○記者
際立つ佐賀県の構想について、いろいろな内容の中で、知事が考えるこれが売りだというのは何がありますでしょうか。 ○知事 先々を見通したということだと思います。相当議論をしましたので、中身を変えたんですよ。最初の素案の段階から見たら相当中身が変わっています。最初はどこにでもあるような作文で、いわば魂がこもっていないようなものだったのですが、何遍議論したか忘れたぐらい、相当内部で議論を積み重ねていってブラッシュアップしたと思っています。 そういう中で、特に企業誘致などがポイントだと思うのですが、将来ビジョンで、例えば、平成37年を見越したときに、がん死亡率の低さなど、未来産業の種みたいなものを行っていこうということで議論しました。また、「テレポーター(物質転送機)」や「ユニバーサルマシーン(万物製造機)」や、「ソートプロジェクター(思念映像化装置)」、「カオスコントロールシステム(自然の制御システム)」など、今聞いただけでは何のことかさっぱりわからないような言葉が並んでいますが、要するに今は荒唐無稽のように見えていても、10年後、20年後となった時には比較的現実味を帯びてくるものがあるだろうということでずっと議論していまして、そうしたことを見据えて、その布石を打っていくということを念頭に置いてくれということを申し上げました。 さらには、そういう先端産業ばかりではなくて、我が国からどんどん無くなろうとしているものを逆に佐賀県に集積させることによって、際立つということもあり得るのではないかという議論もいたしました。 ですから、例えば、今回金型産業を佐賀県に誘致しようということを打ち出しているのですが、金型というのは、確かにハイテクの最先端産業ではありませんが、あらゆる製造業の基本となるもので、これがしっかりしていれば、製造業は我が国にまだ根づき続けるだろうと私たちは考えていまして、そうしたものを佐賀県にもっと根づかせるということを入れたというのは特徴的なのではないかと思っております。 ○朝日新聞 今回の構想の中で目に見えて徐々に成果が上がりそうなものというのは何か見えてきたのでしょうか。 ○知事 目に見えて何かここですぐ変わっていくということはないかもしれませんが、今回、予算で認めていただいています新産業集積エリアというものは、こうした構想を具現化していくに当たって、実際にどういうところで立地することが可能なのかということを調べて、場所があればこうしたところでやっていこうということです。場所がないとするならば、それを新しく整備しなくてはいけないということになっていくと思います。その意味では、新産業集積エリアというものを県内に何か所、どういった形で作っていくかというのが、この構想の具体化ということになっていくと思います。
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