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こちら知事室です
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新型コロナウイルス感染症の状況等について


○知事
 今日は私から新型コロナウイルスに関する発表をさせていただきたいと思います。
 本日の感染者数は1,205人ということで、これまでの中で最多となりました。1,205人です。九州各県の今の状況ですと、福岡県と宮崎県以外については全て過去最多の数字になるという状況のようでありまして、全国的な傾向として、陽性者の数が今激増している状況と言っていいんだと思います。
 そして、先だっての佐賀県新型コロナウイルス感染症対策本部会議でも、我々とすると7月20日ぐらいに1,000人を超える分析をしているという話をさせていただきましたけれども、これを超える勢いで、1週間早く1,000人を超えてしまったということなので、こうしたオミクロン株、BA.5にほとんど置き換わりつつある状況の中で、これからもっと増えると思います。これは本県のみならず、本県はリアルタイムで数字を上げているわけですけれども、その他の県も同じような形で、これから陽性者の数は激増していくものと思われます。
 
 その上で、冷静に、改めてBA.5の特徴について、先ほどまで分析をみんなでしておりましたけれども、1月にオミクロン株に置き換わって、BA.1、BA.2、BA.5という中で、この(グラフの)水色が感染者の数です。今日、ぼんと1,205まで上がったと思っていただいたらいいんですけれども、この黄色いところがそのうち何を示しているかといいますと、中等症Ⅱ以上の患者数なんです。中等症Ⅱというのは、簡単に言うと呼吸器をつけて医療的ケアが必要な方と思っていただいたらいいんですが、医療的ケアを必要な方ということに関して言えば、同じオミクロン株の中でも数が大分少なくなっています。ということに加えて、4月になってから本県において重症者はゼロなんですね。さらに言うと、死者の数もこのような感じでありまして、大分少なくなっています。
 ですので、感染の数はすごい勢いで増えているけれども、いわゆる医療的ケアが必要な方に関しては、むしろ減っている状況の中で、今のBA.5に置き換わったコロナとどう向き合うべきなのかということが大きなポイントになってくるのではないかなと思います。
 ですので、先ほどまでみんなで分析を続けておりましたけれども、これから佐賀県は、これからもっと数が増えてきますので、その中で必要なマンパワー、保健所も要員は限られているので、いわゆる中等症Ⅱ以上、いわゆる医療的ケアが必要な方、症状がある方に対応を集中する。さらに、これまでやってきた高齢者対応、特に、疾患のある高齢者という方に関してはやっぱりリスクがありますので、そういう方に対応を重点化していくという必要があろうかと思います。
 ですので、非常に数は多いわけですけれども、ほとんどの方々が若い方、そして軽症、無症状ということ。発熱はありますが、一定の日数のもとで(症状が)落ち着くという今の状況を考えますと、県民の皆さん方におかれては、これから我々とすると、症状が強く出て、医療的ケアが必要な方、この皆さん方に対応をしっかりしていくこと、そして高齢者の皆さん方に感染が広がってリスクが高まることがないように対応を重点化させていただきたいと思いますので、これについてぜひ分かっていただいて、普段からの感染症対策については、これまでと変わらないようにお願いしたいと思いますし、行動制限等については、現時点においてはこれまでと、今まで申し上げた理由によりまして対応を変える予定はありません。しっかり感染症対策をしつつも、様々な生活、経済の両立を図っていきたいと思っております。
 というのが我々の考え方ですが、日々これもこのコロナというのは先が分からないというのが最大の課題でありまして、これから1日1に増え続けていく中で、日々起こっていく状況に関して、的確に対応できるように、日々これからも分析をし続けて対応を練っていきたいというふうに思います。

 もう一点我々が気にしているのは、やはりこれだけ数が増えてきますと、様々な医療現場も当然のことですけれども、いわゆるエッセンシャルワーカーの皆さん方が大切な機能を果たしていただいている県民生活の支えになっていただいているので、この皆さん方が大きな数字の中に飲み込まれて、社会経済活動が滞るということがないように、しっかりと県として対応していくということも大事だろうと思います。
 もちろん、エッセンシャルワーカーの方は濃厚接触者であろうと、今、陰性判断をしていただいたらすぐに仕事をしていいとはしておりますけれども、そういったところも含めて県として様々な要員の配置の問題だとか、そういったことについても力を尽くしていきたいと思っております。
 私からは今の状況について申し上げました。よろしくお願いします。

○STS
 先日の対策本部会議で推計を出したというところで、それよりも大きくいっているというところなんですけれども、現時点ではまだこれぐらいがピークになるんじゃないかというか、そういったところについてまではできていないんでしょうか。
○知事
 そうですね。先だって、大体これまでの流れからいって確たる科学的根拠はないけれども、大体40日を過ぎると下がり出すという、BA.1とBA.2の状況を踏まえて我々ここ(7月20日)にピークが来ると申し上げています。それについては変わらないですけれども、ここで1,000て言っていたところが、もうこの時点で1週間前でも1,200なのでここはもっと増えていく可能性があるんではないのかなと思います。もっと大きな数になろうかと思います。そのときのこの病床使用率と先ほど申し上げた深刻な対応が必要な医療的ケアが必要な皆さん方がどのような状況で推移していくのかというところをもう少し見定めさせていただきたいというのが今日の説明です。
 ですので、我々予期はしているわけだけれども、そこの分母に対して、このオミクロン株がどういう性質を持っていくのかということをもう少し見定めたい。感染症──例えば、青木先生なんかにも話を聞いているわけですけれども、だんだん人の中になじんでいるとおっしゃったかな、親和性がある、そういう感じでもう軽いタッチでほとんど風邪のようにどんどん広がっているような状況とも伺っていまして、普通に人の中になついていくというものだとすれば。ただ、それがこれまでの傾向のように軽いものであるんだとすれば、やはりそことの対応の仕方というのは、これまでのコロナ対応とは全く違うものであっていいんではないかというのが一貫した佐賀県の考え方なんです。
 ですので、今日もこの後、全国知事会議もあるみたいなので、国に対して、やはり相手が全く違う相手だとすれば、全く違う対応をしていくということの方がいいんではないのかなということについて話をさせていただきたいと思っています。
○STS
 おっしゃるように、重症者はゼロというか、死亡者の方も減っているというか、ずっといらっしゃらないという、そういったところで、いわゆる陽性者の数が増えても、基本的にそれだけで行動制限等々をかけるということは、今のところは考えていないと認識してよろしいでしょうか。
○知事
 全く、そのとおりだと思います。
○STS
 改めて県民への呼びかけをお願いします。
○知事
 るる今説明させていただきましたけれども、やはりこの、今の感染者数は多いんですけれども、このオミクロン株、BA.5に置き換わった、この性格にしっかり対応していくことが大事だというふうに思いますので、これから、特に医療的ケアが必要な方ですとか高齢者の皆さん方というような対応に重点化させていただいて、通常、今の状況でありますと、発症しても数日間で熱がおさまる方がほとんどなので、ぜひ冷静な対応をしていただくということで、我々も一日一日しっかりと、やはり県民の命が大事なので、ここに寄り添って分析、対応していきますので、これからも感染症対策よろしくお願いしたいと思います。
○読売新聞
 先ほどの話の中で、医療的ケアが必要な人だとか、高齢者に対する対応を重点にというお話がありましたけれども、具体的にはいつからどういうことを想定されているんでしょうか。
○知事
 基本的にコロナ対応というのは、陽性が判明しますと、保健所から連絡が行ったりして、一つ一つ対応をどうしていくのかという、そういう流れだったんです。(最初は)数が少なくて(症状が)重くなるので、初動が大事だと私も何度も申し上げてきたんですけれども。今の状況は(症状が)軽くなって数が非常に多い。それでも軽いタッチで行くということで、その全ての皆さん方に順次、保健所も含めて対応するということ自体が難しくなっています。ですので、この軽くなったこのオミクロン株に対して、どこに限られたマンパワーを充てるかというと、やはり重い方、特に症状が出て、しかも、それが中等症とか、呼吸器を当てるとか、そういう方というのは、これはしっかり、命に向き合わなければいけないので、対応しないといけない。高齢者のほうも、やはり特に基礎疾患をお持ちの方とかリスクがある方というのは、ここはよく見なければいけないし、高齢者施設とか、こういったところで起きると、命に直結する可能性があるのでというように、限られたマンパワーを、前の、数が少なかったときとは違う対応を取らせていく方向にかじを切ったということです。
○読売新聞
 今日からその対応を始めるということ……
○知事
 ここのところ、そういう状況に、余儀なくされていた面もあるんですけれども、改めて県民の皆さん方にしっかりお知らせしておく必要があると思ったので、今回改めて今の状況について説明させていただきました。
○読売新聞
 県庁全体の中で、人を保健所に増やすとか、そういうことはありますか。
○知事
 それは状況に応じてこれまでもしましたし、これからもやっていきますけれども、これは1,200でおさまらないと思っているので、まだまだ数は増えていきます。やはりこの危機管理で大事なのは、まだまだ何が起こるか分からないので、しっかりと、相手に応じて適切な対応を取っていくということが大事なので、今の若い人中心の、軽いタッチで大体皆さん終わっていますから、そういったところに対してはそれに合った対応をしていくということと思っていただきたいと思います。
○佐賀新聞
 知事、前のときには病床の増加なども場合によっては考えられるとおっしゃったんですけど、病床ですとか療養ホテル、自宅療養者の扱いとかどうされるのか、何か検討することがあれば教えてください。
○知事
 基本的に、自宅療養の皆さん方に対しては相談にも応じながら対応できていると思いますし、もちろん、自宅におられる方はいろんな思いがあられていますから、不安な思いもあると思いますけれども、そういった皆さん方は、もし仮に自分にとって重い状況になったと思われる場合はすぐに連絡していただきたいなと。それは保健所でもいいし、119番でもいいし、病院でも結構です。ですので、基本的に、今、数が非常に多いので、普通であれば、そのまま快癒していく場合がほとんどなんですけど、そうじゃない場合についてはぜひ手を挙げていただきたいということで、そういったところに対し、シフトをしていきたいと思っています。
○佐賀新聞
 今のところ病床を増加するとか、そういう準備は。
○知事
 なので、病床は、数が多いので、それでも──もちろん、妊婦さんもおられますし、高齢者の方ももちろん増えていきますし、使用率は増えていくと思いますけれども、これから全体としてどのような形で病床の管理をしていこうかということも含めて、今改めて全体の方針についても検討していますので、そうした中で、一応僕らがピークと見ている7月20日前後、ここに向けてよく、日々これから毎日の状況を分析しながら戦略を練っていきたい。そして、それを県民の皆さん方にお知らせしたいと思っています。
○西日本新聞
 県内の警戒のレベルとかステージに変更はありますか。
○知事
 今は2のままだと思いますけれども、全体的に考えますと、2のままでいいと思います。これをまた3にするというときには、改めて何か説明をさせていただく、また、何かをチェンジさせるときだと思います。2のままで
○朝日新聞
 今の話の続きで、ステージの変更というのは、基本的に病床使用率のところを見極めた上で、そこを重きに置いてから判断されるという理解でよろしいですね。
○知事
 主には病床使用率をメインに、その周辺の状況を踏まえて判断させていただきます。
○朝日新聞
 あと、予想よりも1,000人台に達するのが1週間ほど早まっている、早まった要因と、改めて、40日後、想定されているピークにどれぐらいまでいくのかというのはどういうふうに分析しておりますか。
○知事
 科学的にはっきりしているわけではないと思いますけれども、やはりこのBA.5というものの感染力の速さ、軽いタッチ、まるではやり風邪のような形でうつっていきます。そして、それは症状が出る前に感染している、感染させているんじゃないのかなというふうに我々の中では話をしています。なので、とてもじゃないけれども、追っかけ切れない、そういう類いのものに今、変化しているんではないのかなと思いますので、こういうのも含めて、我々の現場感覚も含めて、国でしっかりとどう対応すべきか、たしか特別な行動制限をかけなくてもいいというお話は出たみたいですけれども、であるならば、そもそもどう対応すべきなのか、これは何者なのかという、BA.5ということに対しての性格というものについて国として科学的に説明いただけるとありがたいなと思います。  
○朝日新聞
 要するに、今のお話だと、早まった要因というのは、予想よりBA.5の感染はそれよりも強かったということで早まったということでいいですか。
○知事
 はい。我々もBA.1からBA.2、BA.5と移り変わる中で、BA.2よりも1.2倍というふうに計算していたんですけれども、途中から1.35倍という話になって、もっと早いな。最近の数字を見ていくと、実際もっと早いんじゃないかと。だから、この辺の数値の、もともとの元になる数字自体が想定よりもどんどん早まっている、言うならば感染力が当初の想定よりもBA.5は早い、強いということなんだと思います。  
○朝日新聞
 同じ理由でピークの人数というのを今のところ想定つかないですか。  
○知事
 そうですね。計算をもう一回、今からしてみたいと思いますけれども、もっと大きな数値になろうかと。かなりの上方修正になろうかと思います。  
○共同通信
 軽症、無症状者への対応で変わる部分はあるんですか。  
○知事
 ほとんどありませんというか、今までよりもっとさらに(症状が)軽くなっています。ですので、特に小さなお子さんとかだと、場合によっては1日で(熱が)落ちるケースも多くありますし、そういった意味で、大分我々に寄せられている県民の声も変わってきています。もちろん最初のコロナの頃は、すぐ閉じるべきだという意見が多かったですけれども、最近では、生活をしっかり支えるように維持してほしいという声がほとんどという状況なので、やはり我々自身として、今のBA.5ということに対してどう向き合うべきなのかということは社会全体として考えていかなければいけない課題だと思います。