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平成29年12月
 
「財界九州」2018年1月号への寄稿文
『明治維新150年の節目に』

 「先天下之憂而憂、後天下之楽而楽」
 佐賀藩第10代藩主・鍋島直正の座右の銘として知られるこの漢詩は、直正の姿勢をよく表しています。
 幕末期、欧米列強の脅威が増す中、財政改革や教育改革、西洋の科学技術導入等を次々行った直正は、国内の騒乱にとらわれず、広い視野と先見の明をもって「先憂後楽」を実践し、雄藩・佐賀をつくりあげました。
 その志は、大隈重信など、多くの佐賀人に引き継がれ、近代日本の礎となりました。
 明治維新から今年で150年。
 ふるさとの偉業や偉人たちの功績を顕彰し、その志を今に活かし、未来につなげるため、本年3月17日から来年1月14日まで、「肥前さが幕末維新博覧会」を開催します。
 名君とうたわれた直正の「憂い」の根底には、人を思う「優しさ」がありました。その思いが、優れた技術や人材を生み出す力となったことは、現代を生きる私たちにも大切な気づきを与えてくれます。
 社会が急速に変化する今、世界を見据えつつ、ふるさとを思い、人を大切にする真摯な姿勢で臨みたい。
 先人の志を胸に、この節目の年を心新たに迎えます。