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令和3年3月
 
「さが桜マラソン2021オンライン大会」大会名誉会長としての挨拶
『それぞれの春に向かって』

 「雪消ぬ 軒端の山も今朝はまた のとかに霞む 春は来にけり」(『葉隠』の口述者・山本常朝)
 この冬は全国的に寒さが厳しく、桜の季節がひときわ待ち望まれました。「さが桜マラソン」残り約10キロにある金立(きんりゅう)は、佐賀藩士の心得を記した『葉隠』の里として知られており、今年ももうすぐ山々に満開の桜を見られるでしょう。佐賀城跡から吉野ヶ里歴史公園を経て、金立山を望み佐賀平野や多布施川につながるマラソンコースには、この地に流れる悠久の歴史や豊かな自然が感じられ、古今東西の春を待つ人々にも思いを馳せることができます。

 今年の「さが桜マラソン」は、新型コロナ感染拡大の動向を踏まえ、新たな趣向を凝らしながら、史上初のオンライン大会として決定しました。
 エントリーいただいたランナーの皆様、ご協力いただいた全ての関係者の皆様に、心から感謝申し上げます。毎年、春を告げるかのような号砲とともにランナーたちが駆けていくこの大会は、スタッフやボランティア、沿道で応援する方々も思い思いに参加できる大会として、皆様に愛され成長してきました。
 今年はその光景を目にすることはできませんが、コロナ禍にあっても挑戦し、走り続けるランナーお一人お一人の記録は、毎年楽しみにしている多くの人たちを勇気づけてくれるでしょう。

 今、佐賀県では、「SAGAスポーツピラミッド(SSP)構想」を掲げ、「する」「育てる」「観る」「支える」といった誰もが自分のスタイルでスポーツを楽しむことのできる地域づくりに励んでいます。また、令和6年には、“体育”から“スポーツ”へ名称が変わる初めての大会となる「国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会」が佐賀県で開催されることから、新たな時代にふさわしいスポーツ文化を佐賀から発信していくことに、特別な想いをもって準備を進めています。

 いつの時代にも、厳しい冬のあとにも、春はかならずやってきます。苦しい時も前へ進み続けるランナーのように、私たちも歩みを止めることなく、皆で感動を分かち合う「さが桜マラソン」を目指し続けてまいります。
 未曽有の危機を乗り越えて、また、笑顔でお会いしましょう。