日頃からご尽力いただいている関係者の皆様に敬意と感謝の意を表しますとともに、本大会のご成功を心からお祈り申し上げ、私のあいさつといたします。