記者会見

●質疑応答:九州新幹線西九州ルートについて(その1)
○NHK
 では、九州新幹線西九州ルートの関係ですが、今年度事業費とした10億円がいまだ消化されない段階で来年度も配分されることになりましたが、これについては、先ほど一部知事もおっしゃいましたが、どういった要因があってこういったことが可能になったと分析されているでしょうか。
○知事
 状況が動いているということが大変大きいと思います。去年から今年にかけて全く状況が変わらなかったとすると、なかなか予算の確保も難しかったと思いますが、先ほど申し上げましたように、江北町では議会が離脱したり、また、太良町や太良町議会においては、地域振興策をきちんと聞く場を作りたい、そういう声や動きが随分出てきております。また、鹿島市議会においても、私を呼んでいただくといったいろんな動きが出てきておりまして、そういう動きが出てきている以上、ここでその芽を摘むということをするわけにいかない、そういう御判断があったのではないかと考えております。
○NHK
 1年間で状況が変わったということなんですが、ただ一方で、別の言い方をすると、1年間で理解を得ることができなかったと。以前に比べて情報というのは、自治体に広まっていると思うんですが、それでもやっぱり結果としては変わっていないと。なおかつ期成会の協議も今、暗礁に乗り上げてといいますか、再開のめどが立っていないという状況があるわけですよね。それについてはどのようにお考えなんですか。
○知事
 いや、変わっていないことはないと思うのです。そこは変わっているという認識だということですね。ですから、全く変わっていなければ、私どももなかなか話をしにくいという部分がありますけれども、随分状況が変わってきていると考えているということです。
 また、期成会との協議については、残念ながら、今日の時点でも次の日程を決める段階に至っておりませんが、繰り返し申し上げていますけれども、前回、太良町の振興策を協議するということで集まっていただいた場で、そこに全く入れずに終わってしまったわけでありますので、しかも太良町はぜひ振興策を協議してほしいということを私どもに対しても何度もおっしゃっておりますし、恐らくは期成会側に対してもおっしゃっているのではないかと思います。ぜひこれを実現していくことは私どもの願いであるだけではなく、主要なメンバーである太良町、そして太良町議会がそうおっしゃっているということでありますので、一日も早い次回の日程のセットをしていきたいと思っております。
○NHK
 結果的に1年また延長といいますか、期間が延びたということなんですが、あと1年の間で沿線自治体から同意を得ることは可能であるとお考えでしょうか。
○知事
 ええ、1年とは思っておりませんで、今回の予算時期には間に合わなかったということなのだと思います。次に同意を目指していくタイミングとしては、せっかく今年度の予算として10億円つけていただいていますので、その執行のことを考えますと、大体2月中ぐらいに同意をいただければ、実際にその10億円の予算を執行することが可能になるのではないかというふうにも思いますので、次は2月末までに何とか同意を得るということで、これまで以上に精力的に活動をしていきたいと考えております。
○佐賀新聞
 太良町の百武町長が議会で答弁されていたんですけど、地域振興基金のようなものがあればということでお考えを示唆されていたみたいなんですけれど、そのような基金をつくるということについての検討とかを始められるという考えはありますか。
○知事
 県の方に、または私の方に太良の町長さんからそのような申し出があったという事実はありません。ただ、私も間接的に、もちろん報道を通じてということもありますけれども、そうしたことをおっしゃったということは承知をしています。ですので、まだお話がない段階なので、こっちがやるともやらないとも言えないわけでありますけれども、そういうお話があるのであれば、それはまずどういうことをお考えなのか、それにまず耳を傾けるという必要はあると思っております。
○時事通信
 やはり九州新幹線なのですけれども、2点お伺いしたいと思います。
 国全体が緊縮予算になる中で、異例の形と先ほど知事もおっしゃいましたが、10億円の予算がついたということになるわけですけれども、ほかの都道府県の方々にすれば、何で地元で反対して同意が得られないものに予算が2年連続してつくのかと、非常に奇怪に思われている方もいると思うんですよ。
 改めて、何でこの西九州というか、この地域に新幹線が必要なのかというのをほかの都道府県の方にわかりやすくまず説明していただきたいのと、あと、地元の調整がつき次第、着工してということなんですけれども、地元の調整がつき次第というのはどういうことを指しているのかというのを改めてお伺いします。
○知事
 まず、2点目から言えば、地元との調整がつき次第というのは、地元のそれぞれの同意を得てやっていくという、これまで私が答えてきた方針に変わりございませんので、1市2町の同意を得てやっていくという意味であります。
 それと、なぜ西九州に新幹線が必要なのかという点については、私どもがこの西九州地域が国土軸の一つであると考えているからであります。もちろん、国土軸の考え方はさまざまあろうかと思います。私たちは、今住んでいる佐賀県、そして長崎県、福岡県というだけでなくて、それを結ぶ1本の大きな国土軸というものがあって、それを形成していくために高速交通網である新幹線の整備が必要であると考えているということであります。
○NHK
 この間の会見で、新幹線のお話については、もちろん、沿線の自治体はそうなんですが、県民全体の理解というか、そういう十分な情報を提供していないということをたびたびおっしゃられていると思うんですが、この前からCMなどをやっていると思うんですが、そのことで一部批判があったり、一方で、それで県民の理解が広まっているかというと、それはまだ不十分だと思うんですが、その点についてはどうですか。
○知事
 いや、それが広まっているんですね。
○NHK
 広まっていますか。
○知事
 ええ、随分いろいろ来ます。特に直接タウンメールという手法で全世帯に私どもの考えをまとめたパンフレットを配ったわけですけれども、これについては、これまでよくわからなかったけれども、あの説明でよくわかったということを、私のところに直接来ることもありますし、いろんなチャネルで随分たくさんいただいています。やはり新聞とテレビの効果があったかどうかということは測りがたい部分がありますけれども、少なくともあの全世帯配布をしたということは、非常に効果があったと思っています。
○NHK
 今後もまた同じようなことをやるようにお考えでしょうか。
○知事
 全く同じことをやるかどうかはわかりませんが、少なくとも今回の広報を通じて、有効だなと思ったものもあれば、効果があったのかどうかわからないものもありました。やっぱり広報というのは効果が必要でありますので、そういう効果を見ながら、また新しい手法になるのか、同じことになるのか、それは引き続きやっていきたいと思います。
○日経新聞
 今回、国、国という表現は国交省と、それから、自民党を中心とした与党と見れるんですけれども、国の西九州ルートに対しての強い建設への意識が、今回の異例の措置というふうに反映されたと。
 東京、いわゆる中央の長崎新幹線に対する判断、見切りといいますか、それと、佐賀県内との温度差がかなりあるんじゃないかと思っています。その辺のギャップについて、知事は、今回東京でいろんな政治家、それから、国土交通省とお話しされていて、何か思われたことはありますか。
○知事
 ずっとあちこち回っていて感じるのは期待感ですよね。去年、政府・与党の枠組の中で、着工するということを決めているわけだから、その条件をクリアすべく努力を重ねてほしいということに対する強い期待を感じます。
 温度差というのは、どっちが高くて、どっちが低いのかよくわからないんですけれども、ただ、感じますのは、先ほどの質問とも関連するのですが、この新幹線事業の多くは特定財源なものですから、西九州が嫌だったら、北陸でも北海道でも、待っているところはあるのだから、西九州がだめだったら、その財源はほかのところに使えばいいじゃないか、そういう話は、半分冗談にしても随分聞かれる議論ではあります。そういったことを聞くと、去年、プロジェクトとして認めていただいているとは言うものの、全く安閑としていられないという気がいたしました。
○日経新聞
 国土交通省からの一つのサインといいますか、一応来年度予算をつけたけれども、これから半年もまた来年の今ごろまで話を持っていってもいいんだよ、長引かせてもいいんだよ、ということではないという思いは、知事としてはひしひしと感じていらっしゃいますか。
○知事
 1年間待ってほしいと、私自身が全く思っておりませんので、一日も早くと思っていますから、そういうやり取りだとか、そういう雰囲気を感じたことは全くないですね。もう国土交通省としても、とにかく一日も早く着工できるように頑張ってほしいということだったと思います。

記者会見トップへ 平成17年12月22日記事トップへ

トップページへ

Copyright 2004 Saga Prefecture. All rights reserved.
このサイト内の文章や画像を無断転載することを禁じます。