記者会見

●質疑応答:諫早湾干拓の中・長期開門調査を実施しないとの農水大臣表明について
○FM佐賀
 (農水省から佐賀県に対して)十分な説明がなく、このように実施が見送られたことについて、どのように思われますか。
○知事
 残念の一言に尽きると思っています。
 先般の記者会見のときにもお話し申し上げましたように、農水省に対しては説明をしてほしいと申し入れて、日程を調整している最中でございましたので、一度の説明で納得できたかどうかは別にしまして、関係者に対する決定する前の説明の仕方としては、十分ではなかったと思っております。
○FM佐賀
 見送りはされましたけれど、古川知事としては、中・長期の開門調査はやるように訴えていこうと思っておられますか。
○知事
 県として、今の時点では、なぜこのような判断になったのかについて説明を受けておりませんので、東京での会見の様子を漏れ聞くだけでは、今までの考え方を変える必要はないのではないかと思っておりまして、引き続き、要請をしてまいりたいと、現時点では考えております。
○佐賀新聞
 明日(5月12日)なんですが、農水大臣とはアポはお取りになったんですか。
○知事
 13時ということで現在調整中でありますが、正式に決まりましたらご連絡申し上げます。
○朝日新聞
 (お会いになるのは)亀井大臣本人ということでいいですね。
○知事
 (亀井大臣)本人ということでお願いしております。
○朝日新聞
 中・長期開門調査を見送られるとして、何らかの支援策があるのではないかという見通しもありましたけれども、そういうものは、あまりあったとは言えないような感じがしますが、そういったことについては、どのように考えておられますか。
○知事
 何かの支援策が欲しいから、その交換条件で中・長期開門調査をしてくれということではなくて、漁民の方々は、これから長く有明海で生活をしていく、また、自分のやっている仕事を自分の子どもに、果たして継がせていいのかどうかとか、そういうふうな長い視野で物事を見ておられると思いますので、ここ数年間、こういう支援策を講じるから、それでいいではないかという話ではなかろうと思っております。
 その意味では、今回、支援策が盛り込まれているかいないかというのは、よく存じ上げませんけれども、それはあまり関係ないことではないかと思っています。
○NHK
 今回の判断の理由として、調査を実施すれば、ノリ養殖にもまた新たな被害や、影響があるというのと、長い年月を要して、必ずしも原因が明らかになるとは限らないというような理由なんですけれども、これについてはどうなんでしょうか。
○知事
 ですから、「なぜそのようにお考えなのか」ということについて、具体的に聞かなければいけないだろうと思っております。
 少なくとも、第三者委員会は、かつてこれが必要だというような判断を示しているわけですね。中間報告の段階では示していたんだと思っておりますので、政府が選んだ方たちが、「やったらどうだ」というように言ったことですから、それをさらに事務的に検討した結果、今現在の農水省の考え方になっているような結果が得られたということだと思うのですが、「それがなぜなのか」ということについて、とにかく聞いてみたいと思います。
○NHK
 今日の発言に至るまで、最近非常に慌ただしく地元入りして、説明を一応したみたいなアリバイ的な進め方ですが、一般的にはこういうやり方についてはどうですか。
○知事
 もう少し手間と暇をかけていただきたかったという気持ちはあります。漁業関係者の方とは何度かやりとりがあったようでもありますが、そういう声を聞き届け、それが今回の決断にどのように影響したのかということが、よくわからないところでもありますし、本当にその意見を聞こうと思ってやっていただいたのか、決定に至るプロセスとしてやられたのかというところが、正直言ってよくわからないと思っています。結局、県の方にも一度説明には来ていただいたんですが、いわば言うだけ言って帰られたという印象もありまして、十分ではなかったと思っています。
○毎日新聞
 代わる方策としていくつかおっしゃられたようですが、これに関してはどうでしょうか。
○知事
 それもよく中身を聞いてみたいと思います。中・長期開門調査に代わるとおっしゃっているので、中・長期開門調査と同じような成果なり、結果が得られるようなものという位置づけをしておられるのか、全く別物だけども有明海の再生につながるという位置づけなのか。もちろん、漁業関係者の方が、そういったことについて、どのように評価されているかということもありますけれども、いずれにしても、その辺はきちんと説明をしていただきたいと考えています。
○佐賀新聞
 このニュース、つまり中・長期開門調査をやらないという方針は、いつどのような形で聞かれたんですか。
○知事
 きょうの本会議が終わった後の廊下で知らされました。大変に厳しい状況にあるということは、事務的に昨日(5月10日)来聞いておりましたけれども、前にも実施は困難という判断を大臣が発表するという、一部にそういう情報が流れたこともありまして、そのときに大臣は、そういう情報とは異なり、もう少し考えるということを言われたものですから、実際にどのような発言がされるかということを聞いてからでないと、県としても最終的な対応をすることはできないと思っておりました。今日は東京の農水大臣の記者会見場には、記者以外は入ることができなかったということで、大臣の会見が終わってからしか、我が県の関係者もその情報を入手することができなかったわけでありますけれども、それを受けた連絡と、この会見の情報を聞いたメディアの関係者の方からこの知らせを受けました。
○共同通信
 農水省の方から県に対しての連絡という形ではなかったのですか。こちらから情報を収集したという形なのですか。
○知事
 それはないですね。もちろん、予定されているペーパーを事前にいただいたりというようなことはございました。ただ、それはあくまでも事務的に用意したペーパーですので、それを大臣がどのように発言されるかわからないわけです。それは前の前の会見の、1週間ぐらい前、連休の前のときにも、事務方で用意していたものとは違う展開になったわけですね。ですから、これはすぐれて政治的な決断を必要とする問題でありますので、事務的に用意されたものがどれだけ使われるかということは、実際に大臣が発言されてみないとわからないという状況でありまして、その意味では、農水省の方とは事務的なやりとりはいろいろさせていただいておりましたが、最終的にどうなるかということは、大臣が口を開いて会見するまでわからないという状況でした。
○共同通信
 口を開いて会見した後も、内容について、県に対しての連絡というのは(ありませんでしたか)。
○知事
 それはないです。
○朝日新聞
 東京事務所の方が独自に情報を得て、県の本庁に持ってきたという形ですか。
○知事
 そうです。
○佐賀新聞
 今後の対応については、議会とか、漁業者の方と話さなければいけないんでしょうけど、実際問題、大臣が最終的に決断をしたということになりますと、今後の対応としては、実際どのようなことが考えられるのでしょうか。想定でも構わないのですが。
○知事
 国がこうやって悩んだ末にこのような結果を出したということでありますから、それは相当な判断があったのだろうと思いますけれども、それは私どもがずっと要請してきたこととは違う内容になっていますから、まずはとにかく話を聞く、そして、漁業関係者であるとか、県議会ともいろんな意味で意見交換をする。他県の方とも考え方を整理する。そういうふうな事柄をまずやっていきたいと思っていまして、そういう中で、今回大臣というか、国が発表したそれに代わる調査、方策というものの位置づけについても考えていかなくてはいけないのだろうと思っています。
○読売新聞(幹事社)
 ありがとうございました。

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