記者会見

●発表項目:三位一体の改革(平成16年度〜平成18年度)について
 最後に、三位一体の改革についての資料がございます。
 全体像は、国庫補助負担金の改革として、4兆円プラスアルファの国庫補助負担金の廃止、縮減が実現いたします。そのうち、税源移譲に結びつくものが3兆1,176億円でありまして、これを佐賀県ベースに置きかえますと、この改革の結果、約109億円プラスアルファの一般財源が必要となる見込みであります。これらが税源移譲と地方交付税できちんと措置されるかどうかというところがポイントになります。
 一方、交付金化したもの、スリム化したもの、こうしたものについては金額について、今国で精査をしているところでございます。
 次に、2ページ目の税源移譲を含む税源配分の見直しでございますが、3兆円を税源移譲する方法としては、所得税から住民税へ恒久的に税源移譲をするということになりまして、税率が住民税については、今まで5%、10%、13%と累進税率になっていたものを、一律10%と比例税率にいたします。今まで5%だった階層の方は10%と増えていくわけでございますけれども、その分国税の所得税率を下げます。また、住民税の税率が下がる方々については、その分国税の所得税率を上げるという工夫を凝らしまして、個々人の納税額に大きな変化がないように調整をされております。
 佐賀県は、この結果、ざっと100億円ぐらいは増収になるのではないかと思っております。税源移譲に結びつく分の改革の結果、約109億円プラスアルファの一般財源が必要、それに対して、佐賀県の増収見込みは約100億円でございますので、9億円分は足りないということでございます。こうした事柄がきちんと地方交付税を通じて財源措置されるということが必要になっていくということでございます。
 次に、地方交付税の改革についてでございます。
 結果から見れば、3年間で5.1兆円の総額抑制ということが実現されることになりました。5.1兆円でありますから、大変な数字になってまいります。ここに平成15年度と18年度を見比べておりますけれども、平成15年度には24兆円だったものが、平成18年度は18.9兆円、マイナス5.1兆円ということになるわけでありまして、率で見ますと2割以上減ったということになります。
 参考までに、ここで国の予算総額や一般歳出を見ておりますけれども、いずれも2.6%、額にして2.1兆円という数字になっておりまして、額、そして率ともに減少幅は非常に小さくなっております。これを見ていただいただけでも、歳出抑制について、地方側がいかに国に先んじて行っているかということを見てとっていただけるのではないかと考えているところでございます。
 地方財政計画、地方交付税の規模については、一般財源総額そのものは対前年度とほぼ変わらない程度の額が確保されることになりました。とはいいますものの、具体的な交付税の算定になっていきますと、今回の地方財政計画は随分地方税が伸びるということを前提にして組まれております。一般財源は、地方税プラス地方交付税の額でありますから、地方税の額が増えていけば増えていくほど地方交付税の額は少なくて済むということになります。それほど私たち佐賀県の税収が増えていくのかというと、今の見込みですと、それほどは増えないだろうとなっておりまして、交付税の総額は減っている一方で、税収はそんなに伸びないということになりますと、これは予算編成にも大きな影響を生じてくることになります。
 今進めている予算編成を改めてやり直すほどの大きな影響になるとは考えてはおりませんが、交付税の必要な額を確保するということが非常に大変な作業になってこようかと思いますし、また、税収をよりきちんと確保していく、または伸ばしていくということも求められていくと改めて感じている次第であります。
 私から最後になりますが、今回の地方財政対策と呼ばれるものが佐賀県にどう影響していくかということをまとめてみました。
 地方一般財源総額の確保ということが常々言われておりまして、これが閣議決定されておりますので、その意味では、地方一般財源総額の確保そのものは実現したと。これは認めざるを得ないと思います。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように税収の伸びが、総務省では、県税の伸びとして8.1%というものが見込まれているわけでありますけれども、ここに届くかどうかということは不安がございます。税収は確保しながらも、一方で行財政改革緊急プログラムをきちんと実行していくということによる徹底した歳出見直しをやっていかなければならないと考えております。
 国庫補助負担金改革と税源移譲につきましては、先ほど申し上げましたように、税源移譲額だけでは足りない部分がございますので、地方交付税による財源措置をしっかり確保しなければならないということと、あと、この補助金改革の目的は何のためにあるのかということについて、私は常々、これは住民満足度を上げるためなのだということを申し上げてきましたが、残念ながら、今回一般財源化された多くの補助金においては、地方の自由度というものが発揮されるものがまずございません。残念ながら、そういった意味では一般の県民、住民の方々で、一般財源化されたからよかったねということを身をもって感じていただくには至っていないのではないかと考えているところでございます。
 地方分権改革には終わりはございません。中央集権の社会が持つ「高コスト・低満足の社会」から「低コスト・高満足社会」への転換を図る必要があると考えております。
 地方六団体では年明けにも有識者でつくる委員会を設置する予定にしております。今後の地方分権についてのビジョンを議論していただくことになっております。また、竹中総務大臣も私的懇談会を設置されて、その中で地方財政の将来ビジョンが議論されると伺っております。
 来年6月の骨太方針までにどのような分権型社会の将来像を描くことができるのかというものが、いわば天王山であろうと思っておりまして、佐賀県としてもこれまでに引き続きまして、積極的に知事会内部での議論に参加するなどいたしまして、提案を行っていくようにしたいと考えております。
 私からは以上でございます。


記者会見トップへ 平成17年12月22日記事トップへ

トップページへ

Copyright 2004 Saga Prefecture. All rights reserved.
このサイト内の文章や画像を無断転載することを禁じます。