記者会見

●質疑応答:長崎女児殺害事件について
○時事通信
 直接知事の所管する話ではないんですが、県教育委員会の関係で、6日ぐらい前に、佐世保で女の子が刺され、死亡するという大きな事件がありましたが、これについて、特に県教育長なりに、子供たちの間のコミュニケーションについて注意喚起するとか、何らかの対応をしたようなことはありますか。
○知事
 教育長からすぐ話がありまして、それは、教育長として、佐賀県教育委員会として、こういう事件を契機に再度注意喚起をするということと、担当者を集めた会議ですね、いずれにしろ、そうやってこうした事件が起きたということに対する哀悼の念と、あと県内でこのようなことが起きないようにというようなことで、児童について、より深い目を持って見詰めていくようにというような話をやっていきますという報告を受けました。
 私自身の受けた感じとしては、一つは、やはりこのネットというものの意味についてでありました。一部には、「だから子供にはネットをさせるべきでない」という意見もありますけれども、私はむしろ逆でありまして、だからこそ、保護者にしても然りでありましょうし、学校現場についても然りでありましょうが、そういったところが、もっとネットの使い方なり、書き込みの仕方なり、そういったものについてきちんと子どもに教えるべきだろうというように思いました。
 例えば、教育現場の先生の中で、自分のホームページをつくって、そこに書き込みをしているとか、また、他人の掲示板に書き込みをしているという人がどれぐらいいらっしゃるのかなということも併せて思いました。自分でページをつくっていれば、また書き込みしていれば、ああいうネット上の社会というのは、ちょっと油断するとすぐ場が荒れてしまうということをみんな感じていると思うんですね。
 だから、例えばいろいろな日ごろの言動の中で、そういったものに関心を持っているお子さんがいたら、そういった世界の中で、ある意味増殖とか、増幅がなされていないか、気持ちの増幅だとかですね。そういったことについて、やはり関心を持っていただく必要があるのだろうと私は思います。そういうセンスを磨き上げるためにも、それは教員の方自身が、やはりこのネットのことについて、自分自身の経験として、また知見としてわかるということにならないと、ぴんとこないんではないかなと思うんですね。
 私も、自分自身でインターネットやるまでは、ネットの中では言葉が激烈になるとか、エスカレートするとか、場が荒れるという言葉の意味がわからなかったんです。でも、自分で始めてみると、やはり顔の見えない中で文字だけのやりとりをするというコミュニケーションがいかにデリケートで鋭利なものかということも感じています。
 ですから、今回の事件があったから、だから「子どもにはインターネットをさせるな」ではなくて、だからこそ子どもにネット社会の持つ便利さと併せて、そのルールをきちんと教えていただきたいと思います。また、教員自身もそういったことについて、より深い理解をお願いしたいと思います。
○時事通信
 先ほど教育長の方からの報告で、注意喚起するというのは、今言ったようなネット上でのルールをきちんと子供たちに教えていく、そういったことも含まれているのですか。
○知事
 いや、教育長のおっしゃったのは、そういった点は含まれておりませんで、子どものことをしっかり見詰めるといった、そういう話であったと思います。今申し上げたのは、私は教育現場に対して責任を持つ立場ではございませんが、一人の人間として申し上げたということであります。

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