記者会見

●質疑応答:新幹線整備推進課の新設について
○時事通信
 新幹線整備推進課なんですが、ここに「より一層理解していただくため」と書いてあるんですけれども、これまでの体制ではどの辺が足りなかったのかというのをお伺いしたいのと、時代の流れとしては行財政改革、佐賀県でも緊急プログラムを作って、部の統廃合であるとか、予算削減に取り組んでいるわけなんですが、殊さら新幹線に限ってだけ、また新しく組織が増えるようなイメージというのは、普通の一般県民が見て、ちょっと奇異に映るかなと思うんですけれども、この辺も踏まえた県民への説明、理解というのはどのようにお考えでしょうか。
○知事
 室だったものが課になる話なので、びっくりするような大きな変化というのはないと思います。新たに県職員をだれか外から雇い入れるということでもありませんし、今まで空港と交通という二つの仕事をやっていて、今、空港・交通課の課長というのは、佐賀空港のこともやりながら新幹線のこともやるし、あとそのほかのMR(松浦鉄道)だとかバスだとか、そのほかの交通もやるという体制の中でやってきたわけです。
 今回、予算が異例中の異例の形でまた来年度も認めていただいています。そういう中で、佐賀県としての新幹線整備をきっちりやっていくためには、兼務でほかと合わせてやっていくのではなくて、新幹線の整備を専門とする組織を作ってやっていくんだ、そういったことをお示しすることが極めて大事だと考えたからでありまして、組織が増えたということではないと思っています。
○時事通信
 例えば、政策監グループの中に新しい班みたいに作って、地域振興なんていうのは各部横断的な話になると思うので、今ある既存の組織の中での増強など、そういうのはお考えにはなっていないんですか。
○知事
 もちろん、これだって既存の組織の中でやっているわけで、条例改正は必要ありません。つまり、既に私たちに与えられているフリーハンドの中で、やるとしたらこういう形だということで今回決定させていただいたということなんですね。
 もちろん、政策監グループの中に作るということも考えましたけれども、そうすると、県議会との関係で、まずは所管の委員会を変えなくちゃいけないということもあります。そういうことから、やはりここは県土づくり本部の中に、しっかり置いておいて、そこの中できっちりとした専門の体制を作っていくということでやりたいと考えたので、こんな感じにしました。
○西日本新聞
 他県では、長崎県などは既に新幹線の推進室があったわけですよね。佐賀県としては、むしろ取り組みが遅れていたという感じはないですか。
○知事
 長崎県に比べれば遅かったのは遅かったんですが、新幹線に対する取り組みのスタンスであるとか、ペースが佐賀県と長崎県では大いに違いましたので、その意味でこの時期になったと。確かに遅いといえば遅いんですけれども、我々としては、いよいよこれから本腰を入れてやっていくということで、必要な組織だと思っています。
○日経新聞
 個人的には作るのが1年間遅かったのかなと思いました。今回の新幹線の国との折衝などを見ていますと、去年はむしろ国の方が熱くて、佐賀県の方は「本当かな」というような、そういう冷めた見方があって、逆に、今年は佐賀県の方が感覚はよくなっているけれども、国の方はもう決まったことじゃないかというように冷めていると。
 そこで、前回質問したときに温度差という表現をしたんですけれども、今回推進課を作るのはいいんですが、一体そこで何をやるのでしょうか。実際ここまで、期成会との話の中で桑原市長が議論は終わったとおっしゃっている段階において、推進課で一体何をなさるのか、その辺の見通しというんですか、趣旨をどのようにお考えですか。
○知事
 まず、期成会との議論は終わっていないですよね。前回、11月に太良町の振興策を議論するために開いた協議会で、それに入らずに今止まっている状態なんですね。ですから、議論は終わっていないと思います。それが中断になっている。
 我々はたび重ねて、なるべく早く続きをやりましょうということを言っているんですね。けれども、なかなか理解が得られず、事務当局でいろいろやりとりをしていたんですが、先日、期成会側から、それではおさまりがつかないということで市長と副知事で会うようにしてくださいというお話があって、それはもちろん結構ですよということで返したのであります。しかしながら、日程について年内は難しい、年明けも難しいというお話で、今、市長と副知事に、いつ会ってもらうのかといったことを調整している段階だと思います。だから、協議は全然終わっていないと思っています。
○日経新聞
 桑原市長がおっしゃるのは、恐らく県と期成会側とのよって立つ議論の基盤が違うので、その溝を埋めるような議論というのは終わったというような表現なのではないでしょうか。
○知事
 それも終わっていないと思っています。もちろん、溝の埋め方はいろいろあるんだと思うんですけれども、太良町の地域振興策を議論するということについても、それは太良町との間で溝を埋める一つのやり方だと思いますし、そもそも肥前鹿島以南の運行の仕方というものも、まだあまりきちんと議論をしていないんですよね。
 そういったことで、このような運行にしていくんだ、収支はこんな感じになっていくんだみたいなことについて議論を重ねることによって、私は理解が深まる部分があるんだと思っているんです。ですから、とにかく話をさせてほしいというところに尽きていますので、議論すべきことはたくさんあると思っています。
○日経新聞
 そのご意見を、今度2月議会の予算絡みでまた何かいろいろ日程的には立て込んでくるので、めどとして、1月中にはぜひ市長と副知事の交渉を考えていますか。
○知事
 もともと市長と副知事でやりとりするようにしてほしいというのは期成会側から言われています。私どもはわかりましたということで返事している状況で、できれば早い方がいいので、1月中と言わず、年明け早々にでもできればと思っています。
○日経新聞
 そうすると、知事はこの前、2月末と期限を切られていましたが、まだいつやるかのめども立たないというと、2月末までに本当に交渉ができるのでしょうか。
○知事
 心配していただいて大変ありがたいと思っていまして、そのご心配にこたえるべく努力しなくてはいけないです。
 だからこそ、再三にわたりいろんなことを、早く行いましょうと話してきています。ただ向こうも、全然話をしないとか、あなたたちは相手にしないということはおっしゃっていないわけですね。期成会もいろんな御事情がおありになるんだと思いますけれども、少なくともまだ話ができているわけなので、私たちとしてはとにかく話をし、重ねて少しでも議論を進めていく、また私たちがあの地域に対して思っていることも伝えていくということを、愚直にやっていくしかないと思っています。裏から手を回して、いきなり暗やみでどうという話というのは多分ないんだろうと思うので、とにかく話をする、それをひたすらやっていくしかないと思っています。
○共同通信
 知事が組織改正を昨年でしたか、一昨年でしたか、したときに、同じ業務、縦割りの弊害をなくすというような概念で行われたと思うのですが。
○知事
 ええ、省庁ごとのですね。
○共同通信
 今回のこの推進課というのは、交通体系を全体に考えるというところから新幹線を切り離すということで、そこから逆行している、そういう改正のようにとらえられるんですが。
○知事
 例えば、県立病院をこれから作ることになると、多分、県立病院建設室というのを作るようになると思うんです。それが縦割りだというかということと同じ考え方だと思います。では医療全体を見渡さなくてはいけないから、県病院だけ別の組織でやるというのが問題かどうかということを考えると、一つの課の中であらゆるものをやるということのメリットとデメリットがあって、私は省庁が違うもの、同じようなことをやっていながら省庁が違うという理由で全く没交渉になってしまっているものはおかしいということを常々言っていました。こども課でいえば、文部科学省と厚生労働省で同じようなことをやっているのに全然連絡がとれていない、これはおかしいから一緒にしますという議論なんです。下水道などもそうです。
 一方、この空港・交通課の議論は、そもそも言えば、空港と交通がなぜ一緒なのかということなんです。
○共同通信
 そもそも組織改正の時点からまだ課題が残っているということでしょうか。
○知事
 いや、違います。そもそも基本的に別のものなんですけれども、所管省庁が一緒だから同じ課になっているという考え方もできるんです。もちろん、交通というのは、道路とか港湾とか、ほかのものとも関連しますから、物の考え方としては、ほかと一緒にしたっていいんです。でも我々はこれまで過去からずっと空港・交通課というのがありましたから、前に組織改正したときには、そこはさわらなかったんですけれども、交通政策の中だよということで、交通政策部というところに位置づけをしているわけなんです。
 だから、私は空港・交通課という仕分け自体はおかしくないと思っていまして、その中で特に力を入れなくてはいけない、時間が限られた中で進めていかなければいけない課を特出ししたということは何もおかしくないと思っているんですけれども。
○共同通信
 室ではなくて課なんですね。先ほど、例えば、県病院だったら室を作るとおっしゃられましたが。
○知事
 室でも課でもどちらでもいいといえばいいんですけど、最初、室から始めて大きくなったら課になるのかもしれません。
○NHK
 この推進課を新設しようと考えたのは、これは知事ご自身ということですか。
○知事
 私が考えました。
○NHK
 それはやはり知事の意欲というか、その表れと受け取っていいんですか。
○知事
 ええ、結構です。
 繰り返しになりますけれども、去年が異例な形だとしたら、今年の予算のつけ方というのは異例中の異例だと思うんです。国がそこまで私たちの動きを支援してくれていると感じますし、だとするならば、こちらもきちんとした体制を作って進めていくということをやらなくてはいけないのではないかと私が考えました。
○NHK
 これは、例えば、ほかの長崎とか国から、こういうのを作ってみたらどうかという勧めがあったということではないわけですか。
○知事
 全くありません。
○NHK
 それと、あとこれは人数も増えて、体制も増えるということなんですが、空港・交通課と合わせて、これは1名しか違わないわけですよね。規模としてはかなり大きいという印象を与えるんですが、長崎ルート、鹿児島ルート、地域振興策を考えなくてはいけないとはいえ、その比率が結構大きくなっていると思うんですね。
 そうすると、これまでの職員がやる事務量に比べれば、かなり時間がいるといいますか、やるべきことは多いような感じがするんですが、これまでと違った視点で何か取り組むという方針のようなものはあるんでしょうか。
○知事
 今までも本当にやるべき仕事が多くて、いつも後手後手に回っていたような感じだったんです。期成会とのやりとりにしても、期成会と頻繁にやりとりしているかといえば、そんなことはできていないわけです。
 一方で、国とのやりとりや、自分たちの中で議論すべきこともあります。今回の新設で本来やりたかったことが整合的にできていくということと、今後どういうやり方でどう進めていくのかを、全体を見渡した上で進めていくということが、これでなお一層できるようになると思っています。

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