記者会見

●質疑応答:報道機関との質疑応答
○毎日新聞
 先ほどの仕事始め式のあいさつでも触れられましたけれども、今年は大型事業の方針決定を迎える時期ということで、ここにも「県立病院好生館(2月)」、それから「城原川ダム(11月)」と書かれていますけれども、ここで言う時期の切り方ですよね。要するに、県立病院好生館については来年度予算編成を念頭にということ。城原川ダムの方が、これは次年度の予算提案の時期ですよね。その辺を想定してという設定になっているんですかね。
○知事
 基本的には城原川の流域委員会を立ち上げたのは去年の11月でしたので、1年を目途にということでやってきておりますので、それで11月というふうに書いております。この時期にやれば、これは国営の事業でありますので、国の予算編成にも間に合うだろうということで11月というふうに書いています。
○朝日新聞
 先ほどの仕事始め式のあいさつの中で、県政の進め方、政策プロセスを変えていこうと思うと、少なくとも組織改正に向けて議論していくと言われましたが、今の時点で大体方向性として見えてきていることというと、どういうことになるんでしょうか。
○知事
 論点として、今の部の体制をどうするかというのが1つ、それと、今階層がたくさん分かれていますけれども、最近、組織をフラット化していくという動きがございます。最近の組織のフラット化という動きを県政の中でどう取り入れていくのかという点が1つ、それと現場重視という観点から、今の本庁と出先機関の関係をどう考えていくのか。もう少し出先機関の方に権限を持っていって、素早い判断ができるようにすべきではないのかといったことがありますので、そういった意味で、この3つを論点として考えています。
 また、その前提となるべき県庁の物事の進め方として、これまでは総務部が、いわば県政の司令塔としての役割を果たしていたわけでありますけれども、司令塔というよりは、どちらかといえば学校の職員室みたいな感じだったと思うんですね。あれはするなとか、これはだめだとかという感じのですね。何かをやれとか、こうやっていこうという、いわば、ラグビーでいえば、スタンドオフ的なゲームの組み立てをするような役割ではなく、むしろ違反がないか、笛を吹く役だったというふうに言ってもいいのかもしれません。そういったものではなくて、県政がこれから進んでいかなくてはいけない方向を示して、それに向けて県が持っている資源の配分をしていくような司令塔の役割を新しく担うべきところを何か考えなくてよいのかというふうなところも、部の再編成の中であわせて議論をしているところであります。
○佐賀新聞
 突然の質問ですが、リニアコライダーといいまして、スーパーカミオカンデ(素粒子ニュートリノ観測施設)と並ぶような宇宙の素粒子の研究をする施設を設置するため、トンネルを脊振山系に掘るという計画がありますが、その計画の世界の候補地の中の1つに佐賀県が選ばれているんですけれど、これについてどう思われるのかというのが一点。もう一点は、県として何か取り組まれるようなお考えがあるのかという、この2点をお聞きしたいのですが。
○知事
 非常に夢のあるいい話だと思っています。これは世界の中で候補地をどこにするかという話で、さらに言えば、我が国政府としてこのリニアコライダーをぜひ我が国に誘致するかどうかという方針を決めていかないといけない話だと思うんですね。今、一方で、日本政府としては六ケ所村の方に立地を予定しているITER(国際熱核融合実験炉)というものがあって、今年2月か3月までにフランスになるのか日本になるのかということが決まっていきますけれども、これが日本になっていけば、意味は違うと思いますけれども、ある意味似たような形の研究施設を我が国に世界的なものを2つというのはなかなか難しかろうというふうにも思っておりますので、まずはそれが決まるまでは少し様子を見ていようと思っております。
 ある意味変な話、我々のことを先に出してしまうと、それが日本に決まらない方がいいんだというふうなことになると、これは我が国として見たときに問題があると思うので、まずはそのITERの状況を見ながらということになると思いますけれども、その結果を見た上で、仮に今回そのITERがフランスに決まるということになれば、今度は次なる世界的な研究施設としてこのリニアコライダーというのは極めて高い実現性を持つものであり、その我が国における候補地として見たときには、脊振というところは岩盤的に見ても直線がとれるというところから見ても、非常に可能性のあるところだと思っておりますので、まずは様子を見ますけれども、立地の可能性が出てきた段階では、福岡県と協力をして強力に国に対しても、また世界に対してもアピールをし、働きかけをしていきたいと考えています。
○佐賀新聞
 学術面と同時に、経済的な期待もできると思うんですけれども。
○知事
 今回つくるシンクロトロン光研究施設がいわば実務的な研究をしていくというものに対して、このリニアコライダーというのは、もともと地球の成り立ちだとか、そういったことを研究するような大きな施設になっていくものですから、その意味で、例えば、何かすぐ周辺に関連産業が立地するという意味での直接的な経済効果はなかなか期待しにくい部分があるかもしれませんが、これは世界的な研究機関になっていきますので、当然多くのいろんな科学者の方々が脊振の地域にお住まいになるというふうなことが出てまいります。
 そしてまた、そういう方たちが暮らすことによって、地元との交流が出てきたりとか、そういったものに刺激を受けて、我が佐賀県なり福岡県なりが我が国の中でもそういう新しいサイエンスの発信源になっていくような可能性というのも十分に期待できるものだというふうにも思っておりますので、その意味では、経済的な期待はできますし、それ以上に社会的な効果、そしてまた精神的な効果も考えられるのではないかと思っています。
○共同通信
 サガン鳥栖の存続については、まだ大手スポンサーが決まるかどうかということにかかっているというような状況ですけれども、県や鳥栖市にも働きかけて、鳥栖に残すという方向で古賀社長は随分と検討しておられるようですけれども、そこら辺の県としてのバックアップであるとか、現状についての知事のお考えであるとかをちょっとお聞かせいただきたいと思うんですが。
○知事
 県としては、側面的な支援をしていくべきだろうというふうに考えています。
 私は、サガン鳥栖というのは、いちサッカーのクラブでありますけれども、そういうものを越えて、ある意味今の佐賀の象徴でもありますし、特に、若い人たちを中心とした期待の星であるとも思っています。
 そういう意味で、J2のクラブが佐賀県内にあるということは非常に大きな意味があるというふうに思っています。
 一方で、その存続やあり方に対して、ホームタウンでもない行政体がいきなり出ていくということについては、出すぎだと考えていまして、サガン鳥栖はホームタウンを鳥栖市に置くクラブでありますので、まずは何よりもサガン鳥栖という会社やクラブのサポーターや、またホームタウンの鳥栖市がどう考えるかということをまず把握をしなくてはいけないと思っていますし、私どもなりに把握をし、お話を聞いていく中で、今年については、存続に向けての道筋が見えてきているということで新しい体制、新しい監督にも大きく期待をしたいと思います。
 松本監督はクラブの建て直しの経験もおありの方でありますので、ぜひそういう経験を生かして、サガン鳥栖をJ2の中でも際立つ存在のクラブにしていただきたい、そのように期待をしています。
○共同通信
 側面的支援とおっしゃいましたけれども、具体的に言いますとどういったことをなさいますか。
○知事
 今の時点でサガン鳥栖の方から正式に県として具体的にこのような支援をしてくれという要請は来てないんですよ。今回のいろんな意味で問題が起きたときにも自分たちで処理をされていかれたという意味で、自立的にやっておられるんだと思いますけれども、例えば、観客動員などでお願いが来た場合には、私どもなりに教育委員会なり何なりにもお話をするというふうな形で、もう少し学校単位だとか、地域の単位ででも、何か見に行くようなことできないだろうかということだとか、そういったことの紹介をするとか呼びかけをするとか、そういったことというのは、お話があれば考えられるのではないかというふうに思っております。何遍も言いますけれども、ほかのサッカーのクラブを見ておりましても、行政がしゃしゃり出たところで、余りいいことになっていないというか、やっぱりクラブを支えていくのは市民であり県民であり、何よりもスタジアムに足を運んでいただくファンの方々なので、そういった盛り上がりなしにはクラブの存続や発展はないというふうに思っています。だから、そういったことの邪魔にならないようにするというのが県の一番の仕事なのかなと思っております。
 ただ、私はまた新しいシーズンが始まれば、当然何回か鳥栖スタジアムに足を運びたいと思いますし、去年より悪い成績にはならないわけでありますけれども、今年は新しい体制のもとで、ぜひいい成績を期待したいと思います。中には、JFLからもう一遍やり直すべきだという意見もあったというふうに承知していますけれども、私の理解するところ、JFLとJ2の間というのは、ものすごい大きな隔たりがあって、今J2にいるということの重みというのが、例えば、「ザスパ草津」であるとか、「かりゆし」であるとか、ああいったところが非常に地域で頑張っていますけれども、それでもJ2には行けないわけですね。そういうことを考えれば、今J2にいるという重み、J2というのはある意味世界につながっていくわけですから、そういったことで、今年はぜひみんなが納得いくような成果を出していただくように期待したいと思います。
○朝日新聞
 産業廃棄物税の条例提案が9月とありますけれども、今の時点でのコンセプト、考え方並びに「(仮称)」という意味も含めて教えてください。
○知事
 「(仮称)」とついている部分は、まだ条例を出しておりませんのでという意味でこんなふうに書いていますけれども、基本的にはこういう名前になるんだろうと思っています。それで、もともと九州3県で、福岡、佐賀、長崎の3県知事会の中で話が出たものを、どうせやるのであれば、産業廃棄物の流通が盛んな九州全体でやった方がよいのではないかということで九州全体での取り組みをしているところでありますけれども、納税義務者を誰にするかというところで福岡県が考えている方式と、あと一部のほかの県が考えている方式でいろいろ違いがあります。
 また、総量抑制することを考えていくのか、税収を上げることを目的とするのかというところで、ちょっといろいろ違いがありまして、私、今この時点で間違っているかもしれないので、正確には事務方に聞いていただければと思うんですけれども、その2つの方式の違いというものがあって、今それを詰めつつあるという段階にあると思っております。要するに、納税義務者を誰にするかというところですね。これがうまくいけば、九州という大きな固まりの中で、同じ税制を地域独自の税制として取り組むということでもあり、これはある意味では、新しい地方自治の段階ということになるのではないかと思っておりまして、私ども県としても、そういう協議の場でとにかくまとめていくような形でのいろんな意味での発言と努力をしていきたいと考えております。
○西日本新聞
 「改進」というのは御自分で考えられたんですか。
○知事
 みんなで考えたんですね、企画の人たちに何回か入ってもらって、来年のキーワードをどうしようかということでいろいろ議論していたんですけれども、その中で職員の方からこういうのはどうでしょうかということで出されたのが「改進」だったわけです。あ、いいねと、もちろん、佐賀城本丸歴史館がオープンしますし、「新選組!」も始まるものですから、改めて幕末維新期がもう一度クローズアップをされる年というふうに認識してもいいかな、そうしていく中で、郷土の先輩である大隈重信候が掲げられたテーマということでもあり、かつ、実は「“改革”という言葉はもう飽きたね」という話からだったんですね。「改革」の「革」というのは「革命」の「革」なものですから、非常にドラスチック(過激)なイメージが強いもので、なんか天地をひっくり返したようなことをやるとなると、ひっくり返そうとした割には、半分しかひっくり返さなかったというようになるのも面白くないし、4年間の中できちんと実績を上げていこうということを考えると、きちんきちんと進められるところに進んでいくというのが大事だよねというふうなこともあって、その意味では「改進」という言葉というのは非常にいいねと、改めることだし、しかも前向きに、後ろに下がっていくとか、横向きにひっくり返るということじゃなくて、前進していく、進んでいくという響きがいいよねということで「改進」にしました。
 ちなみに、中国語ではどういう意味かと思って、県に来ている中国人の人にも聞いてみましたけれども、「改めながら進めていく」ということで、そのものだということでほっとしました。中国語でも日本語でも、文字どおりそういう意味であるということで、今年はこれでいこうということでありますけれども、余り無理してこの言葉を使うと、またおかしくなるので、これは気持ちの持ちようということで、私たちがいろいろ進めていく施策の裏側になければならないものとしてのキーワードと御理解いただければと思います。
 それでは、今年1年が、皆様方にとりましても、よい年でありますよう、お祈りしまして、年頭の会見を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○幹事社(毎日新聞、共同通信)
ありがとうございました、

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