記者会見

●発表項目:新年の思いについて
 改めまして、明けましておめでとうございます。
 年始の記者会見を始めます。
 今年1年についての思いは、先ほど職員向けでも申し上げたところでございますが、重複をお許しいただきまして、簡単に申し上げたいと思います。
 今年、平成17年は、「固める年」でありたいというのが私の願いであります。
 昨年1年間は、佐賀県のみならず、我が国全体が揺れた1年でありましたので、その反省に立った上で、今年はしっかりと足元を固める、そういう年にしたいと思っているところであります。
 去年、いろんな決断を必要とされたものがあり、それぞれに一つの歩みを進めているところではありますけれども、今年はそれをきちんと仕上げなくてはならない、そういう局面に来ていると思っております。城原川ダムの問題しかり、また、県立病院好生館の問題しかり、さまざまな場面において、そういうものをきちんと固めていく年でありたいと思っているところであります。
 その言葉を二つの漢字で表すものとして「錬熟」という言葉を今回考えてみました。この「錬熟」という言葉には、一つには、かつての佐賀藩が我が国で初めて洋式の大砲をきちんと鋳造することができた、こうしたことが佐賀藩、当時の佐賀の地域の発展につながっていったということに思いをはせて、今回、8月ぐらいから利用が可能になる鳥栖にオープンする佐賀県立九州シンクロトロン光研究センターが、いわば現代の反射炉的なものになってほしい、そういう願いを込めてつけたネーミングでもあります。物事を練り上げていく、固めていく、つくっていく、そういう年でありたいと願っているところであります。
 また一方で、佐賀県を離れて社会の動きを見てみると、今から12年前にインターネットの商用利用が解禁され、10年前にはWindows95 が発売されるという形で、この10年間というのは、インターネットが爆発的に普及をした10年であったと思います。酉年ということについて言えば、前の酉年のときにそのようにして、もともと軍事用に限定されていたものが一般的な商用利用が可能になったということもあり、その意味では、この電網というか、網前網後とでも言うべきインターネット前、インターネット後では、大きく社会のありよう、私たちの生活のありよう、そして、仕事のやり方が変わってきていると思っております。
 今年は、それがさらに一歩進んで、ユビキタス社会の到来を告げるような年になるのではないかと思っておりまして、特に携帯電話は、もう「携帯電話」という名前から「携帯情報端末」という形に変化と進化を遂げるのではないかと思っています。こういう変化と進化にどう行政が対応していくのかということを私自身、また私ども佐賀県自身が改めて身近なところから見直しをしていく必要があるのだろうと思っております。
 例えば、災害現場において、どういう画を撮るか、画像を送ってくるかということについても、今までは大きな機械がないとできなかったわけでありますけれども、今は携帯電話さえあれば、今、災害現場で何が起きているのかということの画像を送ることができます。そういうやり方を自分たちの仕事の仕方として、きちんとビルトインできているか、そういったことの見直しがこれから必要になっていくのであろう、このように思っています。
 また、もう一つは、個人情報保護法が施行されて、これまで以上に個人情報保護については厳しさが求められる年になるだろうと思っています。
 これまでも佐賀県では個人情報保護条例があり、それぞれの自治体でも自治体レベルでの個人情報保護というものは進められてきておりますが、インターネットを初めとするIT技術の発達とは裏腹に、個人情報というものが常にどこかで盗み取られる、または不当に利用される、そういう危機と隣り合わせにあるという時代に入ってまいりました。そうしたことを受けての今回の法施行になっているわけでありますけれども、私どもとしては、これまで以上に県として持っている個人情報の管理を厳しくしていくことや、もうむだな個人情報はとらないようにするということを、これまた仕事のやり方として、きちんとビルトインしていかなければならないだろうと思っています。
 例えば、いろんなイベントを県がやるときに、これまでは何の気なく、住所や名前をアンケートに書いてもらうことをやっていたこともありました。ただ、これからは、そういうむだな住所、氏名を書いてもらうようなことをやめていかないと、不用意に個人情報を入手してしまうことになりかねません。
 お正月の幾つかの新聞記事を見ておりましても、一部の企業においては、もう従業員にパソコンを使うということをやめさせるという記事も載っておりました。パソコンを利用することによって、ハードディスクの中に個人情報が入ってしまって、それを社外に持ち出されるという危険性のことを考えれば、コンピューターではない情報端末で仕事をしていくという時代にしていかなければならない、そのような観点からの記事であったと思いますけれども、これまで以上に、より個人情報にはきちんと配慮をした、配慮というよりは、個人情報保護ということをあらゆる施策の前提にして進めていく必要があるだろうと思っております。
 我が佐賀県のポータルサイトも、去年行われたある民間の調査機関の調査によれば、自治体のレベルでは全国で3位ぐらいのきちんとした個人情報保護のポリシーを持っているという評価は得ておりますけれども、もともと自治体というものが、優良な企業のサイトや世界的な企業の取り扱いに比べれば、やや遅れ気味であるということがありますので、そうしたところに安住することなく、常に最先端の最高水準の個人情報保護を目指していきたいと思っているところでございます。
 また、併せまして、今年はコンプライアンスのことについてもより強調していきたいと思っています。コンプライアンスということは、法令を遵守するということでありますけれども、これから内部通報者制度が制度化されていくということもありますし、きちんと決まりを守って仕事をしていくということ、そして、決まりを守って仕事をしていれば自分も保護されるということ、そういったことをこれまた佐賀県庁の新しい仕事の仕方としても根づかせていきたいと思っているところでございます。
 新年の思いについては以上でありますが、なお、今回初めて実施しました県立文化施設のお正月の入館者についてでございますが、佐賀城本丸歴史館においては、元日から 2,622人の方のご入場をいただきました。これは8月から12月ぐらいまでの1日平均入場者数が 1,135人でありましたので、それから見ても倍以上のお客様に来ていただいておりまして、1月2日は 2,402人、1月3日は 1,432人と、正月三が日で 6,456人のお客様に佐賀城本丸歴史館には来ていただくことができました。そのほかの県立文化施設を合わせまして、合計で1万 868人のお客様に来ていただいております。無論、施設によっては非常に少ないところもございますけれども、こうしたことがきちんと根づくことによって、開いているかどうかを気にせずに、お正月にいろんな文化施設を楽しむことができるという環境をつくっていって、お正月にはそういう文化施設に行くということを、新しい佐賀県の一つのお正月のスタイルにしていくことができればとも思っているところであります。お越しいただきました皆様方、サポートしていただいたスタッフの方に、この場をかりて御礼を申し上げたいと思います。

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