記者会見

●質疑応答:不適正支出による公金を原資とした通帳等調査結果等について(1)
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○朝日新聞
 8月に1回調査をして、さらに今回また見つかったことで、この調査で本当に十分なのかという声も出ているんですけれども、それについては、例えば、情報が随時寄せられたらその段階で再調査するとか、そういったことはお考えですか。
○知事
 具体的な情報が寄せられれば、その段階でさらに追加して調査を行っていきます。
○共同通信
 現金の部分で、土木事務所で9月7日に通帳から現金化していたという説明が先ほどあったんですけど、9月7日というのは知事が調査をされると言った記者会見の翌日ですよね。このことはどのようにとらえていらっしゃいますか。
○知事
 全く残念に思っていますし、私自身としては非常に許しがたい行為だと思っています。
○共同通信
 このことについて、処分はされるんですか。
○知事
 この事務処理についての資金そのものは平成10年7月以前のものでありましたので、私が職員に対して、その部分については今回正直に申し出れば処分をしないと、そのかわり、今回が最後だからきちんと申し出るように言い渡したということで、直接懲戒処分ということはいたしませんでした。
 本日の朝、このことに関与した現職の職員3人を1人ずつ知事室に私が呼び込みをし、本人から直接反省の弁を述べさせるとともに、今回は懲戒処分そのものはしないけれども、今後はほかの職員以上にこうしたことに対して厳しく対応する、率先垂範する、そういう職員であってほしい旨を私の方から申し伝えました。
○時事通信
 対応として甘いんじゃないかと思うのですが。知事がそういう再調査を表明された後に、明らかに隠ぺい工作を図っているわけで、知事がおっしゃったのは、調査に積極的に協力した職員については責任を問わないという趣旨でおっしゃっていたんですけれども、これは明らかに隠ぺい工作であって、ちょっとまた違う視点での処分というものを考えられた方が僕はいいと思うんですけど、それについてはどう考えられますか。
○知事
 私どももそう考えました。ただ今回、この問題については、いわばけりをつけたいということで、とにかく対象となっているかどうかということだけではなくて、こうしたやり方、事務処理の仕方そのものを問うて、根っこから出していただくことが何よりも必要だと考えて、責任は問わないから出してほしいということを申し上げていたわけであります。私も本来、この職員の行った行為は十分に懲戒に値するものだと考えております。事柄そのものとしては、そういうことであると思いますが、これは内部的な司法取引と言っていいのかもしれませんが、9月以降、隠ぺい工作を図ったことも含めて、こうしたことが結果として出てきたということについては、それは処分をしないということがこの職員たちの行動に反映したのかもしれないと考えております。私も、この処分については、満足しているわけではございませんが、これは私と職員との間の、信頼関係を今後も担保し続けるためにも、職員に対し、約束したことは実行していくということの中で、こうした結果はやむを得ないと考えたものであります。おっしゃっている意味はよくわかりますが、そういう条件のもとに今回調査をしたということで私どもとしては、やむを得ないと考えています。
○時事通信
 今、知事と職員との信頼関係とおっしゃいましたけれども、それで県民の方が納得するんでしょうか。
○知事
 そうでなければ出てこなかったかもしれないわけです。過去において出てきたものを厳しく処分するよと言っていて、ここまでの結果が出てきたか。私はそれはいい悪いがあると思います。しかしながら、結果から見て、ひどいことが出てきたからといって、これはああは言ったけれども、処分するとしたら、正直に申し出てきたことに対する信頼を損ねる行為であると思います。県民の信頼を確保していくためにも、この際、きちんと物を出してくれ、それについては、過去のことについては責任を問わないからということで出したというものでありまして、これはきちんとした答えを職員自身から引き出すためにとったやむを得ない方法であったと理解を得たいと思います。
○時事通信
 でもそれは知事と職員との信頼関係は保てても、県民と県との信頼関係というのは、これによってまた大きく損なうことになるんじゃないですか。
○知事
 そういうことはないと思います。
○時事通信
 なぜですか。
○知事
 これだけの調査の結果が出てきたということがあるからです。
○読売新聞
 ただ、今回、発覚の経緯が、本人が正直に名乗り出ているのだったらわかるんですけれども、外部からの情報提供があって調べて初めて本人が認めたわけです。これで正直に名乗り出たと言えるんですか。
○知事
 正直に名乗り出たとは言えないと思います。私自身そういう経過も十分知っておりますから、それだけにこうしたことになっていることに対して、私自身は極めて不満であります。しかしながら、繰り返しになりますけれども、そういう前提で事実を出してくれと言ったにもかかわらず、そうでないことを行うわけにはいかないということと、そうしたことも含めて私自身が、トップとして責任をとらせていただいているということで、ご理解をいただきたいと思います。
○FM佐賀
 逆に県民から不信感だけが高まったような気がするんですけれども。
○知事
 それはないと思います。何をもって県民からの不信感が高まったとおっしゃっているんでしょうか。
○FM佐賀
 再調査でまた出てきたということで、ああ、やっぱりあったなと。普通の県民の方だったら、それでまた不信感というのは高まるんじゃないですかね。
○知事
 普通の県民の方はわかっていただけると思います。もちろん、わかっていただけない県民の方もいらっしゃるかもしれません。こうやって、不正なものはあるんではないかという情報が私どもの方に寄せられました。これだけの情報があるのであれば、やはりきちんと調べなくてはいけないということで、最初は通帳と言っておりましたけれども、通帳じゃなくて現金もあるのではないかという声があったので、現金に広げました。また、ほかの団体に預けている例もあるのではないか、そういうことで、県職員が派遣されている団体も調べました。具体的な名前があった団体については、その職員から話を聞くだけではなく、徹底的に調べさせていただきました。金融機関に預けているのではないかというお話もありましたので、そこも調べさせていただきました。そういう中で出てきたのが今回のこれだけの金額と結論であります。私は、そういうやり方に対して、県民の方々はきちんと調査をしたということについては、ご理解いただけると考えております。
○FM佐賀
 1回目だったら、まぁみんな納得したと思うんですけど、3回目になるとやっぱりそうじゃないと思うんですけどね。
○知事
 それはそちらのお考えだと思います。むろん私も、これで本当に全部が出てしまったかどうかということについてはわからないと思っています。しかしながら、これだけ徹底した調査をやったということは、それなりのものが結果として出てきていることによっても表れていると私は考えています。
○FM佐賀
 後手後手になった印象はぬぐえないんですけどね。
○知事
 もちろん、こういう情報提供があって始めたわけでありますし、その前には、こうしたものはないと私が言っておりましたので、その意味で後手になったことは認めないといけません。今後も、情報提供があれば、私どもとしてはきちんと事実を把握して、調査すべきは調査するということでやっていかなければならないと思います。しかしながら、今回これだけのことをやったものを、かえって不信感が増したということはないと私は思っております。
○NHK
 調査をこれだけやったということは、ある程度評価できると思うんですが、ただ、土木事務所のことでいえば、会見をしてからすぐ現金化するのは、ちょっと異質な感じですよね。あとは外部の方による発覚だということになりますよね。今、問われているのは、こうした体質なのであって、それを今回そういった処分を行うことで、職員との約束とはいえ、それがそういった体質を改善する効果があるのかということについては、それは僕はないと思うんですが、その点についてはどうですか。
○知事
 いや、私はあると思っています。
○NHK
 その根拠は何ですか。その辺、やっぱり結果が出てきたからということなんですか。
○知事
 もちろんそうです。
○NHK
 ただ、外部の通報がなければ、闇に葬り去られたかもしれないわけですよね。
○知事
 いや、でもあったわけですよね。
○NHK
 それは結果的にはあったかもしれないですけれども、一般の人から見れば、まだほかにもあるというふうに多分思っていると思いますよ。
○知事
 それは私もこれで一切合切なくなったとは申し上げません。ただ、相当のものは出てきたとは思っております。もし、ほかにあるはずだということがあれば、具体的に教えていただきたいと思います。その窓口は開いているつもりです。
 今回もいろんな通報があって、私どもの調査に大変に役に立った部分もたくさんございました。今なお出てきていないということがあるのであれば、それは私どもとして調査を続けます。

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