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平成29年11月
 
2017-2018年度国際ロータリー第2740地区大会への祝辞
『人と人がつなぐもの』

 国際ロータリークラブ第2740地区大会が、ここ佐賀において盛大に開催されますことを心よりお喜び申し上げます。

 幕末期、佐賀藩は海外からの玄関口であった長崎を通じて、海外の知識や技術を取り入れることに情熱を傾けました。
 その佐賀藩がひとつの学びの場として長崎・五島町に設立した英語学校「致遠館」。その設立は、後に首相となる大隈重信と長崎英語伝道所で英語を指導していたフルベッキ宣教師の出会いから生まれたものでした。
 新しい国づくりを模索していた大隈にとって、この出会いは彼の識見と人格形成に大きな影響をもたらし、その後の生き方を変えたといいます。

 「人間が生きるのは、社会の利益のために存在するということだ。」
 致遠館の門戸を他藩の藩士にも開き、その後、日本の近代化を目指して早稲田大学を創設した大隈が、熱心に取り組んだ社会貢献のひとつ、それは、未来を託す人づくりでした。
 フルベッキや致遠館に集う藩士たちの熱い志にふれ、彼の人づくりへの思いは、人づくりが国づくりにつながるのだという強い信念へと変わっていったといえるでしょう。

 今年7月、有田で開催された国際ロータリー2740地区インターアクト年次大会では、未来を担う佐賀・長崎の高校生300人余りが、「共感」をテーマに活発な議論を交わされたと聞いています。
 「共感」することは、何かに気づくこと、相手の考えから学ぶこと、相手の立場を理解できること、そしてそこから生き方に変化が生まれること。若い世代一人ひとりの心に生まれた変化の芽が、地域に新しい風をおこすとともに、新しい時代をつくる力となってくれることを願ってやみません。

 海外に触れる機会が限られていた時代から150年。時代は大きく変化し、一人ひとりにとって世界はとても身近なものとなりました。
 地域づくりにおいても多様な価値観が尊重される現代において、広い視野とネットワークを通して、人づくり・地域づくりに力を注がれてきた皆様の存在は大変心強いものです。
 かつて時代の風をいち早く感じ、未来を切り拓いてきたここ佐賀・長崎において、貴クラブの皆様が今後ますますご活躍されることをお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。