記者会見

●発表項目:食糧費等の返還について
 3月4日の食糧費等調査委員会の報告書を受けまして、返還について検討をしてまいりましたが、その方針を決めましたので、ここに発表させていただきます。
 まず初めに、食糧費、一部旅費などもございましたが、支出について返還しなければならないものがありました。これは、県政に対する県民の信頼を大きく裏切るものであります。県民の皆様に改めまして深くおわびを申し上げます。
 返還の対象の考え方としては、同じような問題がほかの県で発生したときに、同じような対応をとっていればどうなっていたかということを軸に考えました。もともと、この問題が法的なものというよりは、いわば、倫理的なもの、道義的なもの、そうしたところに端を発したものであるということもありまして、ほかの県のとった対応策を見ながら、佐賀県としては、少なくともそれ以上の踏み込んだことでなければならないだろうという考え方のもと、委員会の報告書で示された厳しいご指摘をもとにして、今回の返還案をつくったものであります。
 ほかの県においては、大体平成6年度から8年度にかけてこういう問題が起きました。そして、多くの県で平成6年度から8年度までの3年間を対象にして、平成9年度に調査が行われ、返還の必要なものについてはその年度から返還を開始するというふうな対策がとられておりました。
 今回の返還案を考えるに当たっては、このほかの県と同じ並びにするということをベースに考え、併せて、今回調査委員会の求めに応じて、私どもが提出した資料の中には、さかのぼれば平成元年度ぐらいまでの書類もありましたので、実際に書類が残っているものについては返還の対象とすることにして、この点については、ほかの県よりも踏み込んだものとしたものであります。
 返還額でございますが3億 983万 1,000円、約3億 1,000万円という額の返還を予定しております。調査結果そのものに基づきまして、私どもが返還が必要だという認定した額は1億 5,983万 1,000円であります。内訳は、食糧費でありまして、後でご説明申し上げますが、食糧費のうちAからIまでの分類がございましたけれども、A、Bの一部が 571万 3,000円、CからIの部分が 8,259万 8,000円でございまして、合計の 8,800万円強であります。また、旅費については 250万 8,000円返還が必要というものが見受けられます。これらのものについて年月が経っておりますので、利息を加えまして、その利息分が 4,878万 5,000円になります。そしてさらには、今回、第三者の委員に委員会審議をお願いしまして、公認会計士でありますとか、弁護士でありますとか、すべて第三者で構成しました。その結果、調査費用が 2,022万 7,000円かかっております。これは平成9年度に調査をやっておけば、そのときには恐らく県職員だけの調査で済んでいたのではないかと思われます。こういう年月が経っての調査になったということで、どうしても専門家のお力を借りなければいけなかったということで、この部分はその年月が経ったことに対する、いわば付加的にかかった費用であるということで、この調査費用の分についても、併せて、今回返還の対象といたしたいと考えております。それが合計1億 5,983万 1,000円でございまして、この部分については、現職の県職員が組織としての責任をとるという意味で返還をするということと考えております。
 また、実際に残っていた書類に基づくものはこれだけでありますけれども、実際には、多くの部分が残っておりませんでした。例えば、平成6年度、7年度は、全体の食糧費の2割から3割ぐらいの書類しか残っておりませんでした。となりますと、本来きちんと書類が残されていれば、もっと多くの額を返還しなければならないことが予測されるわけであります。これは、あくまでも予測でありますけれども、そういったことがあり得たのではないかということで、ほかの県と同様に、平成6年度から8年度まで、これを返還が必要とし、その額の推計をしてみました。その結果、約でありますけれども、1億 5,000万円程度は返還すべきものがあったのではないかという判断に至りました。この1億 5,000万円という額については、推計に基づくものでありますけれども、いわば過去におけるけじめをつけるという意味で、県職員のOBの方に返還をお願いしたいと考えているところでございます。
 繰り返しになりますが、実際に調査をした結果、返還が必要だと私どもが判断した分については、現職の管理職に返還をお願いしたい。推計に基づく返還分の1億 5,000万円は、退職された方に協力を要請したい、このように考えているところでございます。
 具体的には、現職については、社団法人佐賀県職員互助会という県職員の互助会が、金融機関からその必要な額1億 5,983万 1,000円について金融機関から借り入れをして、県に対して一括して返還をいたします。管理職は、それぞれの役割といいましょうか、役職に応じまして毎月返済をしていくという形をとってまいります。
 具体的には、管理職手当の1割をめどにして毎月管理職が支払うということで、大体四、五年間かけて自分が支払うべきところを返済していくということになると考えているところでございます。私も、もちろんその中の一人でありますので、返還をしていくことになるわけでありますが、公選法の規定上、寄付ができませんので、私の分については、6月の定例議会に条例案を提案することとしたいと考えております。
 次に、具体的な返還の内訳でございますが、懇談そのものが支出負担行為、つまり、公文書に掲げた「目的」どおり行われたかどうかということで判断をいたしました。そのとおりに実施されたというものについては、返還を要しないことといたしております。今の目から見ると、やや派手ではないかとか、これだけの人数が必要なのかといった、いろんな問題がありますけれども、これは、当時の社会通念から見てある意味でやむを得なかったというところがあると考えております。食糧費の返還というところまでは要求しないと考えております。
 一方で、その「目的」どおり実施されていない、または実施がなかった。そういったものについては、返還をしていただくことにしています。
 例えば、ある役所との懇談をするという名目で支出負担行為を書いたものが、その役所の人とではなく、別の人と実際は会談が行われたんではないかと、そのように思われるようなものについては、仮にその懇談が行われたということであっても、それは目的どおりとは言えないだろうということで返還をしてもらうことにしています。また、実際に支出負担行為に掲げた「目的」どおりになったかどうかがわからないというものについても、併せて返還をすることにしております。
 具体的に申し上げますと、調査委員会による分類と返還の対応でございますが、事実どおり行われたというものについて、そしまた、金額や出席者など一部が違っていたというものについては、基本的には「目的」どおり実施がされたということで返還をしないこととしております。
 しかしながら、一つには、監査関係、本庁、現地という内部での、監査は内部ではないのでありますけれども、いわば、職員間懇談にも類したようなものがございました。こうしたものについては、支出負担行為にははっきり監査関係の打ち合わせ、本庁、現地の打ち合わせと書いてはありますけれども、これは果たして支出することが妥当であったかどうかという観点から、今回返還の対象としております。
 また、当時、食糧費については、一人当たりの支出上限単価というものが決められておりました。トップはだれが出席するのか、また、相手方はどういうレベルなのか、そういったものにおいて、さまざまな職員上限単価というものが設けられておりましたが、その上限単価を超えるものについては、返還をさせることにしております。
 また、一部に見られます出席者の数を変えていたというものについては、もともとは出席者の数を変えることによって、一人当たりの単価をアップさせていたということでありますけれども、これは、当時、きちんとそういったことを申し出て手続をしていれば認めていたということがありまして、確かに内部的な手続をとらなかったということについては反省すべき点ではありますけれども、きちんと申し出をしていれば、その当時も認められていたということを考えて、基本的には返還の対象にはしておりません。
 ただ、繰り返しになりますが、その結果、実際に出席した人数で割り算をした場合に、一人当たりの許される上限単価を超えているものについては返還をすることにしております。 次に、C以下でありますけれども、職員間懇談を始めとして、支出負担行為に掲げられた懇談はないけれども、外部の懇談があったもの、他課分の支払い、そのほかの事案については、すべて返還をすることといたしております。
 こうした返還の考え方は、ほかの県の返還と比べてみますと、佐賀県のものは厳しいものになっております。出席者名簿が違って、つまり、これは人数が違っていたというものについては、ほかの県では返還しておりませんが、佐賀県では上限単価を超える分については一部返還をすることにいたしております。
 なかには、例えば、8人出席することにしていたけれども、実際には当日キャンセルがあって出席していないといったものも含まれております。これは、ある意味責めるのは酷な部分もございますけれども、そこのところは厳密に、とにかく出席した人数がはっきり、自分は出ていないという人がいれば、その者についてはとにかく出ていなかったということで、単価をはじき直しております。二次会については、他県同様、返還ということにいたしております。
 また、監査関係については、他県ははっきりいたしませんけれども、佐賀県では返還することといたしました。また、目的や相手方が全く異なる場合、ほかの県においては、それでも懇談が行われたということであればよいとしている例もございますけれども、佐賀県においては返還していただくことにしていただくことにしております。また、調査費用についても、ほかの県では返還はしないということでありますけれども、佐賀県においては返還するということになっておりまして、ほかの県に比べて厳しい対応をいたしていると認識をしております。
 また、次に旅費についてでございますけれども、旅費は大体適正にされておりましたが、ここに掲げております一部のものについては、不適切なものがございました。資材の購入や、備品の購入、慰霊祭の費用、こういったものに充てたというものもございましたし、泊付きで出張の予定だったものが実際は日帰りだっという場合、本来旅行中止で返納をしなくてはいけないのでありますけれども、その処理が遅れていたというものであるとか、本来出すべきではない葬儀への参列とか、手伝いに旅費が払われたものというものもございました。また、出張の事実がはっきり確認できなかったようなものというものもございまして、こうしたものを併せて 250万 8,000円を返還することといたしております。
 文書がなかった分については対象年度を6年度から8年度、これは私どもが参考にしたほかの県がすべて平成6年度から8年度でございましたので、この3カ年度を対象といたしまして、食糧費の返還額発生率に食糧費の決算額を掛け、また旅費の返還額発生率に旅費の決算額を掛けということで計算をいたしまして、もう既に調査結果に基づき返還額となっている分を引いて残った分が約1億 5,000万円あったということで、1億 5,000万円を返還するということにしているものでございます。
 最後に、今回のこうしたことをどういう教訓にすべきかということでございます。今回の問題を県庁全体で反省し、これを教訓として、今後あるべき行動規範を指示するために、全職員に対し、異例ではございますが、以下の訓示を行います。
 現地機関、本庁を問わず、全管理職を招集して、私から直接3月29日の16時30分、正庁において訓示をいたします。特に、本庁の本部長、副本部長に対しては、訓示の文書の交付をいたします。また、全職員に対しては電子メールで訓示をいたすこととし、これまでの反省と、今後こうしたことが絶対にないようにということを強く指示することといたしております。今後、このようなことが二度となきよう、全職員一丸となって県政に対する県民の皆様の信頼回復に努めていく所存でございます。
 私からは以上であります。


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