記者会見

●発表項目:組織改正と人事異動の概要について(1)
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 それでは、4月1日付の組織改正と人事異動の概要の記者発表をします。
 まず、今回の組織改正についてであります。
 議会の中でも何度か答弁をさせていただいておりますが、今回の組織改正のポイントは大きく3つあります。1つは、県民の視点で仕事をする横割り組織への再編です。もう1つが、各本部が、いわばカンパニーのごとく責任と判断でスピード感のある経営ができるように権限を移譲するということでありまして、予算配分、人事配置に関する権限を現在の総務部から一定程度各本部に移譲することといたしております。そうすると、各本部ごとにばらばらな経営がされることもある意味で危惧されますので、県政の大きな方向性そのものについては統括本部が方向性を示すということにしております。大まかな方向は統括本部が示し、仕事のやり方は各本部に任せるというところが今回のポイントであります。
 また、この統括本部について、これまで県庁というところは、ややもすれば国の意向を忠実に実施するところという色彩が強く、県そのものとしてどのような方針で臨むのかということが2番目、3番目に来ていた感がありましたが、この4月1日からは県政の重要課題については、まず統括本部が各本部を指揮しながら進めていくということになり、各本部間で意見が異なる場合の政策調整機能をこの統括本部が持つことになります。
 次に、主な新設機能についてでありますけれども、まず、「危機管理・報道監」については、県民や県庁にかかわるさまざまな危機事態、例えば、最近で言えば鳥インフルエンザのような事態といったものも、これに当てはまるだろうと思っておりますけれども、何か異常事態、緊急な対応が必要な事態というものが発生した場合に、どのように対応したらいいかということを一元的に所管する部署であります。
 ここは、県として一元的な危機管理体制に移行すべきかどうかという判断をしていただくのと同時に、そういう体制になった場合には私に代わって体制を整え、対応の方針の決定や報道対応等を行うということにしておりまして、本部長級でありますが、ある意味、本部長級以上の権限と判断が求められる部署であります。
 私は、危機管理は広報とニア・イコール(とても近い)であろうと思っておりまして、内部的な危機を管理(マネジメント)していくということとあわせて、どういう情報を県民に、外部に提供していくのかということが一元的に管理されなければならないと常々考えておりました。それをいわば具現化するための機能であります。
 次が「県民協働課」です。
 これは、今の県政の3つのポイントである「オープン」「現場」「県民協働」のうちの県民協働というものの理念を具現化するための組織でありまして、さまざまな場面における県民協働による地域づくり、行政参加、また、NPOやボランティアといったCSO(市民社会組織)の活動を支援する部署であります。
 3番目が、「こども課」です。
 これまで知事部局と教育委員会に分かれて所管がされておりました幼児期における保育、教育についての機能を、この「こども課」に一元化することにいたしました。また、あわせまして、国においては厚生労働省が所管をしているという理由で、これまで経済部にあった、例えば、ファミリーサポートセンターといった子育ての支援に関する機能、施策についても、この「こども課」に一元化することにしております。幼保連携、幼保一元化、そういったものにもこの「こども課」が積極的に対応し、施策を推進していくことになります。
 また、「くらしの安全安心課」は、消費生活にかかわる機能を所管するものでありまして、文字どおり、安全で安心な暮らしを県民にお届けするための課であります。
 特に特徴的なこととしては、消費生活に関する企画調整と相談機能をアバンセに一元化いたします。アバンセにというのは、アバンセの中にある消費生活センターと「くらしの安全安心課」を一緒の部署に置きます。つまり、本課でありながら、県庁のこの建物の中には本課がないという組織になってまいります。
 これは今回、消費生活センターの相談機能の部分についてはNPOに委託をすることとしておりますけれども、NPOに委託をすることによって、いろんな意味での柔軟性や専門性は発揮されることと思いますが、県政との間に溝というか、意思疎通を欠くようなことがあってはならないとも考えまして、むしろ実際の消費生活、相談を受ける現場に本庁機能をくっつけていくことを考えようということで、このようなことをしたものでございます。
 消費生活に関する企画調整機能自身も強化していきますので、そのことによって、県としてどうしても行わなければならない悪質な業者の公表であるとか、そういう厳しい行政機能についても充実を図ることができると考えております。
 次が「有明海再生課」であります。
 これは有明海再生のための行動計画の策定、推進でありまして、これまで各部局にまたがっておりました有明海再生に関する諸施策を、この「有明海再生課」がまとめてきちんと把握をして推進していくことになってまいります。有明海再生のための取り組みは1人行政のみで行われるものではなく、団体や住民と一体となって行うべきものでありますので、そのような体制の整備などを行っていって、有明海再生について県を挙げて、県民を挙げて取り組んでいくという姿勢を示したと考えております。
 次に、「流通課」であります。
 これは、今回農林水産商工本部という形で、産業についての本部が一元化されました。そして、今までは農産物は農産物、水産物は水産物という形で売っていたものを、市場を見据えた形でどう売っていくかというマーケティングやブランド確立というものに着目して、1次産業のものであろうと、2次産業のものであろうと、3次産業のものであろうと、そういったものを問わずに、マーケティングやブランド確立のための推進体制を強化していくために、このような部局をまたがった形での「流通課」というものを設けまして、今回新しく発足する農林水産商工本部に一元化をしたものであります。
 7番目が「下水道課」です。
 これも何回かお話は申し上げておりますが、汚水処理に関する施策がこれまで各部局に分かれておりました。それを一元的に統一いたします。名前は「下水道課」でありますけれども、実施する事業は公共下水道の事業だけでなく、農業集落排水、漁業集落排水、また合併処理浄化槽、そういったものを含めて、佐賀県全体の汚水処理を進めていくためのトータルに所管する課になります。関係部局との調整が不要になりますので、市町村の事業変更などにも柔軟に対応することができると考えているものでございます。
 このほか、「税務課」というのはこれまで決められた税制の中で税収を上げることだけを目的としていたわけでありますけれども、これからは新税を創設するということであるとか、また、税収を上げていくために制度上どのように工夫していくかというふうなものが求められていると考えております。
 私はこれまでのように補助金や交付税に頼る県政運営ではなく、これまで以上に歳入、とりわけ税収を増やす努力をしていくことが必要であると考えておりまして、これまでの発想にとらわれない、歳入強化に関する施策を強力に推進していきたいと考えておりまして、そのため、「税務課」に税務政策の担当の係を設置することといたしました。
 また、もう1点として、これまで「原子力安全対策室」は環境課に付属してございました。これは、この室の主な仕事が環境モニタリングというものの計測であったからでありますけれども、原子力安全対策に関する防災機関との連携体制の強化というものが常々求められておりまして、今回の組織改正を機に、付属する課の親課を環境課から消防防災課に移管しました。「原子力安全対策室」そのものは前年と変化はございません。
 次に、人事異動についてであります。人事異動については7つの大きなポイントがございます。
 まず1点目、本部への定数・人事配置権限の移譲であります。
 本部内の定数配分や人事配置、これは副課長級以下でありますけれども、本部長が決定をすることといたしました。今回も内示を受けた本部長に対し、今回、人事当局で作成した案を示し、中には示したものによって本部長の判断で変わったものもございます。また、年度中途においても、本部内の副課長級以下の職員については、随時、再配置可能とすることにいたしております。
 最近は、思いもよらぬいろんな事象が出てきております。そういうときに、これまではどうしても年度の最初に決められた事務以外のことは、なかなかやりにくい状況がございましたが、これからは本部長の判断で、必要な仕事には必要な人間がつくことができるような、そういうフレキシブル(柔軟)な体制をとることができるようになってまいります。
 2番目が在勤期間の弾力化、つまり、これは大体3年たったらかわるという今までの体制を弾力化していったということであります。高い専門性が求められる試験研究機関などはもちろんのことでありますが、特に今回からこういうことにしていきましたものは、特定の主要なプロジェクト、例えば、シンクロトロン光の応用研究施設であるとか、流通業務団地でありますとか、このように同じ人間、同じチームがずっとやっていくことが専門性や相手との信頼関係上も必要だというものについては、3年たったらかわるということではなくて、きちんと一区切りつくまで同じチームでやっていくというふうなことで、在勤期間を弾力化することといたしました。
 また、農家の方、漁家の方との信頼関係が必要な、普及に関するようなものでありますとか、企業との信頼関係が求められる企業誘致、そのようなものについても3年ということに限らず、弾力化することといたしております。

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