記者会見

●質疑応答:九州新幹線長崎ルートについて
○共同通信
 九州新幹線長崎ルートの話で、先週末、自民党の中で諫早から武雄温泉間の建設に関して合意したことを受けて、先週金曜日に実質的な話し合いにも入られました。その現状について、知事は今どのようにお考えですか。
○知事
 自民党の決定そのものが地元との協議に何らかの影響をもたらすというようには思っておりません。私どもは、もうかねてから「誠意を持って」ということと、「精力的に」という二つのキーワードで地元と協議を続けるということを言っておりますので、それをこれからも続けていきたいということであります。
 今回の自民党の決定は、よく見ていただくと、「地元と必要な手続を経て」とか、「17年度にも」とかというような表現になっていたと思います。常々申し上げておりますように、地元との合意なくして、この問題の進展なり解決はないというように思っております。
 ただ、今まで、何回か事務的な会合は重ねていたとは聞いておりましたが、いわば入り口論といいましょうか、なかなか実質的な議論に入ってなかったというようにも聞いていましたので、ここいらでやはり中身に入って、果たして本当にこの九州新幹線長崎ルートが佐賀県にとって、またルート全体としてどのような効果があるのか、そういったことを含めて、きちんと数字を挙げて議論をしていく必要があるだろうと思ったものですから、副知事を派遣して鹿島市長とも話をしていただいたわけであります。そうやって、とにかく議論は深めていきたいと思っております。
○共同通信
 これは関連してなんですけれども、一方で、今のところ自民党案の中では国が2、地方が1というような負担割合というのが出ています。以前の試算でも数百億円ぐらい佐賀県に新たな負担が必要となることとなっています。今の佐賀県の財政からして数百億円というのは、かなり大きな額ではないかと思いますし、そういった数字を今後オープンにしていく過程において、今の対話の相手、いわゆる知事が想定されている地元、鹿島市や、その周辺自治体、特に新幹線ができることによって不利益を被る可能性がある自治体ということだろうと思うのです。また今度、新たに県全体で数百億円要るということになったときに、例えば、唐津とか、全然今まで話に入ってこなかったようなエリアからも反発の声とか疑問の声とか、ちょっと話し合いに入れてくれとか、そういう事態も想定されると思うのですが、それに関しては、今後どういう対応をしていくのか。また、知事が想定されている地元というのは、鹿島市とか、その周辺エリアだけなのか、それともやっぱり県全体ということになるのかについてはいかがですか。
○知事
 県として判断をするときには、もちろん、その当該地元だけではなくて、県全体としてどうなのかという判断をしなくてはいけなくなるだろうと思います。
 その金額の件については、試算自体が何年か前のものではありますけれども、もう既にオープンになっております。ちょっと今、手元に数字はありませんが、私の記憶では、私は、交付税措置がなされた後の実質県民負担額をいつも頭に入れながら話をしているのですけれども、実質県民負担額が大体 180億円とか、そんな感じではなかったかなというように思います。確か 150億円分ぐらいが新線の建設部分で、あとの30億円部分ぐらいが肥前山口から武雄までの複線化にかかる費用ではなかったかなというように思っております。この費用については、例えば、今、鹿児島ルートが佐賀県を通っていますが、佐賀県を通っている部分の県民負担額は 145億円ぐらいだったと思うんですね。ですから、佐賀県民は今 150億円近い額を負担して、鹿児島ルートの建設に協力しているわけであります。その意味では負担額そのものが、今までになかったとんでもない額であるというような認識はしておりません。
 ただ、鹿児島ルートと長崎ルートの一番の違いは、私が常々申し上げておりますように、並行在来線の問題であろうと思っております。もちろん、実質県民負担額百数十億円という数字自体も、大変に大きな額であります。そういったことを含めて、長崎ルート全体の費用対効果みたいなものについても、今回考えてみたい、出してみたいというような提案をさせていただいていますので、そういったものも明らかになる過程で県民的な議論がまたできてくるのではないかなと思っております。
○共同通信
 費用対効果というのは、県が試算されるんですか、それとも国でということになりますか。
○知事
 かつて、長崎県が中心になって出したものがあると聞いていますが、長崎県はどうしても進める立場でありますので、そのものをそのまま使うということでは地元の理解も得られないでありましょうし、そういうやり方とは何か別のやり方ができないのかということをこれから相談していきたいと思っております。

記者会見トップへ 平成16年6月7日記事トップへ

トップページへ

Copyright 2004 Saga Prefecture. All rights reserved.
このサイト内の文章や画像を無断転載することを禁じます。