1.財務省原案内示の概要 12月20日(月)、平成17年度の財務省原案が内示された。 予算全体の規模を表す一般会計総額は、3年連続で増加し、本年度当初予算比0.1%増の82兆1,829億円。 このうち、政策的経費である一般歳出は、国・地方税財政の三位一体改革に伴う地方向け補助金が1兆円以上削減されたことなどで、本年度当初予算比0.7%減の47兆2,829億円と、3年ぶりにマイナスとなった。
○「財政の持続可能性を確保されるための一里塚」(財務大臣)として緊縮型の予算原案となった。 2.本県提案事業の採択状況 (1)個別箇所付け分(配布資料1ページ) ○本県としては、平成17年度の政府予算編成に当たって、これまで、地方の自由度を高める三位一体改革の推進、育児保険の創設など政策提案のほか、嘉瀬川ダム、西九州自動車道など個別事業の促進について提案を行ってきたところである。 この度、財務省から原案内示された政府予算案では、以上のとおり緊縮予算であったけれども、配布資料の1ページに記載のとおり、箇所付けが判明している主な事業のうち、中木庭ダム建設事業、井手口川ダム建設事業、城原川ダム建設事業については、要求額どおりの内示となっている。 ○嘉瀬川ダム事業については、要望額に対しては若干下回ったものの、対前年度比144%の大幅増の予算が認められた。このうち来年度から予定されているダム本体工事については必要額を確保されていると聞いており、平成23年度の完成に向けて、いよいよ本格的に工事の進捗が図られていくものと考えている。 ○有田川総合開発事業は、佐賀県が猿川ダム(有田町)の建設と既設の有田ダム(有田町)の再開発を目的とした多目的ダム事業であり、有田川水系猿川、白川川の洪水調節、流水の正常な機能の維持、有田地区への水道用水の供給を目的としている。 現在、猿川ダムの利水計画については調整未了であるため、当面事業促進が見込まれないこと、かつ予算規模が小さいことから、今回予算計上が見送られたものである。 しかしながら、当事業については、利水計画の調整中であるところから、県では、必要最小限の水文調査は行っていきたい。 ○城原川ダム建設事業については、流域の責任ある首長と詰めた議論を行い、来年3月を目途に県としての方向性を出すこととしており、前年度と同額で必要最小限の調査費を確保していただいた。 (2)全国枠分の中の主なもの(配布資料2ページ以下) ○放送のデジタル化の推進については、予算の重点配分がなされ、まず、地上放送のデジタル化に伴うアナログ周波数変更対策及びデジタル放送の普及促進等については、今年度並みの予算を確保されている。 また、新規事業の「地上デジタル放送公共アプリケーションパイロット事業」(1,770百万円)により、デジタル放送の公共分野(教育・医療・防災)における高度な利活用のための実証実験が行われることとなっている。 ○次世代育成支援対策関係(こども課関連)の政府予算案は平成16年度の予算に比較し、22,024百万円の増で、対前年比103.32%の内示となっているが、地域バランス等を十分配慮した配分となるよう注視していく必要があると考える。 ○不妊治療に関する支援体制の整備強化等については、平成15年9月より、国に先駆けて体外受精に対する治療費の助成制度を創設しており、平成16年度からは、国においても不妊治療助成制度が創設されたため国庫補助事業として実施している。 平成17年度は、不妊治療助成制度とその他の制度が再編・整理され、新たな支援事業が創設された。 ○有明海の再生対策としては、これまで実施されてきた貧酸素水塊の調査、二枚貝類の生息調査や干潟の環境保全機能の調査等が拡充されることとなった。 また、アサリ、アゲマキ、タイラギなど二枚貝類の生産回復対策として、海底耕耘等の推進のほか、有明海環境改善のための新たな実証試験等の予算が認められた。 ○障害者福祉施策については、国に対して地域での自立生活支援を実現するための在宅福祉サービスやグループホームなど地域生活支援施策の安定的、継続的な運営などについて提案してきたが、平成17年度予算は、障害者の自立と社会参加の推進施策について、前年度比108.2%の内示となっており、中でもホームヘルプなどの在宅福祉サービスについては、今年度当初予算比1.5倍の内示額となっている。 ○雇用対策の拡充・強化に関して、「若年者の常用雇用の促進」及び「障害者の職業的自立の促進」に関連する予算としては、
○農林水産業関係の非公共事業予算については、対前年度当初予算比97.2%となっているが、三位一体改革に関わる地方への税源移譲分である農業近代化資金利子補給等補助金などの約54億円を加えると、対前年度当初予算比97.5%となっている。 また、農林水産省は、細かな目的毎に細分化されていた非公共事業を「強い農業づくり交付金」「森林づくり交付金」「強い水産業づくり交付金」など7つの交付金に統合されている。 ○農業・農村を支える基盤づくりの促進については、農業農村整備事業全体の事業費が減少している中で、農業水利施設の管理に関係する予算は対前年比101.7%と伸びている。 ○道路事業の予算については、全国枠で対前年度比94.2%となっており、非常に厳しいものとなっている。 ○汚水処理施設整備の関係については、全国枠で
(浄化槽整備事業は、対前年度比103.0%と増額になっている。) ○義務教育費国庫負担金については、今回、三位一体改革に係る政府・与党の合意を踏まえ、平成17年度は暫定的に4,250億円が税源移譲予定特例交付金により措置されることになった。 (3)新規事業(箇所)採択等 ○九州新幹線(長崎ルート)武雄温泉〜諫早間 内示額については、新幹線鉄道整備事業費補助(公共事業関係費)として706億円が全国枠で示された。 この706億円に既設新幹線譲渡収入や地方負担を加えた全体事業費(新幹線鉄道整備事業費)は2,195億円で、そのうち、長崎ルート(武雄温泉〜諫早間)の事業費については10億円となっている。 ※長崎ルート事業費は、新聞情報によるもので国からは未公表 ○佐賀大学「連携融合事業(特別教育研究経費)」(内示額 33,950千円) 佐賀大学における、シンクロトロン光を利用した佐賀県との一体化による先導的、工学的基盤研究が採択された。 ○佐賀大学「有明海総合研究プロジェクト」(内示額 217百万円) 佐賀大学における、有明海の環境の保全と有明海沿岸域の持続的発展を可能にするための総合的研究が採択された。
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