記者会見

●質疑応答:報道機関との質疑応答(1)
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○共同通信
 予算の件に戻るんですけれども、今回、いろいろ知事が新規施策を説明されましたけれども、この中で、難しい質問かもしれませんが、これが一番目玉だと思われるものは何でしょうか。県として、もしコンセンサスがあれば教えていただきたいと思います。
○知事
 いっぱい各部局から、私のところをぜひ目玉と言ってくださいと言われているんですけれども、1つ目玉としてあるとしたら、農業についてとにかく有機農業を大きく取り上げて、環境保全型農業こそが佐賀県の農業の未来にとって必要だという点に大きくシフトしてきたことだと思います。
 農業について、環境保全型農業に取り組もうとしたということと、マーケティング重視ということで売ることを重視したということ、そしてまた、輸出を考えていくというふうに国際的な戦略を考えるようにしたということ、いわば、こういうふうにこれまで基盤整備中心だった農業をお客様から見てどうかというふうなことに変えていったというのが私としては気持ちの中では一番大きな目玉だというふうに思っております。
○時事通信
 国からの補助金がたしか4,500億円ぐらい削減されると思いますが、それによって普通建設事業、いわゆるインフラの面で大幅な遅れをとる、そういった事業というのは佐賀県にはありますか。
○知事
 公共事業のカットの分は一般財源化も何もされませんでしたので、それがそのまま国全体としての公共事業の規模の縮小につながったわけですね。したがいまして、例えば、佐賀県が概算要求の段階で、ぜひこれは国に補助金をつけていただこうと思っていたものも相当厳しい採択が予想されるだろうというふうなことで、逆に我々としてもこれは多分つくだろうとか、やらなくちゃいけないというふうなものの絞り込みをかけることにしたわけであります。
 だから、その意味で先ほど道路の箇所で説明しましたように、やっぱり新規採択というか、新規に着工する箇所はかつてに比べて減ってきているというふうに考えております。これはそういう形でやはり影響が出てきていると考えております。
○時事通信
 措置として着工箇所を減らすということになってくるということですか。
○知事
 はい。ただ、今回の予算編成において、補助事業は5.8%の減となっており、単独事業は13.2%減っているんですけれども、国の直轄の予算がどうも佐賀県は今年伸びそうなんですね。そういう意味で、例えば、これだけ減らしていくと、県内の景気の維持という意味で、下支えという意味で大丈夫かというふうな声もあるんですけれども、直轄と補助と災害復旧なんかを合わせた投資的経費全体で見ますと、地方財政計画はマイナスの8.4%の減であるのに対して、本年では7.4%の減というものにとどまっておりまして、その意味では地方財政計画以上に事業量が減ったというふうなことにはなっていないと考えております。
○時事通信
 もう1つ、組織改正案の話なんですけれども、横断的な組織再編になりますが、国の方との兼ね合いで多少混乱するのかなと思うんですが、その点については知事としてはどのようにお考えですか。
○知事
 はい、確かに4月1日からきちんとスムーズにうまくいくだろうということはなかなかないかもしれないとは思っております。最初のうちは多少の混乱はあるかもしれないと思っておりますけれども、それは恐らくしばらくすれば落ち着くだろうと思っております。国としても、どんな名前のついたどんな部署であろうとも、基本的にきちんと仕事をしてくれればいいというのが考え方であると私は思っておりますので、最初はちょっと混乱があるとは思いますけれども、やっていけるだろうというふうに私としては期待しております。
○佐賀新聞
 財政状況の中で基金の取り崩しなんですけれど、今回、財政調整積立金と県債管理基金、いわゆる自由に使える部分の基金を、一般財源でいうと県債の分で 145億円充てられて、残りがもう40億円ぐらいになっているんですけれども、基金も絡めてですが、来年度以降どのような対応をされるおつもりですか。
○知事
 まさにそこがポイントでありまして、貯金があるうちに貯金をおろすという財政運営をやっていますと、貯金がなくなったときに対応できなくなってまいります。
 そこで、平成17年度の予算編成の前に、やはりいろんな意味での大幅な見直しをしていくことが必要になっていくのではないかというふうに思っております。
 ただ単に事業を少し10%カットしましょうということではなくて、ある意味で県の仕事をゼロベースから見直していくような形でのことも考えていく必要が出てくるのではないかなというふうに思っておりますし、また、今までは財政調整基金ですとか、県債管理基金とか、そういったものに加えて大規模施設の基金というのがあったわけでありますけれども、これがある意味で非常に使いづらい基金になっておりましたけれども、これを少し弾力的に使えるようにしていくというふうなことによって、この部分を、例えば、高校を新しくつくったりするようなことも今後していかなくてはいけないかもしれませんので、そういったときに備えて、大規模な事業に対して使えていくような、そういったことも考えていかなくてはいけないのではないかと考えております。
○毎日新聞
 今おっしゃった、財源不足の関連ですけれども、要するにゼロベースからの見直しというふうにおっしゃいましたが、今回の場合は暮れの時点で、予想外の財源不足がプラスアルファで加わったわけです。結局、それに対する対応というのは、考え方としては事業量をその分減らすというふうな方向で今回は対処されていると思うんですけれども、その辺も全く変えられるということですか。
○知事
 まだ、具体的に考えているわけではないんですけれども、恐らく今回やったようなやり方でやっても、出てきたお金70億円ぐらいしか出てこなかったわけでありまして、ちょっとこのやり方だけでは難しいのではないかというふうに思っているわけであります。
 今、この場でじゃあどうしていくんだということになると、まだ具体案は持ち合わせておりませんけれども、今回、まずはこの予算を議会に提案し、かつ通していただくというところから始めてまいりますけれども、そんなふうにして新しい年度が始まったら、やっぱり今後どうしていくのかということを考えていかなくてはいけないだろうというふうに思っております。予算編成時期になって考えるのじゃなくて、その前にということです。
○毎日新聞
 それと今回のように、要するに既に予算の編成作業に入っている途中で、例えば、国の予算の絡みで、いわば予期しない財源不足のような事態が来年度以降生じた場合、先ほどの基金の絡みから言うと、非常に手当てが難しいような形になると思うんですが、その辺については今回のようなことはもうないというふうに判断されるんですか。
○知事
 それは基本的には、あるかもしれないという危機感を非常に持っておりまして、だからこそ1つには、まずは九州地方知事会などとも一緒になって、とにかく、ある日突然どしゃ降りの雨になるような、そういうことをやめてくれないかと。天気予報を出してくれないかということを我々は思っているわけですね。
 ただ、私も自分自身で地方財政計画を担当しておりましたので、ある意味でわかるんでありますけれども、翌年度交付税がどれぐらい必要になるかという一番基本になるのは、実は国税収入が翌年どれぐらい入るかということなんですね。それは多分夏の段階とか、秋の早い段階にわかればいいわけでありますけれども、そうなると、かなりぶれが出てきます。どうしても予算編成のぎりぎりになって、ある程度正確な見通しを立てたところで国の方も翌年度の国税見通しはこれくらいになるということを出してくるわけですね。それの、まず国税の一定割合が交付税でありますし、それをもとにして、今度は地方税収がどうなっていくかということを計算をし、その過不足でじゃあ交付税が幾ら要るかということを計算していかなくちゃいけないということになるわけですね。
 そうすると、現実的な作業を見ていると、なかなか我々が思うように、今回みたいに12月末じゃなくて、もうちょっと落ち葉に色がつくぐらいの時期にわかっておけば、我々もよかったのにというふうなことを思うものの、非常に難しいだろうなというふうに思うわけですね。
 ただ、そこのところは難しいなとあきらめるのではなくて、やっぱり声は声として、意見は意見として、先ほども申し上げたように、今後、数時間のうちに何ミリの雨が降るかということまでは要らないけれども、曇りだよとか、小雨だよとか、どしゃ降りだよというぐらいの雰囲気だけでも、何か示してもらえないかなということは申し上げたいと思います。
 そうでないと、私ども具体的な予算編成はもう10月末ぐらいで来年度の予算要求を一遍締め切ったりしているわけですね。仮の締め切りではありますけれども。というふうに秋に予算編成を基本的にやっていっておりますので、そういうふうなことを国に対してはきちんと申し上げたいと思っております。
○佐賀新聞
 今回、各部局からの予算の要求段階を公開されましたけれども、初めての取り組みだったんですけれども、その反響と、メリット及びデメリットというのはどうお考えになられますか。
○知事
 反響はありました。障害福祉の関係だったんですけれども、要求の内容を見た方々から、例えば、これは非常にいいので、ぜひこういうふうにしてくれとか。こういうふうなことをやるのであれば、例えば、新しく委員会をつくるとかという話があったんですけれども、その委員会をつくるというのであれば、ぜひとも日本を代表するような人も委員になってほしいんで、そういった人も入れるような予算組みにしてくださいというふうな話なんかがあって、実際にその当時の予算要求の内容を見てみると、全員が県内の委員ということを予定していて、余り多くの旅費などが組まれていなかったんですね。ということで、そんなふうなものを見ながら、実際に予算編成過程においては、そういう県外の委員でも対応できるようにしていったというふうなことですとか、そういうふうなメリットはあったというふうに思っております。
 また、デメリットというのは直接感じてはいないんですが、どこまでこういうふうに公開したということが浸透したのかなという意味では、まだまだ多くの方々に知られることとなってないのではないかといったところが今回の反省点としてはございます。
○佐賀新聞
 内部の意識の中ではどうだったんでしょうか。つまり、説明責任というところですか。
○知事
 それは正直言って、やっぱり公開するとなったときに、自分たちが要求したものがつかないと、なぜつかなかったんだとか、なぜつかないことに納得をしたんだというふうなことになった場合にやっぱり困るのではないかというふうな意見はございました。ですけれども、それは最終的にはもちろん私が判断することでありますので、私のせいにしていただければ結構なんですけれども、やっぱりそこをそういうふうに聞かれたときにきちんと説明するということをやっていかなくちゃいけないだろうということで、そこはある一定の庁内的な理解は得たつもりでおります。

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