記者会見

●質疑応答:九州新幹線長崎ルートについて
○共同通信
 九州新幹線長崎ルートの関係で、この間、存続期成会が1市2町という形で、ようやく枠組みが再開されて、知事も議会答弁でおっしゃっていたように今後話し合いを進めていくという形になると思うのです。その際に、この間の存続期成会の後に桑原市長がおっしゃっていたのですけれども、国になるのか、県になるかわからないのですが、具体的に昨年12月に示されました 1.9とか 1.4と言われている、あの費用対効果の数字の内訳をはっきりと出してもらわないと、協議としてはするけれども、結局、実質的には進まないだろうという趣旨の内容でおっしゃっていました。今後、国に何で 1.9だったかということを示してもらうというか、県で独自で調べられるとか、そういう予定というのはあるのでしょうか。
○知事
 国に対してはこれまでも求めてきましたし、これからも求めていきたいと考えています。
 生数字を直接出していくということは、それは確かに難しかろうと思いますけれども、何か参考となる考え方なりなんなりでも示していただけないのかということについては、こちらの方で再度求めていきたいと思っております。私どもも、もとより知りたいところではありますので。
○朝日新聞
 それに関連して、塩田町と白石町が正式に離脱されましたが、そのことについてはどのように受けとめていらっしゃって、そして、今後県としてどのような形で協議に臨んでいきたいと今お考えになっているか、お聞かせください。
○知事
 塩田町と白石町の離脱については、この期成会から離脱しても、その地域として望ましい進行方向が確保されると判断されたのだと思うのですね。
 ということですので、期成会のメンバーには加わっておられませんけれども、もちろん我々はこれから県の南西部地域の振興方策というものを考えていかなくてはいけませんし、また、実際に具体的にJRの運行のあり方だとかも検討していくのでありますが、今回離脱されていますけれども、当然のことながら、そういう地域のことも、我々のイメージの中には入れてやっていかなくてはいけないということだと思っております。
○共同通信
 先ほどの話の関連で、今後、まず鹿島市側としては、どうしても数字を示してもらいたいということをずっとおっしゃっていると思いますし、県にも事務的に相当言ってきていると思うのですが、それがないと、そもそも同意というのがないだろうということを言っているのですけれども、今後、その打開策というのは何かあるのでしょうか。
○知事
 とにかく、今回の新幹線整備の考え方について、ぜひ広く説明をさせていただきたいと思います。
 そういう中で、例えば、この部分のこういう考え方について、または数字について示されていないということで、鹿島市を含むところの期成会としては、そこのところに問題点を投げかけておられるということを含めてで、我々としては結構なのです。
 ただ、今このような考え方で県はやっていますよということ、また、こういう点に問題点があると言われていますということ、実際に整備がされるのだったら、こんな形になっていきますということを、とにかくできる限り多くの方々に知っていただきたいのです。それは、だめだ、反対だということを、いろんなことを知っていただいた上で、判断していただいた上でいただくのは、もうそれは我々が受けとめなくてはいけないと思っていますけれども、非常にこっちが気にしていますのは、我々は今まで、どちらかと言えば非常に遠慮していた部分があったものですから、多くの方にきちんと情報が届くような形で、ぜひ積極的にさせていただきたいと私としては思っています。
○共同通信
 具体的に、何か県主導での説明会を開くとか、そういうことに。
○知事
 そういったことも、もちろん地元がオーケーしないのに勝手にやっていくということは事実上不可能かもしれませんけれども、私どもとしては、とにかくできるだけ多くの方に直接説明をさせていただきたい。それに対する反論なり意見は幾らでも言っていただいて結構なので、まずは聞いていただくという場をセットしたいと考えています。
○時事通信
 近々、鹿島市長とお会いになられるようなご予定はあるのですか。
○知事
 この間も会いましたけれども、ちょっとその話はしませんでした。私が直接、鹿島市長といつもいつもやるわけにはいきませんし、もちろん、必要があれば市長と私が話することもあると思いますけれども、基本的には、もっと事務レベルの方で進められるところは進められると思っています。
○朝日新聞
 知事は、これまですべての沿線自治体から同意は取りつけたいということを議会などでもおっしゃられていると思うのですけれども、今回、期成会がああいう形になって、より強く存続への意思を示されているところが残ったと思うのですが、今でもすべての沿線自治体の同意というのが絶対的に必要だという考えにお変わりはないでしょうか。
○知事
 今でも考えに変わりはありません。
○共同通信
 先ほど知事おっしゃった、市長と会われたということなのですけど、差し支えない範囲で教えてください。
○知事
 有明海沿岸道路が指定整備区間になったものですから、その関係で会いました。
○毎日新聞
 新幹線については何かお話しされましたか。
○知事
 いや、それはしていません。殊さらに、それをリンクさせて物を考えるとお祝いもできなくなるものですから、そこはお互いに「切り離しましょうね」という整理の中で我々はやっていますので、とにかくあそこはできるだけ早い時期に整備をしていきたいという県としての気持ちがありましたので、これは県だけではできなくて、もちろん国の方から指定があったのですけれども、そのときにはその(新幹線の)話はしておりません。
○毎日新聞
 新幹線のお話で広告を出していただいたのですけれども、その中で「スーパー特急方式で運行します」ということが書いてありました。国の試算では、スーパー特急方式かフリーゲージトレインかということで、費用対効果が 1.4か 1.9と大分違うのですね。県が1文字もフリーゲージトレインについて書いてないのですね。
○知事
 それは書いていないのですか。
○毎日新聞
 ええ、書いていないです。
○知事
 それはだめですね。
○毎日新聞
 それで、もうフリーゲージトレインを断念というか、あきらめたのかなと。
○知事
 いつも入れるよう言っているのです。フリーゲージについては、今まで技術的可能性として議論されていたのです。今回、政府としての公文書にはっきり書き込まれましたので、それまで我々はフリーゲージを言っていなかったのです。それはあくまでも可能性でしょうと。ただ、今回、政府・与党の申し合わせの中にきちんと書き込まれたので、これは政府としても責任持ってやっていきましょうということになったということで我々も、フリーゲージを前提にしなくてはいけない。だから、今の 1.9みたいな数字もフリーゲージでしょう。
 ただ、フリーゲージが果たして本当にそこに間に合うのかということについては、間に合わない可能性もあるわけなので、フリーゲージだけで論議していくのは変だと思いますけれども、少なくとも、新幹線議論を進めていく際には、フリーゲージも必ずきちんと視野に入れていかなくてはいけないと考えています。
○毎日新聞
 やはり広島だとか、大阪だとか、あちらまで乗り入れというのが一番で、その上での効果だと思うのですけれども。
○知事
 今は乗り換えに時間がかかる、乗り換えの手間が大変というところが一つと、あとは、フリーゲージになれば、その分だけ申請区間はスピードが早くなりますので、手間とスピードと両方の意味で効果はあると思っているのです。
 例えば、嬉野のイメージで言えば、JR西日本が運行しているあの区間の中で、新幹線の駅から降りてすぐのところに温泉があるという地域は私はないと考えておりまして、例えば、こういったこと一つとって見ても、非常に効果はあるのではないかと思っています。
○佐賀新聞
 ちょっと話が戻りますけど、期成会が1市2町になったと。合併も含めて随分構成団体が減ったということに関して、知事の感触として、期成会側の発言力が弱まったとご覧になるのか、それとも、逆に結束が強まった、強固になったとご覧になるのか、どうご覧になられるのですか。
○知事
 結束というよりは、とにかく一つ一つの地域にきちんとご理解を賜らなくてはいけないという状況は変わりませんので、ここは丁寧にやっていくということしかないと思っています。
 逆に、三つになったということによって、それぞれの地域に対してどういう説明の仕方をしていくのかということの、いわゆる説明の内容ぶりは変わっていくのかなと思っています。
○NHK
 ちょっと確認ですけれども、先ほど聞いてもらう場をセットしたいということをおっしゃっていましたが、一方で、説明会というのは地元との協議でノーと言われたということでしたけれども、どういう意味ですか。
○知事
 気持ちとしては、できるだけ多くの機会に説明をさせてほしいと思っているのです。これは県としての思いです。
 ただ、例えば、そのときに、では今度江北町で県が主催して説明会をやりますというときに、地元の町長さんから、「そういうことはぜひやらないでくれ」と言われたときに、それも押し切ってやるのかなということなのです。そういう説明会を開催していただく、また説明の仕方、それに対する意見の言ってもらえ方ということについては、地元と話し合いをしないといけないのではないかなと思っています。だから、その意味で、「地元が絶対やるな」と言っているのに、県が無理やりにやるということは難しいでしょうけれども、我々としては、とにかく知ってほしい、知った上で意見をいただきたいと思っているのです。ということを申し上げたつもりでありました。
○佐賀新聞
 期成会も再結成したばかりなのですけれども、今日時点で協議再開のめどというのは立っていますか。
○知事
 今日時点では、まだ具体的にいつとは伺ってはおりません。
○佐賀新聞
 知事の希望としては、大体いつごろをめどに。
○知事
 今回、また新幹線の担当メンバーも変えましたので、少し体制を整えるのに手間がかかるかもしれませんが、いずれにしても、とにかくできるだけ早くという思いに変わりはありません。
○毎日新聞
 予算を執行する立場からして、今年度着工に向けて合意を得る期限というか、来年度予算との絡みもあるのですけれども、そこら辺はどのように考えていますでしょうか。
○知事
 それは、私どもが考えているということではなくて、世間一般的なと、あくまでも限定づけさせていただきますが、一つには概算要求に間に合うのかどうかというところがポイントであろうと思います。次の年の予算要求をしていくのに着工が得られる見通しがあるのかないのかでは大きく違ってくるだろうと思います。
 もう一つは、去年の年末のような、ああいう具体的な予算編成のときというのが二つ目のポイントとしてあるのだろうと思います。

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