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平成30年7月
 
社会福祉法人佐賀いのちの電話開局20周年記念式典における祝辞

 社会福祉法人佐賀いのちの電話開局20周年、誠におめでとうございます。
 長きにわたり、佐賀県における自殺防止活動の第一線でご尽力いただいている皆様に対しまして、敬意を表しますとともに、心から感謝申し上げます。

 「病、市(いち)に出せ」という言葉をご存知でしょうか。
 これは、徳島県の旧海部町(かいふちょう)で、昔から使われている言葉です。ここで言う「病」とは、単に病気を指すのではなく、家庭や仕事のトラブルなどの様々な問題を意味しており、それらに直面した時には、早めに周囲に相談すべきであるということを教えています。

 旧海部町は、全国でも自殺率が極めて低い地域と言われています。ここは、江戸時代から移住者が集まりつくられた地域であることから、助け合うコミュニティが存在しながらも、住民同士は適度な距離感を保っているそうです。
 人は、深刻な悩みを抱えた時、家族や友人などの身近な人に心配をかけまいとして、相談できないことがあります。しかし、適度な距離があると、相談を受ける側は冷静に話を聞くことができ、相談する側も素直な気持ちを話すことができるのではないでしょうか。
 こうした関係をつくることは、困っていることや悩みを一人で抱え込まず、外に出しやすくするために大切であると思います。

 佐賀いのちの電話の皆様は、24時間365日「眠らぬダイヤル」として、相談活動に取り組んでいただいています。
 誰かに話を聞いてもらえる、受け止めてもらえるという安心感は、前を向く勇気を与えてくれるものだと思います。様々な悩みを抱える方々にとって、適度な距離で寄り添っておられる皆様は、心強い存在に違いありません。
 これからも、県民の一人ひとりが生きやすく、心地よいと感じられる佐賀県を目指して、皆様とともに力を尽くしてまいります。

 最後になりましたが、佐賀いのちの電話の今後益々のご発展と、関係者の皆様のご健勝とご多幸を祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。