記者会見

●質疑応答:水道局跡地への対応について(1)
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○毎日新聞
 補助対象分の2億4,000万円について、見積もりの段階で、2億1,000万円から3,000万円上積みした内訳を教えてほしいのですが。
○知事
 基本的に私どもは、今回買った3億5,000万円という金額そのものは、全て国庫補助対象になり得る金額ではないかとも思っているのです。といいますのは、今回の3億5,000万円というものの中には、遺失利益分は含んでおりません。ですから、今回私どもは実際にこの土地を取得した後に穴吹工務店さんがマンションを造ろうと思って投下したお金の部分だけしか、算定をしておりません。全てが補助対象となり得るというように考えているのでありますけれども、そういう大ざっぱな考え方ではなくて、せめてここの分ぐらいは対象になるだろうということで、少な目に見積もった額がこの3,000万円のプラスになっているのであります。設計経費、モデルルーム工事経費など現場経費の分がプラスになっているとご理解いただければと思います。
○西日本新聞
 もし、全額が国庫補助の対象になった場合は、県としての負担分の変更はあり得るわけですか。
○知事
 佐賀市の方は、今回総額で2億円を出していただくということで話がついておりますので、国庫補助が増える分だけ、県の負担額が減ることになります。
○毎日新聞
 佐賀城下再生百年構想を考えたときに、今回買収する土地は玄関口であり、重要ということなのですけれども、今回マンション問題があったから買収ということですが、そもそもマンション問題がなくても必要な場所ではなかったかと思うのですが、これまで買収せずに、今になって買収になったという、その説明をお願いしたいのですけど。
○知事
 一つは、もともと穴吹工務店が入札で買うということを決めて、そのこと自体は経済行為として全くまっとうな行為であるわけですね。規制的には、ここにはマンションが造れるわけです。それは、私もマンション以外の使い方が何かないのだろうかと思ったのは事実でありますけれども、それがその正当な手続を経て行われている以上、それがどうしてもだめだという理屈はなかなかないなというのが当初の印象でありました。
 しかしながら、先ほども申し上げましたように、こういう問題を二度と起こしてはいけない、つまりイタチごっこにならないようにするために、将来に向けて、もうこの地区ではこういう問題が二度と起きないんだということについて、住民の方がきちんと意思を明らかにされ、そのために合意形成していったということであれば、これはもう、いわばこの地域における最後の問題という整理をすることができるだろう、そう考えたわけでございます。
 そのように考えれば、この土地を使って「佐賀城下再生百年構想」に資するような、いろんな事業もまた考えられるのではないか、そういうことで今回購入を決定したということでございます。
○共同通信
 最後の問題ということですけれども、これまで県が買い取るということをしなかったのは、ここを買い取ってマンションを造るということを防いだとしても、他の所でまた同じようにマンションができるという可能性があったということですか。
○知事
 そのとおりです。ですから、今回は県が買いました。でも、また同じ地区の中のまた別の場所で同じような問題が起きるかもしれない、それは法律的に可能なわけであります。
○NHK
 この場所が、確かに重要な場所だということの認識はしているのですが、これが佐賀県の全体の同意を得られるかというのは、これはまた非常に難しい問題だと思いますが、その点についていかがですか。
○知事
 おっしゃるとおりですね。今回の決定をするに当たっては、県議会とも何度もお話をさせていただきました。また、今日こうして買おうとすることについては、全議員に対してお話をさせていただいております。
 しかしながら、やはり今ご指摘あったように、佐賀県全体の目から見たときにいかがなものかという厳しいご指摘をされる議員さんもおられました。ただ、数だけで申し上げれば、今回のこういう県の方針に対して、ご理解をされる議員の方がはるかに多かったというように認識をしております。
 ただ、県として、県民の税金を使って行う事業ということになりますので、全県的な目で見たときにどうなんだということについては、そういった点からのご指摘はもちろんあろうかと思います。私どもとしては、もちろんこれは佐賀市の問題でもありますけれども、それは佐賀県全体の、いわば顔の問題であるということもございますし、もちろん、これがほかの、例えば伊万里とか、唐津で起きたときに、県は一切手を出さないのかというと、それはそんなことではないんだよ、どういう地域で起きる問題であれ、県として、県を代表するような地域の問題ということであれば、それはやっぱり県が何らかの形で対応をしていく必要があると思っているところであります。
○共同通信
 この「佐賀城下再生百年構想」というのは、いつの段階でこの構想というのができたのですか。
○知事
 今回の予算の中でも入れておりまして、要は、佐賀城の周りの、佐賀城公園を含むところの区域を、これから時間をかけて、じっくり歴史的な町並みを再生していこうという構想でありまして、それを短期的なスパンで考えるのではなくて、百年かけてでもじっくり時間をかけて再生していくという気持ちを込めて「百年構想」という名前をつけております。
○共同通信
佐賀市の入札が行われる前の段階では、構想自体もなかったのですか。
○知事
 構想自体はございました。
○西日本新聞
 今回、市としても、県としても、民間業者も含んで、それぞれが何かそれなりの痛手を被るような形になったわけで、昨年4月の段階で、市から県の方に問題の用地が売却されていれば、こういう一種の混乱みたいなものは起きなかったと思うのですが。県として反省すべきところというのがもしあればお聞かせ願えますか。
○知事
 市と県との意思疎通という問題については、十分ではなかったと言わざるを得ないと思います。
 ただ、端的に申し上げれば、あの土地を売りたいと市が判断したのは、財政的に大変厳しくて、売却による収入を得たかったということがきっかけであったわけであります。仮に、当初からこれを佐賀城公園の一環として整備をするということになると、市から県に対しては、ほかの事業の例によれば無償貸し付けをするというのが常になっております。
 ですから、財政的に収入を得ようということでの売却ということをメインに考えたということであれば、その時点で県に相談して、ここを佐賀城公園の一角に使ってもらおうということを考えるということは、なかなか無かったというところなのかなと私は思っております。
 この場所については、かつて平成7年、8年ぐらいに、この場所をどうしようかということで、県と市との間でやりとりがございました。その時、県としては、活用はなかなか難しいという判断をいたしております。
 その後、平成11年頃、市の記録によれば、この場所を県の方で買ってもらえないだろうかというような相談をしに行こうと思うけれども、どうだろうかという伺文書が残っているということがございまして、その当時の市の職員の話によれば、佐賀土木事務所に行きましたというようなことをおっしゃっているようでございます。
 私どもも今回、そのことについて、当時佐賀土木事務所にいた職員全員に確認をしましたけれども、残念ながら覚えている人間はおりませんでした。このことをもって来られていないとは全く申し上げませんけれども、ただ、平成11年に市と県との間で仮にやりとりがあったかもしれませんけれども、その時以降、県と市との間で、この場所についてどうしようというような申し出がなかったということは、事実としてお互い確認しているところでございます。
○佐賀新聞
 いずれにしても、多額の税金を使うことになるのですけれども、知事として、そもそもこういうことになった原因というか、要因は何だとお考えでしょうか。
○知事
 原因はなぜかというところを考えると、確かにこの間、多くの方々にご心配もおかけし、また、多額の県税の投入というようなことをしなくてはいけないということにもなっているわけなのでありますけれども、こうなったこと自体が100%悪いことかと言われれば、私はそのようには思っておりません。こうした運動がきっかけになって、住民の方たちがあの地域の持つ価値というものに気づいていただいて、そして、規制もやむなしという受け入れをしていただいた、さらには寄附までしていただいている、このようなことというのは、確かに多くの代償を払ったものではありますけれども、私は、これは住民の、そして県民の運動の成果とも言えるのではないかと思います。
 繰り返しになりますが、当初から市が県に譲っておけばよかったのではないかというご指摘もそのとおりなのでありますけれども、それをやると、市は一円もキャッシュを入手することができないということになっていたわけであります。最初からそれを県の方に当然話をすべきだったという話もありますが、こちらの方からそれを言うのもなかなか難しかったというところがあるのではないかと思います。手間暇もかかりましたし、費用負担もお願いすることになりますので、そういう意味では、県民の皆様にある意味でのご迷惑をおかけするということになるわけでございますけれども、私は今回のこの決定というのは、そういうマイナスの部分を補って余りあるプラスのものがあるということで、今回取得という判断をしたというものでございます。
 ただ、そうは言うものの、もっと日常的にいろんな意見交換、情報交換をしておけば、もっとスムーズに事が運んでいたのではないかという反省はございます。
 今後はもっともっと、そういう点での意思疎通を密にしていきたいと考えているところでございます。

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