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平成30年10月
 
鳥栖スカウト育成会創立50周年記念誌への祝辞
『「志」は未来を拓く』

 鳥栖スカウト育成会創立50周年、誠におめでとうございます。

 今年は、明治維新150年の節目の年です。列強の脅威が増していた当時、佐賀では西洋の学問や技術を積極的に取り入れ、日本最先端の技術を有するとともに、優秀な人材を輩出しました。こうした佐賀の「技」や「人」、そしてその礎となった「志」は、新しい時代を切り拓く力となりました。
 歴史を振り返ると、時代を切り拓くのは人の強い思いであると、あらためて感じます。

 日本におけるボーイスカウト教育の礎を築いた佐野常羽(さのつねは)は、日本赤十字社を創設した佐賀藩士・佐野常民の子です。海外赴任中、本場イギリスでボーイスカウト運動を見聞し、後に日本初の指導者訓練所を開設して、その訓練体系を確立しました。
 常羽は、いきいきと活動するイギリスのスカウトたちに出会い、日本の将来を担う子どもたちの姿を重ねたのかもしれません。世界を意識しなければならない時代に、子どもたちの自主性や協調性などを育むスカウト活動に熱心に取り組んだのは、世界で「生きる」人材になってもらいたいと願っていたからではないでしょうか。

 父・常民と同じように高い「志」を持って、ボーイスカウト運動に取り組んだ常羽。何かを成し遂げようとする強い思いがあるからこそ、多くの人々の意識を変え、新しいものを生み出すことができるのだと思います。

 価値観が多様化している現代、自分で考え行動することはとても大切なことです。様々な自然体験を通して「生きる力」を学ぶスカウト活動の重要性はますます高まっているように思います。
 長きにわたり青少年の健全育成に取り組まれている鳥栖スカウト育成会の皆様には、これからも、「志」を持って挑戦する子どもたちの成長を支えられることを期待しています。
 明治維新150年を迎えた今年、県では「肥前さが幕末維新博覧会」を開催しています。子どもたちに新しい時代を築いた先人の「志」に触れていただき、あらためて未来について考える機会となれば幸いです。

 最後になりましたが、鳥栖スカウト育成会の今後益々のご発展と会員の皆様のご活躍、ご多幸を祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。