記者会見

●質疑応答:九州新幹線西九州ルートについて
○西日本新聞
 新幹線についてなんですけれども、知事は前の会見で、今後は私自身が出ていく機会が増えるだろうということだったんですが、その後もなかなか副知事が交渉されていて事態が打開できない。近々、知事自身が出ていかれる予定はありますか。
○知事
 地元の方に出ていく機会というのがなかなかないのは事実なんですけれども、私が出ていく場面、局面が見えてきていないというのが正直なところでして、私もいろいろな打ち合わせを庁内で行うたびに、ぜひ私自身ももっともっと出ていきたいということを申し上げております。
 私は専ら、今は国の関係者や、政権の枠組みが決まりましたので、与党の関係者のところを回って予算づけや、また運行案などについて、いろんな突っ込んだやりとりをさせていただいておりまして、対政府、対与党の関係では、私が全面に出ていろんな交渉ややりとりをさせていただいております。そこはなかなか見えにくい部分があろうかと思うんですけれども、これからは、先月と同じような答えになるんですが、国土交通省から伺っているところ、10月末と言っていた区切りが、総選挙があった関係で、事務的な一つの区切りは11月の中旬ぐらいになるんではないかと聞いているのですけれども、それまでに向けて何らかの前進が得られるように、私もできる限り見える形で地域に出ていくということをしていきたいと考えています。
○朝日新聞
 江北町議会でJR長崎本線の存続の請願が不採択になりました。そのことはどのように受けとめていらっしゃいますか。
○知事
 これは大変ありがたいと思っています。私どもは、そもそも江北町のようなところにおいて、特に首長さんが反対していらっしゃるということ自体、なぜだろうという気持ちは正直持っています。ですので、議会の方々の多くがそのように思われているということは、私はある意味で非常にわかりやすい、納得できるものだと思っていますし、その意味で、こういったことが形に出てきたということは大変ありがたいと思っています。
 まだまだ私たちが考えている新幹線のメリットや、並行在来線の地域になるところに対する振興策について、地域にきちんとした説明ができていないということをいろんな方から伺います。ですので、そういう理解を求めていくということが足りていないということは痛切に感じています。江北町を初めとするいろんな地域の方々にも、そういったことを少なくとも知っていただいた上で、自分は賛成だ、自分は反対だとなるのは仕方ないのですけれども、そういったことが届かない中で、賛成、反対となるというのはあまりいいことではないと思っていますので、これは私たちが努力していかなくてはいけないところだなと思っています。
 いずれにしても、今回の江北町議会の動きについては、私どもとしては大変嬉しく思っています。
○時事通信
 先ほど、何らかの前進を得られるように、見える形で地域に出ていかれるという話だったですが、具体的にはどういうものを念頭に置かれていますか。
○知事
 具体的に見えていればもうちょっと詳しく言えたのですけれども、今まだ期成会との協議が1回だけしか行っていなくて、第2回も近々行われることになるとは思うんですけれども、その協議自体もあまり進んでいないという状況です。今の段階で私がどこかに出ていって、「ぜひお願いしますよ」と言ったところで、いや、まだ振興策の協議もきちんとしていない、運行案についても一遍説明があっただけで、まだやりとりをしていないじゃないかという状況なものですから、なかなか煮詰まった感じになってこないのだと思います。もうちょっと、温度が高くなっていかなければ、なかなか私の出る幕にならないということもありますので、そこはもっと精力的に協議を進めていかなくてはいけないと思っています。
 ということで、今、具体的にどういう場面でということはまだ頭にはないんですけれども、そういう場面がつくれるように、これもまた努力をしていかなくてはいけないと思っています。
○共同通信
 先ほど地域に新幹線のメリットの説明が足りていないと感じているとおっしゃられて、議会の中では、各新聞社さんのアンケートで反対が多いのは、まだ説明が十分でないからだというような答弁があったんですけど、今県民の方への説明の努力というのは、例えば、どんなことをしているのか。これからどんなふうに説明が足りていない部分を知らせていくのかというところをお伺いしたいんですが。
○知事
 聞きたい、知りたいと思っていらっしゃる方々はいろいろいらっしゃると思うんですね。町はこんなふうにおっしゃっているけれども、県の方からも説明を聞いてみようかと思っていらっしゃる方々というのは、結構いろんな地域にいらっしゃるんじゃないかと思うんですね。そういった方にお話をさせていただくということも一つあります。また、我々も何か地域住民の方々に県の考えを知っていただくツールが、実はないんですよね。もちろん県としての、例えば、ホームページなどにはかなり詳しく書いているつもりですし、それ以外の県民だよりだとか、そういうことではやっているつもりではあるのですけれども、例えば、江北町なら江北町の方々の関心事というのは、では、新幹線が通った後の自分たちの町は、果たして鉄道とともに発展できるんだろうかという疑問と不安だと思うんですね。そういったことにきちんと注目をした形で情報をお届けするということができていないので、具体的にこれをやっていきますということは、ちょっとまだ頭にイメージがないんですけれども、それは何らかの方法をこれから考えなくてはいけないと思っています。
○毎日新聞
 長崎でも佐賀でも世論調査が新聞に載っていますが、世論調査だと反対が多いんですけれども、これを説明をし続ければ、賛成が多くなるとお考えなのでしょうか。
○知事
 賛成が反対を上回る状況までならなければ、県が判断できないということではないと思っているんですね。ただし、一人でも多くの方々にご理解をいただく努力はもちろんしなくてはいけないということだと思っています。過半数を超えるかどうかはわかりませんが、きちんと丁寧に説明をすることによってご理解いただける方は増えると私は感じています。
 なぜそう思うかというと、実際にいろんな方とお話ししていくと、ああ、そうかと言われるからなのですよね。それは、知事の目の前だからそう言うしかないだろうという言い方もあるのですが、そうではなくて、例えば、私どもの職員だとか、また、この事業に非常に熱心に取り組んでいただいている方がいろんな方々に話をされると、県にもっとこういう話をしてほしいということを言われたよ、という話をいただくんですよね。そういったところからして、私はきちんと説明すればわかっていただけると思っています。
○日経新聞
 新幹線の「西九州ルート」というふうに呼ぶべきなんですか。
○知事
 私どもは呼ぶということとしていますし、JR九州さんもそう呼ぶことにされています。
○日経新聞
 知事がこれから出ていく局面というのを11月中旬までにつくらなければいけないとは思いますが、実際大変だと思うのですが、今の感想を教えてください。
○知事
 そうですね。いつも新幹線の見通しを聞かれると、「大変だ」以外のことを言った記憶がないんですけれども、いつも大変な状況の中でやっているのは事実なのです。ただ、先ほど申し上げたように、例えば、我々は今地域振興策を提案させていただいているんですけれども、やはり並行在来線の地域になる方々の中には、これを機会に我々の地域がきちんと発展していくような提案を県にした方がいいんじゃないかとか、県の説明をもうちょっと聞いて、これをバネにして、新幹線の通った地域はもちろんのこと、並行在来線になる地域も一緒に発展していくような絵をかいた方がいいんではないかというようにお考えの団体だとか人々が増えておられるのも事実だと思うんですね。ですから、今これを半年前、1年前と比べると、新幹線の事業について、そういうことであればもう認めてもいいのではないかと思っていただける方々の数は、私は増えていると思っています。
 地元同意というものがなければ、例えば、有明海沿岸道路を予定よりも前倒しして事業をやっていくということについても、これは国に対して申し出をしていくことも難しい状況になってきます。とにかくご同意いただかなければ、地域振興の事業もできないわけでありますので、進んでということはないかもしれませんけれども、地域の将来的なことを考えたときには、ここは1歩も100歩も引いて、同意はするけれども、そのかわりきちんとした振興策を提示させ、それを実現させることによって、その地域の将来的な発展を約束するというのも、私は一つの判断ではないかと思っております。ぜひそういったことを一人でも多くの方々に申し上げることによって、例えば、江北町の議会で今回のような動きが出てきたのも、これはやはり、こういうことをいろいろ申し上げてきた結果の一つではないかと思っていますし、これからもそういったことによって理解は進んでいくものと考えています。

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