記者会見

●発表項目:水道局跡地への対応について
 佐賀市水道局の跡地への対応について、私の方から発表をさせていただきます。
 本日、(株)穴吹工務店から購入について同意を得ることができました。
 あの土地は、今、(株)穴吹工務店の所有になっておりまして、本日、(株)穴吹工務店の朝倉専務と佐賀県側から川上副知事、佐賀市側から高取助役の三者で協議を行い、合意に達しましたので、この土地を県として将来購入するということを前提として、佐賀県土地開発公社で買収をすることといたしました。
 買収金額は3億5,000万円、その内訳は、土地代そのものと、今回のために投入された資金であります。
 都市計画を決定した後に、補助事業を使って数年後に県が購入をすることといたします。この土地を購入するに当たりまして、佐賀市が2億円を負担する、以上が今回の合意の内容でございます。
 この経緯について、若干ご説明を申し上げます。
 昨年の4月、佐賀市において入札が行われまして、(株)穴吹工務店が落札をいたしました。2億140万円という価格で売買契約が結ばれました。
 この間、昨年の8月には近くで佐賀城本丸歴史館がオープンしたという事実がございます。その後、移転登記が完了いたしまして、いよいよ建設となりましたときに、地元の自治会や住民の方々から買い戻しの要望が出てまいりました。その署名の数2万3,000人余でございまして、この運動が地元のみならず広がりを持って続けられております。
 今年度に入りまして、地元の方から佐賀市長に対して、このような問題を二度と起こさないため、この地域における建物の高さ制限を現在の15メートルから10メートル以下にするといったことを含めた地区計画の策定に同意をし、このことについて、住民と話をして、大方の同意が得られるという旨の報告がありました。
 そこで、地元として、自分たちの財産の価値を下げてでもこうした良好な景観を守りたい、そういう意思があるのであればということで、市長、そして市議会の議長から、私、そして佐賀県議会の議長に対して、この土地を何とか県で利活用できないかという要請がありました。その後、県、県議会として、今回の要請に対してどうするかということの話し合いを続け、(株)穴吹工務店とも協議を行った結果、本日の同意となったものであります。
 枠組みはこういう感じになります。つまり最初から買うということをしていればどうなっていたかというと、本来、土地代だけとなり、大体この土地の価格が2億1,000万円ぐらいでございました。それを、公園事業という形で取得すると、国庫補助金が7,000万円入ります。そして、佐賀城公園の場合には、県と市とで負担を折半するというルールで行っておりますので、佐賀県が7,000万円、佐賀市が7,000万円、このような負担になるわけでございます。
 今回の場合は、土地代そのものではなくて、この土地を取得していくためには、例えば、モデルルームの経費でありますとか、その建物を撤去するのにかかった経費でありますとか、そういう経費も対象にする必要がございます。そうしたものがどこまで国庫補助の対象になるのかということについては、現時点でまだきちんとしたものが示されてはおりません。全国的に見ても、こういう例が極めて少ないということで、国の方からなかなか回答は得られないのですが、低く見積もっても2億4,000万円程度は補助対象になるであろうと考えております。そういう考え方のもとに計算をいたしたところ、国が3分の1負担をしますので、国庫補助金が8,000万円出ます。そして、佐賀県としては、本来、当初から買っておけば、佐賀県の負担が7,000万円で済んでいたということを考えまして、佐賀県の負担を7,000万円に抑えようということにしております。その残りの部分を、佐賀市の方で出していただくことにします。補助対象外分については、これがどのくらいあるかというのは、見込めないのですが、今回、我々が取得する3億5,000万円の中で、国庫補助対象にならない分については、佐賀市の方にご負担をお願いします。こうすることによって、大体2億円ぐらい佐賀市において負担をしていただくということになるわけでございます。
 今回の判断に当たっては、高さ制限を強化するということであるとか、地元自治体が自治会としても募金活動をされておられましたので、いわば二重の意味で、自分の財産権を一定放棄してでも何とか歴史的な町並みづくりをしなくてはいけない、そういう熱意と合意が得られたということ、また、それを受けて、市としても水道局跡地を買い戻さなければならないということを決定した、こうしたことが大変大きな要因でございました。
 また、この佐賀城内地区は、佐賀県の象徴的な地区でもございます。
 県では、今「佐賀城下再生百年構想」といったものを策定して事業化しようとしております。このようなことを考えた時には、この場所は佐賀城本丸歴史館の玄関口に当たり、大変重要であると思っているところでございます。
 今後は、県民・住民、佐賀市、県が、これまで以上に一緒になって、柳町や大隈記念館など、佐賀市が持っているいろんな資産を活用していくことをこれから努力しなければいけないと考えております。また、そのことによって住んでいる人が誇りに思う、訪れる人も佐賀らしさを感じられる、そういうことでまちづくりを進めていきたいと考えております。
 今回は、回遊性を持たせて、松原地区と城内地区、大隈記念館の周辺、こうしたところを、公園事業も含めて、活用しながら整備をしていきたいと考えているところでございます。
 私からの発表は、以上であります。


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