メニュー表示
こちら知事室です
×
こちら知事室です こちら知事室です

平成30年2月
 
第58回郡市対抗県内一周駅伝大会あいさつ
『その先に向かって』

 今年の箱根駅伝。最終10区でひときわ大きな声援が送られたのは、順天堂大学4年生の花澤賢人選手でした。
 花澤選手は、大学2年生の時、「強直(きょうちょく)性脊椎炎」という難病を発症し、その痛みと闘いながら箱根駅伝を目指してこられました。
 何度も諦めようと思った花澤さん。でも、「何より走ることが好きだから」というご自身の情熱と、「箱根を一緒に走ろう」と励ましてくれた仲間の存在が、走り続ける力になったといいます。

 初出場を果たしたその日、10人目のランナーとして襷を胸に走り続ける花澤さんの姿に、私は、作家・村上春樹さんが語ったアマチュアマラソンランナーの言葉を思い出しました。
 「痛みは避けられない。でも、苦しみはオプショナル。(こちら次第)」

 今年の郡市対抗県内一周駅伝大会でも、厳寒のなか、県内272.8Kmという長い道のりを、中学生から社会人までの選手たちが駆け抜けていきます。
 身体的疲労や代表であることの重圧など、襷をつなぐ選手の皆さんは、様々な「痛み」を感じることでしょう。

 けれども、お一人おひとりの走ることへの情熱や襷に込められた仲間たちの思い、そして、地域の皆さんの応援が大きな力となって、苦しみを乗り越えていけるのではないでしょうか。
 選手たちが全力で一秒一秒を重ねるその先に、地域の絆が一層深まることを願っています。