記者会見

●質疑応答:アバンセ新館長の内定について(1)
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○毎日新聞
 先程成果を出されなければいけないという話がありましたが、具体的にはどんなことが頭の中にあるのでしょうか。
○広岡氏
 1つは、実際に仕事を通してといいますか、起業支援というか、創業支援というのも変ですけれども、ボランティア活動というものを含めた広い意味で起業支援を進めていけないかと思っています。だから、一歩進めて何かを始める人というのをたくさん出していきたいというのが1つの成果かなと思っています。
 それから同時に、成果ということになれば、もう1つ数字で出てくるのは、例えば、県の外からですね、助成金、活動の助成や委託等ありますから、そういうのをどんどんとる人が出てくればいいなと思っています。
○読売新聞
 広岡さんは、これまで佐賀県に何らかのかかわりはあられたのでしょうか。
○広岡氏
 はい。時々アバンセの方で男女共同参画の講演会に呼ばれたことがありました。
 その昔で言うと、吉野ヶ里遺跡など、佐賀県が好きなものですから、3番目の娘が小学校2年のときでしたかね、親子旅行をしたことがあります。遺跡が発掘され、整備されて、一般が見られるようになった直後だったと思うのですけど、遊園地か何かと勘違いしておったのでしょうね。そのときの娘の言葉が、ずっと見て「ねえ、お父さん、これだけ」と言いました。
 それから、焼き物が好きだったり、いろいろな面で佐賀県は大分前から結構印象深い県であります。
 特に、日本の政治創始の研究をしているものですから、幕末の鍋島閑叟は、薩長土肥の時代ですが、理工系の発想の人だなという印象を非常に強く持っています。富国強兵というか、富藩強兵といいますかね。
 あと明治14年の政変で追放される大隈重信は、当時は恐らく明治維新、明治政府の中で本当のトップでしょうから、それから、その前の佐賀の乱の江藤新平、そういう方たちを見ていると、社会工学といいますか、やはり工学的な発想が強いなと思います。佐賀県の人というのは、私はそういう理工系というか、社会工学的というか、そういう発想が強い、そんな印象を持っています。
○西日本新聞
 県の男女共同参画推進審議会の委員をされているみたいですが、これはいつからされているのかが先ず1点です。
 それと、法学部の教授をされていますよね。専門は何かというのを教えていただきたいのが2点目。
 それともう1つは、今回、若干男女共同参画に軸足を移すと知事は言われていたのですが、要するにこういう活動をやっていきたい、男女共同参画、生涯学習についてのご自身の考え方みたいなものを少しお話しいただけないかなと思うのですが。
○広岡氏
 専門は政治学です。教えている科目は、政治創始Iと現代日本政治論の二つです。主に研究している、最近非常に熱心なのは、NPOや次世代育成的な政策の問題、男女共同参画というようなことです。ゼミや授業でそういうことをよく扱っています。
 やりたいことは、まさしくそれの延長というか、対応しているわけですけれども、先程申しました講座で学んで、それで問題意識を持ったり、励まされたり、「ああ、私もやれるんだ」、「やりたいんだ」と思って、それで一歩踏み出して社会活動に踏み出していく、仕事を起こしたり、ボランティア活動をしたり、NPO、コミュニティービジネスなどいろいろあるでしょうけど、そういうのをバックアップしていくということを重要なテーマの1つに考えています。
 例えば、既に何回か手がけたこともあるのですけれども、学生やライター志望の方、ノンフィクション作家を志望している方に、いろいろなところで取材をしていただいて、それをまとめて一冊の単行本にするというような取り組みがあってもいいのではないかなと思っています。
 学陽書房から「ここが違うよ、日本の子育て」という本を出していますが、これはまさしくそのような本でした。そこから実際、そのときは未だアマチュアだったのですが、現在はプロのライターとして活躍していらっしゃる方もおられます。そのようなのが具体例といえば具体例になります。
○知事
 審議会の就任は、平成16年7月から2年間で、18年6月までということです。
○NHK
 あと男女共同参画にお詳しく、佐賀県にもいらっしゃるということで、現在、全国的に何が一番問題なのかということと、佐賀県ならではの問題点というのは何かというのを教えてください。
○広岡氏
 全国的にはバックラッシュと言われまして、例えば、性教育や夫婦別姓を巡って非常に反対する人もいて、ある種のイデオロギー的な対立の場所になっています。それが1つだと思います。
 ですが、世界的な視野で考えてみますと、やはり男女共同参画の流れを止めるのはできないだろうなと思っています。それが人目に入りやすい争点ではあるのですが、実際には今度は課題ということになりますと、現在の、非常に大きな課題は、1つは、何かやりたいと思って志を持っている女性が力をつけてもらうということです。女性がいろいろなことにチャレンジする、そのチャレンジを支えていくというのが大変大きなテーマの1つになっています。
 それから、もう1つのテーマはドメスティックバイオレンス、DVなんかに象徴されますような女性に対する暴力をなくしていくこと。
 それから、さらにもう1つの大きなテーマは、実際果たしてどういう政策手段を用いたらどういう効果が上がるのだろうかということを、これは国も含めてですけど、全国の自治体の担当としては頭をひねって一生懸命苦労して考えております。ここは何というのかな、知恵の非常に大事なところで、「あそこの自治体でこういうことをやった、これはいいね」となると、たちまち全国に広まっていき、全国で紹介されていくという傾向があります。例えば、市町村が条例をつくるときに、「なるほどこの条例は実効性が高い」といったときには、恐らくあっというまに広まります。そのくらい、3つくらいが大きな課題です。
 佐賀の場合、私は余り口はばったいことを申せませんが、やはり経済的な力をつけていくということが一番大事かなと思っております。
 これはいろんな考え方があるのでしょうけれども、1つ私個人の色合いとしては、チャレンジを応援する、そしてチャレンジしていただいて経済力をつけていくというのを課題として考えております。これは、女性の問題だけではなく、ある意味では県全体の課題かもしれません。
○朝日新聞
 平成16年の7月から審議委員会の委員として佐賀の方でも活躍されていたと思うのですけれども、今回は県の広告塔となり得ることということで、今まで佐賀にいらっしゃって、どういうところを全国にPRされていきたいと今お考えでしょうか。
○広岡氏
 県の広告塔になれるような立派な人だったら本当にすばらしいんですけれども、PRしたいと思っているのはやっぱり一番大きな点は、アバンセというのはもう10年になるのです。いろんな県の施設を私は存じていますけれども、やっぱり非常に充実しています。
 ですので、今度はもう1つは知恵のあるところを佐賀県庁として、県として、あるいは佐賀の女性たちがこのように勇気を出して、こんな知恵を出して、こんなことに取り組んでいる、こんな成果を上げた、これを一番アピールしたいと思っています。結構講演であちこち出歩くことがあるので、そのときは中央大学法学部教授の肩書より先にアバンセ館長という肩書で紹介していただく、そのつもりではおりますけれども、でもそれはアバンセがこんな人を雇ったよというだけの話ですから。そうではなくて、私自身は「佐賀県の女性たちがこんなことをやっているよ」ということをアピールしたいと思っています。
○佐賀新聞
 中央大学の教授職は、そのままされるということですか。
○広岡氏
 そのままで行きます。
○佐賀新聞
 アバンセの館長さんとしては週に大体何回ですか。
○広岡氏
 2日間です。
○佐賀新聞
 2日間ということですね。非常に短い期間というか、週に行ったり来たりということで非常に難しさもあると思うのですけど、そこら辺の限界みたいなのはお感じではないでしょうか。
○広岡氏
 これまでも週に2日間は地方の大学に非常勤で出ていまして、その非常勤はやめました。ですので、私自身の生活のスタイルはこれまでと変わらないです。物理的な意味で大変というようには感じておりません。それは全然問題ないだろうと思います。
 むしろ、いろんな活動のネットワークの中で、アバンセというものの存在の、構想が非常に大きいですから、そういう大きな存在がいろんな意味でアピールされていく、それから、いろんなネットワークの中にネットワークを取り込んでいくといいますか、そういう活動ができるのではないかなと期待しております。例えば、他の県の男女共同参画センターで仕事があるといったときに、「ではアバンセでこういうことができるのではないでしょうかね」というような全国的なネットワークをつくれると思います。そういうことができるのではないかなと思っています。
 具体的には、まだ像ははっきりと浮かんでおりませんけれども、ちょっと期待しているところです。
○西日本新聞
 他の委員、例えば、東京都の委員とか内閣府の会議の委員をされていますけど、これはまだ現職なのですか。
○広岡氏
 そのつもりでいます。幾つかは整理しなきゃいけないと思っております。事実上できないと思います。
○西日本新聞
 今の時点でこれは元職なのか現職なのかというのはどうですか。
○広岡氏
 東京都の方は、申しわけありませんが、ずうっと会議が開かれていないものですから、現職なのかどうかわからない状況です。
 内閣府の方は、今、実は基本計画をこしらえる専門部会の委員をやっております。ですから、基本計画の執筆にかかわっております。

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