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新型コロナウィルス感染症に関する知事インタビュー


○知事
 原発関係の話だというふうに思いますけれども、もともと私自身がこの第一報でこの15番の案件を知ったのは、18時前後だったと思いますけれども、そのときには、ゼネコン、工事関係者、大林組という情報だったわけです。ですので、もう最初はまず、工事関係という意識で仕事をしておりました。
 その中で8時前後だったと思いますけれども、それは玄海原子力発電所の中の工事だということ、特重ですね。ということになったので、我々としますと、原発敷地内の話なので、本当は一つ一つ会社の名前とか事業者の名前は挙げないんだけれども、これはしっかりと公開したほうがいいんじゃないかという話の中で、九電、大林さんのほうに開きませんかという話を差し上げたところ、それは開こうということで九州電力さん、大林組さんもそれぞれ発表されたという経緯です。
 我々からしてみると、入り口からこれは原子炉関係者ではないということは分かっておりましたので、工事関係者から入っていますから。もともと原子炉関係というのは予備のチームもあって回しておりますので、特重のチームとは違います。
 そして、今回はこの工事の関係の皆さん方について、感染者は感染後一切、原発の敷地内に入っていない状況です。今回、自主的に事業関係者の皆さん方が一旦待機をしていただいているということでありますので、それは自主的に事業者の皆さんが、そういう症状が見られないかどうかということを念のために、感染前ですけれども、ということだというふうに我々は認識しております。
 いずれにいたしましても、このコロナウイルスというものがどういうふうな影響が出てくるのかということについては、今後とも──濃厚接触者は当然のことですけれども、幅広にPCRをかけていくという方針の中でやっていきたいというふうに思っています。そういったところです。
 以上です。
○NHK
 知事が把握なさったのは、今のお話の中では、原発内での工事と把握されたのが昨日の20時……
○知事
 頃だったと思います。
○NHK
 他方、これが、県が発表なさったのはつい先ほどの午前10時ということで、その陽性判明から数えますと大体17時間以上たっている段階ではあるんですが、県として昨日の段階で発表しないという判断になったのはなぜなんでしょうか。
○知事
 発表しないというか、むしろ、発表しようとしたというのが我々の意識なんです。というのは、今、コロナ対応をしていて、少なくとも、いわゆる原子炉の危険性ということが全く遮断されていたので、例えば、NBCテロの関係とかいうんであれば、もう瞬時に、すぐに告知しなければいけない。ただ、離れた、工事関係者、特重施設の関係者がお一人感染されたということなので、我々からすると、原発の敷地内で1人コロナが出たということを臨時的にすぐに発表するという意識がなくて、むしろ、1日後の今日発表するかしないかという中で、いや、これはあまりコロナとは関係ないと思うけれども、だけれども、これは敷地内で起きたことだから、発表したほうがいいんじゃないかということで九州電力さんと大林組みさんに発表しませんかというふうにして、ということなので、この瞬時瞬時に争うという話ではないと我々ともう最初から意識していた。工事関係者ということなのでというのが我々の思いです。
 ただ、それでもということかどうかというのは、皆さん方、またそれぞれお考えがあるかというふうに思っています。
○NHK
 県の対応のあり方というのは適切だったというふうに思っていらっしゃるんですか。
○知事
 はい、私はそう思っています。本当に危機が迫ったときには、県民の皆さん方の身体が一番大事なので、もちろんためらわずに発表します。ただ、今回の件は、もちろんコロナウイルスではあるんだけれども、原発の原子炉とは関係ない工事、特重の工事をしている中で、そのうちの1名が感染されたということなので、ただ、これを発表すべきだから、今日発表している。それが瞬時瞬時でやる。例えば、これが敷地内の火災だとか、テロだとか、不審侵入者だとか、そういうことであれば、即時発表の事例だと思いますけれども、少なくとも我々の中で工事関係なので、それを瞬時で発表するという意識は私の中ではなかった。
 ただ、発表するかしないかという意識だけは持っていたので、これは一般事業者だといって、今までのコロナと同じ事例のように会社員とか、そういうような隔離の中で、もしあえて言わないと。今までと同じ取扱いをするとすると、仮にそれが公になる可能性もあるんだけれども、そんなときに、むしろ、県民の皆さん方から不信感を持たれるんじゃないかということで、ここは特別扱いで、むしろ、この部分は発表する。もっと言えば、我々からすると電力会社とかゼネコンさんが発表しないという判断をしたとしても、我々は発表しようということは、実は昨晩もう決めていたので、という我々の意識なんです。
 ですので、言うなれば、今日私が昼、どっちだったか忘れましたけれども、この関係で取材したいという話があったときも、私の中ではもう全く今回は工事関係ということで、そこに多分温度差が、報道の皆さん方はやっぱり原発施設の中という意識があったと思います。そこは私も常に気をつけていることなんだけれども、今回の件については、工事関係の中でコロナが出たということだから、この1日のずれというのは問題ないというか、むしろ積極的に出るほうにかじを切ったというのが我々の意識です。
○記者
 昨日の時点で安心感を与えるという方法もあったかと思いますけど、要するに特重の工事関係者だったら原発の運転や、あるいは原子力には影響ないというメッセージを出すことも可能だったと思いますが、そこを今日にするのか、あるいは昨日の緊急レクなり何かするなりしてという選択肢と、どうして後者のほうを選んだのかというのは。
○知事
 そこは両方あるのかもしれませんね。我々が今本当にコロナの対策本部をやりながら、14番と15番の案件を追っているのに力を尽くしていたわけで、そういった意味で、完全に15番について、そこを発表して緊急会見をするということであったというふうには思っていません。
 だから、本当にコロナをこっちに置いてでも原発の対応をしなければいけないときというのは、必ずそういう場合はあるんだと思います。そこは私の判断だと思っています。
○西日本新聞
 特重施設については、設置期限があって、今回、九電側は工事を取りやめていますけれども、今後への影響と、九電の対応に望むことはどういったことですか。
○知事
 あれはたしか特重は2年後ぐらいに期限が来るんだと思いますけれども、そういった意味で九州電力さんがそこに間に合わせたいというお気持ちは分かりますけれども、とにかく安全第一な工事ということが大事でありますので、しっかりとそういったところをまず大切にしながら対応していただきたいというふうに思います。
○記者
 先ほど感染後は一切この男性は敷地内に入っていなくてというお話をいただいたと思うんですが、3月29日に北九州市を訪問されたときに感染した可能性が高いというふうに県は認識されているというふうに先ほどレクで聞いていて、その後、4月10日に発症するまでの間は、職場と家の往復だったけど、まだ完全に把握はしていないということで、感染した後、発症より前の間というのは職場に行っていたんじゃないかなと思って、300人の検査の必要性は本当にないというふうに認識されているのかなと。
○知事
 基本的に我々も感染後についての調査はしていると。それ以外にも、1番からそうですけど、1番の学生さんのときも23人やりましたけれども、そこそこそばにいた人というのは幅広につかまえてやっています。ただ、その中でもいろんなところで一緒に、例えば、コンビニに行ったとか、スーパーに行ったとか、いろんな事例があるんですけれども、そういったところというのは広げていくと何万人という世界になるのがこのコロナウイルスだと思っています。ですので、幅広にやるんだけれども、それよりも大きな公共空間のところというのは、これはもう残念ながら追い切れない。それをやるなら全国民やらないといけないぐらいになるのでという意識なんです。
 ですから、そういった場合というのはできる限り経過観察をしていただくなりして、そこからまた発症したときにそこを潰しに行くという取り方を取らざるを得ない。ですから、我々とすると、幅広はやるんだけれども、そこにはどんどん広げていくと世界中というふうな意識です。
○記者
 すみません、関連して。九電のほうでは300人を自宅待機で工事を停止ということで今対策を取っていますけれども、県として、例えば14日間の経過観察を全員に求めるとか、そういった考えはありますか。
○知事
 私は、これは事業者さんが本当に念のためにその中に発症することがないかどうかを見ていただいているという認識です。ですので、我々のほうからそれ以上に何日間というようなことをこの皆さん方に課そうとは考えておりません。
○サガテレビ
 今回は工事の業者さんということで、そういうご判断をされたというお話なんですけれども、今後、原発の運転に携わる人の感染者が一人でももし見つかった場合というのは、知事としてはどういった対応を九電さんに求めるというか、考えていらっしゃいますでしょうか。
○知事
 これは、もちろん九州電力さんがどうお考えになるかというのが第一義なんだけれども、我々としてそうした場合に、仮の話だけど、大事な話なので申し上げると、予備チームが常に待機しているんですね。そこも含めて幅広に検査をかけるなりすると思うんですよね。というのは、本当に、即座にコロナウイルスでばたばた倒れるということはないんだけれども、慎重には慎重を期して、よく事業者の皆さん方と念のためをさらに深くして対応していくということだと思います。この場合については、逐次、原子炉の関係者、特にオペレーションの関係者ということになると、皆さん方にその情報は逐次お伝えしていくということになろうかと思います。
○記者
 すみません、情報公開の在り方という話にちょっと戻るんですけれども、少しかぶる部分もあるかと思うんですけれども、県は九州電力に対して、原発事業者としての重責を自覚して、その情報公開なり透明性というのを求めているわけですけれども、今回、県が発表の主体になったときに、その即時性がやはり感じられなかったというふうに思うんですけれども、主体になっているという認識があるからこそ、この後の原子力部門、県民環境部からもレクも設定されているわけですよね。
 その意味で、やはり昨日のうちに発表すべきだったんじゃないかという県民の意見が多分出てくると思うんですけれども、どういうふうにご説明されますか。
○知事
 それは先ほども申し上げたとおりです。そのときそのときの、これ、危機管理ってやっぱり様々なことが起きてまいります。そのときに問題の軽重だとか、そういったものを我々なりに判断してお示しすることが大事だというふうに思っています。ですので、今回の件に関して見ますと、我々は工事関係者ということで、原子炉自体の運用とは別問題ということ。ただ、基本的に、繰り返しになりますけれども、例の玄海原子力発電所の敷地内で起こったことについては隠さないということ、これはさらに徹底していきたい。ただ、その、何と言うんでしょうか、いつお出しするのかっていうことというのは、それは単なるインフォメーションだけではいけないと僕は思っている。インテリジェンスにしっかりしていく情報を出していかなきゃいけない。ただ、そのときに生情報でインフォメーションのまま、県民の皆さんにお伝えしなければいけないということはもちろんあります。そこは我々として常に肝に銘じながら、情報の出し方には気をつけていきたいというふうに思います。基本的に県民の皆さん方にすぐに知っていただきたい情報というのは、もちろん即時にお出ししたいというふうに思っています。
○記者
 すみません、1点だけ。情報の共有の在り方なんですけれども、先ほど保健福祉部長のレクチャーで、18時頃、保健福祉部としては人定といいますか、どういう属性の人だというのを把握して、その後、県民環境部の担当課のほうに20時頃、九電から連絡があったと。その間、18時から20時まで2時間余りの間というのは、これは部局間の意思疎通、担当課間の意思疎通というのはできているものという認識なんですが、この辺はどうなんでしょうか。
○知事
 それこそこれから検証したいと思いますけれども、18時、20時という中で、少なくとも我々の中で、何だろう、特重だという意識はたしか僕はなかったと思います。
○記者
 その時点ではですね。
○知事
 その時点で。工事の関係というふうに意識していました。ただ、ゼネコン、唐津というところの意識はありました。大きな工事というのはどんな工事かなという中で、何となく、たしか特重というのは大きな工事なんですね、あんまり言えないけど。とっても。だから、そこというのはちらほらしていたような気がしますけれども
○記者
 原発敷地内の工事関係者だと知るのは20時になってからということですか。
○知事
 私はあの頃だったと。
○記者
 大きい工事の工事関係者だということしか分からなかった、18時の時点では。
○知事
 私はそういう意識でした。そこはご関心なので、これからよく検証してみたいと思いますけど、私の意識はそうでした。
○記者
 すみません、ちょっと別件なんですけれども、先ほどコロナのレクのときに、佐賀県としても接客を伴う店舗、飲食店等の利用自粛を求めるというお話があったんですけれども、改めてナイトクラブなのか、バーとか、具体的にどういった店舗を対象にしているのかと、そういったところでの仕事をなりわいとしている人たちにとっては、致し方ないとはいえども、厳しい話だと思うんですけれども、そこのあたりをお伺いしてもいいですか。
○知事
 そうですね、これはこの前の会議でも、接客を伴うというところがどの範囲なのかなという話は非常に関心が高かったので、今、整理をしております。大分、自治体に線引きを任されているところがあるような話も聞いているので、これはなかなか悩ましいなというふうに思っています。なぜかというと、福岡県さんのように自粛をかけているところは、営業をやめてねという立てつけですよね。我々のほうに来ると、そこに行かないでという利用規制になっているわけですよね。なので、そこをどういうふうに整理して、だから、今のところ分かっているのは、居酒屋は大丈夫なんだな。ただ、ナイトクラブとかいう──ナイトクラブというのもよく分からないんだけれども、皆さん分かりますか。基本的に隣にくっつくようなキャバレーとか、ああいう系とかは基本的に駄目だろうなと、利用しないでくださいというところなんだけれども、どこで線を類型ごとに引いていくのかなというのは、今、非常に悩ましいなということで検討しています。あした、本部会議の中でその辺の話もできたらいいなというふうに思います。
 それとあとは、隣の県が、あっちは営業自粛ということなんだけれども、その皆さん方がどこに移動されるのかという部分は関心があって、それこそ東京から名古屋に行くというような事例もあるというふうに聞いているので、そういったところはよく注視をさせていただきたいなというふうに思います。
 それから、何とかいろいろあしたまでに、今、非常に痛んでいる事業者の皆様方もあるので、そういったところについてどう対応していくのかというところも協議できればいいなと思っています。
○記者
 すみません、今の関連で、利用自粛に踏み切った意図は、知事としてはどういった意図が。
○知事
 国が。
○記者
 いや、利用の自粛、県が、先ほど言った
○知事
 それは国が示したので、国は7都府県は営業自粛、それ以外については利用の自粛と。ちょっと違うんですよね。なので、利用の自粛、それはむしろ利用者に呼びかけるほうなので、そこをあんまり国として整理がされていないので、そこは自治体のほうで判断してねという雰囲気じゃないでしょうかと今、職員が言っているので、それはなかなか難しいねということで、それは国が決めたこと。我々が範囲、特に夜の接客というエリアを中心にというところで、今考えているところでございます。
○記者
 改めてその利用者であったり、県民だったり、それは県外から来る人かもしれないですが、利用者へのメッセージを一言いただけますか。
○知事
 そうですね、特に佐賀県は、報道の皆さん方は分かっているように、15個、一つ一つを念入りに追っているわけです。これは何でこんなに追うのかというと、やっぱり僕らの一番の意識は、医療ファースト、病院ファーストなんです。とにかくこの医療現場でやっている、従事者も含めた、これが瓦解すると、佐賀県はそんなに大きな病院が何本もあるわけではないので、これをどうしても守りたい。そういう意識の中でやっていく。
○記者
 この利用者に対して、県民だったり、県外から来るかもしれないと
○知事
 それを守るために全ての施策がなされているんだけれども、それを大切にしようということで、だから、利用者の皆さん方がそうしたところ、特に夜の街は、なかなか特定ができないんですよ。特定ができないというのは、非常に我々にとっては恐ろしいことなので、一つ一つ潰す上に当たって、なかなか誰が来ていたのか言えないというような環境というところ、お答えできないという方が出てくるということが我々にとってのリスクなので、できる限り今度、利用規制ということで発表させていただきますけれども、そういったかかったときに感染経路が出ないところ、そして、感染経路が不明になりやすいような環境をつくりたくないので、ぜひご利用を控えていただきたい。しばしの間、我慢いただきたい。それはみんなのためであり、今病院や医療が必要としている皆さん方への大きな力になるので、ぜひよろしくお願いしたいと呼びかけさせていただきたいと思います。お願いします。
○記者
 先ほど質問させていただいた検査対象の関係で、4月10日に発症するより前に一緒に作業をした人、作業員とかというのはある程度範囲が絞られるんじゃないかなと思うんですけど、そこが幅広の検査の対象に当たらないのはどうしてですか。発症より前は感染するリスクがないかというと、そうではないと思うんですけど。 ○知事
 だから、常にゼロではないと思っています。だから、念のため検査ということでやりたいと思っていますけれども、我々とすると、その皆さん方は、それこそ、健康福祉部局がその300人との関係性というのをよく把握しているので、そちらに聞いていただきたいと。