記者会見

●質疑応答:報道機関との質疑応答(1)
次のページへ
○サガテレビ
 SARSに関してですが、国の基準の発表段階の前段階で発表するということを県では扱われたということですが、その根拠というのは、どういったことが理由で前段階で発表するというような経緯になったのでしょうか。
○知事
 SARSについて、県民の方から私に直接お話があったこともありますけれども、非常に不安だということと、どういう状況なのか知りたいというふうなお話が随分、所管部局の方に対しても寄せられておりました。
 一方で、この第1段階とも言える「疑い例」というものが、医療的に見たときに、本当に第2、第3、第4段階に発展していく可能性がどこまであるのかということを考えると、その可能性から言えば、「疑い例」にとどまる方が多いのではないかということで、むしろその段階で発表することは混乱を招くのではないかというふうなこともあって、国としては今のところ都道府県に対して公表することの要請とまでは至っていないというのが現状であります。
 私は、このいわば県民がそのように非常に不安に思っているということについて、行政機関としてその事実を知ったということであれば、各種プライバシーに配慮をしながらも、そのことを県民にお知らせするというのが、これからの行政に必要なのではないかと考えて、今回公表することとしたものであります。
○サガテレビ
 ちなみに、国の基準の前段階から公表をするという方針を出している自治体というのは、ほかにありますか。
○知事
 現在のところ、この段階から公表するという県はないというふうに聞いております。
○西日本新聞
 緊急対話の実施についてですが、マニフェストの中で、地元企業の競争力を高めるために新たな支援策を早急に実行するということですが、これを受けての今後のスケジュールというのは何かありますか。
○知事
 一つは、まず6月補正に間に合うものがあれば、それはすぐにでものせていきたいというふうに思っております。
 そしてまた、国に対して新しく政策の提案をしていく必要があるものについては、政府への施策の提案というものが6月にありますので、そういったものの中に入れていきたいというふうに思っております。
 そのようなものに間に合わないものについても、9月の補正もありますので、そういった中で対応をしていきたいと思っております。
○毎日新聞
 有事法制の議論のあり方ですが、当然有事の際には自治体もかかわらざるを得ない状況ですが、今の法制論議のあり方などについてどう感じていますか。
○知事
 この外敵から国を守るという有事法制そのものについては、特に今の国際情勢を考えた場合には必要であろうというふうに考えております。
 自治体として、特にそういう生命、身体、財産を預かる身として非常に関心を持っているのは、いわゆる国民保護法制と呼ばれる部分でありまして、この部分については、前からその内容をきちんと明らかにしていただきたいということを国に対して要望をしておりました。
 現在、話が出ている有事法制の中の修正論議そのものについては、専ら国にかかわる部分が多いのではないかというふうに思っておりますけれども、私としては、国が国民保護法制について輪郭を事務的に示しただけで、国の責任者から、私ども知事に対して説明するという話がありながら、いまだにそれがイラク情勢等もあって実施されていないということがあるので、それをなるべく早く実施していただきたい。
 そして、国の責任ある立場から県民の生命、身体、財産を預かる知事というものに対して、国民保護法制についてどのように考えるのかということをきちんと説明をお願いしたいと思っております。
○毎日新聞
 国民保護法制の絡みについて、いわゆる法の実施時期についてはどう思われますか。
○知事
 まずは、とにかくこの有事法制そのものについては、私は必要があると思っておりまして、その有事法制を成立させるということがまず必要であろうと。そのためであれば、国民保護法制を同時に作っていくということは物理的に難しいということがわかりますので、有事法制そのものが先になっても仕方ないのかなという気はしておりますが、それは可及的速やかに国民保護法制がきちんとした形で示され、また、国会での議論を経て制定されるのが望ましいと考えておりまして、これはできるだけ早くされた方がよいのではないかと思っております。
○毎日新聞
 必ずしもそうすると、施行時期をそろえるということにはこだわらないということですか。
○知事
 現実問題として施行時期をそろえるということが、一方で有事法制そのものの成立ができなくなるということにつながるとしたら、それは余りよい事態ではないのではないかと考えておりまして、同時にすべきであるというところには私自身はこだわっておりません。
○RKB
 私もSARSの話ですが、これまで「疑い例」段階を公表することに、内部で検討するなかで慎重な意見があったのでしょうか。
○知事
 慎重な意見自体はもちろんありました。そして、それは患者のプライバシーもありますし、また医療機関としても、このSARSの問題については非常に前向きに、いろいろな意味で積極的に対応をしていただいているという部分があります。そういう協力をしていただいている医療機関が普通どおり診療を続けられるかどうかということもあって、公表した場合のメリットと公表しない方がよいのではないかという考え方、両方ありまして、そこは随分議論をさせていただきました。
 そういう中で、確かにそういう懸念はあるけれども、少なくともそういうことがわかったということであれば、そのわかったという事実だけでも発表することによって、当該患者や医療機関に迷惑をかけない形での公表の仕方というのがあるのではないかということになりまして、関係する医療機関や団体にも御協力と御理解を得るという作業を所管部局の方でやっていただいて、それで今回発表するということになったわけであります。
○NHK
 これは、病院名は公表されるのでしょうか。
○知事
 「疑い例」の段階では病院名は公表するつもりはございません。「疑い例」の場合、その「疑い例」で終わって「可能性例」に発展しないという可能性がかなり高いということがあるものですから、その段階では病院名の公表は控えさせていただきたいと考えております。
○共同通信
 全国で公表するという例は現在のところない中で、あえて公表することに問題はないのですか。
○知事
 私がというよりは、むしろ所管部局の方がいろいろな団体との調整ですとか医療機関との話ということで随分苦労をしていただいたと思っております。情報を提供するということが混乱を招くようなことになってはいけないということが一つ。二つ目は、とにかく次にいつ発表するのかということを必ず言うようにするということ。もちろん、24時間と言っていますが、24時間たたないと発表しないということではないわけで、少なくとも1日1回はきちんと発表していきますよということをあらかじめ言っておけば、そして、報道機関にももちろんそれは、これまでのようにきちんと節度を持って対応していただければ、県民の方が何かそれでパニックに陥るとか、そういうことはないだろうと判断をして、今回このような措置をとらせていただくことにしております。

次のページへ
記者会見トップへ 平成15年5月12日記事トップへ

トップページへ

Copyright 2004 Saga Prefecture. All rights reserved.
このサイト内の文章や画像を無断転載することを禁じます。