記者会見

●質疑応答:知事共同インタビュー(1)
 (知事就任一月を振り返って)
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○西日本新聞(幹事社)
 今日はお忙しいところ時間を取っていただきありがとうございました。
知事に就任されて1ヶ月が経ちましたが、この1ヶ月間を振り返っての感想をお聞かせください。
○知事
 1ヶ月間経って、一つには想像以上に忙しかったなというのが、まず第一の印象です。そしてまた、思ってた以上に多くの人と会うことがあるんだなというのが二つ目の印象です。三つ目としては思ったようになかなか政策の詰めというのができていないというところがあって、これは一月経って二月目に向けての私の課題だと思っています。
○西日本新聞
 思ったように政策の詰めができていないとは、具体的にはどういう政策ですか。
○知事
 今、6月補正の肉付けの予算編成に向けて、マニフェストの一つひとつの項目について関係する部局を集めて議論をしているんですけれども、一つの項目だけに何10分も取ってしまって予定が大幅に遅れています。このままだと49の項目全てについて6月の補正までに間に合うように議論を終えることができないという点が思ったように進んでいないという点です。これについては6月補正で直ちに予算編成をしなければいけないものと、6月で措置しなくてもこれからやっていくものとに分けられると思いますので、少しその辺、ファーストトラックでやらなければいけないものと、スロートラックでいいものとを少し分けて議論をしていきたいなと思っています。
○毎日新聞
 徳島の知事選があり、就任1ヶ月を待たずして全国最年少を取られるという形になりましたけれど、何か考えられるところがありますか。
○知事
 あります。ちょっと残念。いつかは必ず更新される記録ではあったわけですけれども、1ヶ月間で更新されたというのは日本で一番短い期間の最年少知事だったという記録がひょっとして残るのかなというふうに思っています。それともう一つは、私も一度徳島に参りましたけれども飯泉新知事が日本で一番若い知事を徳島からと一生懸命訴えていたこと、そしてまた彼の政治活動用に作ったリーフレットを見ていると私のによく似てるんですよ。似てるじゃないかと云うと「真似したんですよ」と、はっきり彼は云ってくれまして、私自身の政治活動で使っていたリーフレットや、またそうやって若い力で何とか県政を変えていこう、きちんとしたものにしていこう、そういうふうなものは佐賀県の知事選挙でいろんなものを見て自分自身に取り入れたということも言っておりました。その意味では日本一若い知事ということ自体は飯泉知事の方に移っていくわけでありますけれども、4月13日に日本で一番若い知事を佐賀県民の方が選んでいただいたという事実だけは変わることはありませんし、いわばそのエッセンスが瀬戸内海を越えて徳島まで伝播したと考えたいと思っています。
○STS
 今日、はなわ君のCD「佐賀県」のプロモを見たんですが、知事が2カットも写っていましたけれども、あれはどういった経緯で承諾されたんですか。
○知事
 4月15日だったと思いますが、某テレビ局の方から、はなわさんが来て、佐賀でいろいろあちこちを回っているんだけれども会いませんかって話があったそうです。選挙事務所の方はどんな人か分からないので「佐賀県」の歌詞を送ってもらったところ、とんでもない、こんな失礼な話はないといって即座にお断りを申し上げたということで、断りましたよとだけ話を聞いたんです。はなわさんは私、某局に出ておられた頃からファンとして知っていましたので、断ったのはもったいないなと思って、歌詞を見てみたんですよね。確かに見ようによっては何だこれはと思われても無理はないんですけれど、考えようによってはおもしろいじゃないかと思って、一度だけ会いましょうよと会ったわけです。そしていろいろ話をしていたら、はなわさん自身は非常に真面目な、芸人さんによくある非常に真面目な人で、今回この「佐賀県」というCD自体はなんかおちゃらけた雰囲気があるかもしれませんけれども、こうやって佐賀県のことが言の葉に上るということ自体は良いではないか。そしてまた、ひょっとして本当にそうなっているのかもしれないと思って佐賀県を見に来る人がいればなおまた良しで、そういう意味で今まで仮にこういうことがあったとした場合に、これはけしからんとして抗議しようとか、不買運動をしようとかいうのがこれまでの対応だったかもしれませんけれども、そこをあえて笑い飛ばすということで懐の深さと余裕を見せるというのが新しい佐賀県かなと思ってさせていただきました。
○STS
 知事がご出演されている以上は、何かPRにつなげていく考えとかはありますか。
○知事
 いろんな方から是非コラボレーションでもやったらどうかとか、いろんなお話はいただいています。今、私自身のなかで何か具体的にやっていこうということはないんですけれども、佐賀県自体をいろんな形で注目してもらうために非常にいいという話があれば、それはあまり頭から駄目とは云わずにそれは何とか考えていきたいなとは思っています。現時点では具体的にはありません。
○NHK
 就任して1ヶ月間に、知事は当初から応対をよくしようとか、壁を取り払って議論ができるようにしようということを呼びかけていらっしゃいましたけれど、今後の課題についてどうでしょうか。
○知事
 まず応対について、一番分かるということで名前を名乗りましょうと申し上げました。それは、一番分かりやすいところでいえば、県庁の代表番号にかけたときの交換の方たちの名乗りからはじまって、ある程度は広がっている気はします。私も時々、かけることがありますけれども、たまたまかもしれませんけれども数回はきちんと名乗ってくれて自分でもほっとしました。もちろんそれが100%できているとは思いませんし、まだまだこれからという部分もあるとは思いますけれども、それが一つの投げかけとなって、やると決めたらきちんと実行していくというのが我が県庁の一つの良さであると思うので、そこはこれからやっていけると思っています。一方のクロスファンクショナリズムというか、自分の元々持っている所管を越えてどうしていくかということについては、なかなか大変だなと思っています。これは自分自身でも公務員をやっていましたので、いわゆる縄張りといわれるものをゴム張りのような意識に変えていくというのは非常に難しいものであると思っています。ただ、難しいからやらないというのではなくて、そこは何かうまい協力の仕方なり連絡調整のあり方を考えていこうということを、例えば今日マニフェストの議論をしていて、シニア企業ですね、60歳を越えた方々が会社を興される、これを4年間で50社やろうではないかとマニフェストで謳っているわけですけれども、それについてどこが所管かという議論をしてたわけですね。長寿社会課なのか、NPOを所管している生活文化課なのか、経済部の商工課なのか、産業振興課なのか。そういうふうな議論をしていく中でところどころはそれぞれの部の所管ですけれども、トータルでそういったものをやろうとするのは、そもそも今までやっていなかったことをやろうとするんで、所管の部や課はないのですね。そうやって今までやってきた仕事と少しは関係あるけれどもいろんな形で関わるということについてのルールというものがまだまだこれからだなという気はしています。ただ悲観はしておりません。いろんな形で投げかけをして、実行していくということで小さな成功事例でもいいから、とにかく一つ二つこんなふうにしてうまくいったというのを作り上げていくことから、そういったものが広がっていくと思って、それは気長にやっていきたいと思っています。
○NHK
 緊急対話集会というのがあるんですが、これまで井本知事も短期雇用の対策ということでかなりやってこられたんですが、課題として常勤雇用をどうやって増やしていくのかということがあるんですが、このへんはどういうお考えですか。
○知事
 常用雇用を増やしていくというのは非常に難しいです。私が1万人規模の就業機会という言葉を使っているのも、1万人全てを常用雇用でやっていくのは非常に難しいと、短期雇用も含めて1万人規模ということをずっと申し上げてきているんですけれども。この常用雇用という機会を増やしていくには、一つには介護保険なんかを使って介護ヘルパーがもっと増えていくだろうとか、そういう時代の流れによって増えていくだろうと期待できる部分が一点あります。ただこれは県庁が努力してなるということではないなと思っています。県庁が努力して常用雇用が増えていくためには、今ある企業が発展していくような支援、そしてベンチャーといわれる新しい企業を作り出していく支援、そして外から新しい企業を誘致してくるという支援。この3つの柱をどうやってきちんと働かしていくかということが一番必要なことと思っています。それはなかなか言うは易く行うは難しの部分がありますので、目に見えて急に広がっていくというものではないかもしれませんけれども、それはそれでマニフェストとは別の形ででも経済部とも話をしてですね、その産業振興全体についてどういう方針で今後4年間取り組んでいくかということについてきちんと骨太の議論をしていきたいと思っています。

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