記者会見

●質疑応答:城原川ダム建設問題について
○朝日新聞
 城原川流域委員会が今度、11月5日の会合で結論を出すのかなと思いますが、今の現状について、今後どういうように判断を下していこうと考えているかについて、一言いただければと思います。
○知事
 もう流域委員会における議論は相当進んできていると思っております。
 ただ、先般の全体懇談会の様子を見ていても、知識や考え方に、あの場に出席されていた方だけでも大きな開きがあるなということはなお感じています。
 私どもとしても、限られた時間の中ではありますけれども、さらに住民の方々と事務的にでありますけれども、いろんな意味でやりとりをさせていただく機会を地区別の懇談会とかも含めてつくっていきたいと思っておりますし、そうしたことを重ねていきながら、また、流域委員会の結論を見て、県としての判断をしていきたいと思っております。非常に時間がないなということを感じております。
○共同通信
 今の流域委員会の議論の流れといたしましては、ダム建設自体は、治水面で有効であるけれども、一方で、やはり知事がおっしゃられたように、住民の理解とか、議論とか、その辺が進んでいないと。だから、今の段階でつくる、つくらないと決めたとしても、どうしてもしこりが残るという議論の流れになっているのですけれども、それでも、そういう内容が出たとしても、やはり11月中に決断されるという方針には変わりはないのでしょうか。
○知事
 脊振村の方たちがいらっしゃるからですね。少なくとも、何も決めずに「もう1年やりましょう」ということはあり得ないのだと思います。脊振村の方たちには、私が知事に就任して、去年の今ごろには何らかの方向が出るのではないかと待っておられたのだと思うのですね。それが、こういう形できちんと議論をするから待ってくれと言っていますので、さらに何も決めずに、もうちょっと議論をするから待ってくれという結論というのは、ちょっとあり得ないのではないかと思っています。ただ、どこまで詰め切れるかといった問題はあります。
 今おっしゃったように、まだ住民の中でも議論が詰まっていないじゃないかと。もうちょっとこうしたことを続けていけば、変わっていくのではないかという指摘もいろいろございます。
 ですから、そういったことが、もう流域委員会としても、その辺が悩ましいところであるとも思っておられるようですし、私のところにもそういった声もたくさん聞こえてまいります。であればこそ、非常に判断が難しくなっていくわけですけれども、「何も決めません」ということはあり得ないとして、もう完全に決めてしまうということが、また一方で考えられるとして、その中での答えというものがあり得るのかどうかということも含めて、流域委員会の方でもいろいろ議論をしておられるというようにも聞いておりましたので、まずは、その議論の様子を見守っていきたいと思います。
 つまりは、全く何も決めないということはあり得ないということです。目指すところはすべて決めてしまうというところであります。そういった結論を出すことになるという可能性ももちろん十分にあるわけですけれども、そうではないけれどもという形で、何らかの考え方というものもないのかどうかも含めて流域委員会でも検討されていると聞いておりますし、私もそういったこともないのかということは、模索はしているところであります。
○共同通信
 いずれにせよ、11月中に何らかの方針を出されるのですか。
○知事
 ええ、何らかのことは、とにかく出します。
○NHK
 時期はいつぐらいになりそうですか。11月5日は今度委員会がありますけど。中旬なり、下旬まで延びるとか、もうちょっと日にちがかかるとか。めど的なものはいかがでしょうか。
○知事
 秋になって、いっぱいいろんな問題が出てきて、正直言って今、第2週にとか、3週にというめどがまだ立っていないのでありますけれども、遅らせる意図は全くございません。もう少したったら、またお話できると思います。
○NHK
 流域委員会の翌日にということはありますか。
○知事
 そういうようなことはありません。
○NHK
 少なくとも、やはり5日の結果を受けてからですね。
○知事
 ええ、受けて、私なりに考える時間が必要と思っております。
○FM佐賀
 それは結論を出す、出さないにかかわらず、脊振村の振興策だけは何とかやっていきたいということと思っていいのですか。
○知事
 私は、前からそのように思っておりまして、とにかくダムをどうするとかなんとかということとは関係なく、脊振村のことだけはまず何とかしないといけないのではないかということは思っております。
○朝日新聞
 具体的にどんなものか、まだ、わからないのですか。
○知事
 それはわかりませんし、もちろん流域委員会での議論も、まず受けなければいけないわけです。私の気持ちとしては、脊振村のことだけは、とにかくまず何とかしなくちゃいかんのじゃないかと。そこは歳月の重みというものじゃないかなと思っております。
○FM佐賀
 意外と住民の皆さんは、あまりきちんと状況をわかっていない。下流域の議論が尽くされていないような感じもするのですけど。
○知事
 私もそう思いました。相当な回数を重ねて流域委員会も議論していますし、また、地区にも入っていって説明もしていますので、私が期待していたのは、「あなたたちはこう言うけれども、こうじゃないか」とかいう反論、再反論みたいなものをもっとしていくことによって、聞いている人たちがどちらの言うことの方がより納得できるのかなということになっていけばいいなあと思っていたのですけれども、時間の制約等もあって、なかなかそこまで至らずに、結構入り口での議論、どこかで聞いたような議論というのが、正直多かったような気がします。
 ですから、そういったのを見ていても、なかなか1歩、2歩進んだ議論をしていくことは難しいと感じてはおります。ただ、それを理由にしていいのかなという部分もあるわけでして、ならば、限られた時間の中だけでも、そういう理解を求める努力ももちろんしていかないといけませんし、とにかく結論が出るまでに議論が深まるような努力はしていきたいと思っております。

記者会見トップへ 平成16年11月1日記事トップへ

トップページへ

Copyright 2004 Saga Prefecture. All rights reserved.
このサイト内の文章や画像を無断転載することを禁じます。