記者会見

●質疑応答:佐賀市水道局跡地の取得について
○NHK
 知事にお伺いします。
 今日、あえて知事の方からこの会見を設定したというのは、何か意図はあるのでしょうか。
○知事
 この問題が本日で一応けじめを迎えるということで、この記者会見を設定させていただきました。この問題については、先般の県議会においても、私自身が何度もそれぞれの会派に足を運んでお願いをするという極めて大きな、一種の政治的な案件でありましたので、私の方からこういうことになったという結果を皆様方に御報告を申し上げたかったというところです。
○佐賀新聞
 県議会は、最終的に附帯決議という形をつけて可決したんですが、その中で、責任の所在を明確にする方法もあるかと思うのですけど、その点については今どういうお考えですか。
○知事
 もともとの発端はと言えば、市が穴吹工務店に売られたというところに端を発しているわけでありますので、そのことがなければこの問題は生じなかったわけで、それは佐賀市がまず売ったというところに責任があるということは、当然であろうかと思います。
 そのことについては、木下市長もこの土地についての気持ちについて、十分そういう理解をしていなかったところがあったという発言があったと思います。4月6日に地元の3自治会が市長に報告をした際に、「地元に事前にきちんと説明しておくべきだったと反省している。本丸歴史館ができて、住民の景観意識が変わることを見通しておくべきだった」、このように語っておられます。このことからしても、売った市にもちろん責任があるということだと思いますが、だから、市においてどうすべきだということではなく、売ったことに対して、市だけではなくて、県民共有の財産としてどう処理していくかということが今回求められていたと考えております。
 今回の契約に当たりましては、議会においてつけられた附帯決議に基づいて、県の方でも、先ほど申し上げましたように、県土づくり本部長が佐賀市の高取助役を訪ねております。その際、今回の経緯についてもう一度整理をした上で、今後二度とこのような問題が起きないように県と市の連携を深めていこうということでお話をさせていただいたところでありまして、それに対して助役からは「御迷惑をかけました。連携してやっていきたい。」というお返事があったと伺っております。
 これからは、県としても市と十分に連携を密にしてやっていかなければならないと考えています。
○西日本新聞
 知事ご自身の責任というのは、どのようにお考えですか。
○知事
 もちろん、市に責任があるように、私及び県当局としても、もう少しこうなる前に何かできなかったのかということについては、考えるところも多くございます。
 ただ、去年の秋ぐらいの時点において、県が買い取るという判断ができたか、また、2月の議会の時点でそのような判断ができたかというと、その時点においては、地元の方々が、今回のマンション問題をこの地区におけるマンション問題の最後にしたいという強い意向があるという段階までは至っていなかったのではないかと考えており、その意味では、その時点で県が買い取るという判断をすることは難しかったのではないかと考えております。
今回、県が買い取るという提案をしたこの時期になったのは、2月、3月以降に地元としての地区計画への同意といった動きがあってからのことであると考えておりまして、その意味では、こういう結論、決着の仕方になったということはある意味やむを得ないのではないかと思っているところでありまして、別のやり方ができたかと言われたら、そこはなかなか難しかったのではないかと考えております。
○読売新聞
 佐賀市でこの問題が9月に出て以降、知事のところに市長が行かれたのが今年の4月ですが、それまでの市の動き自体が鈍かったとか、県として動きが取りにくかったなど、そういったところはなかったでしょうか。
○知事
 市としては、まずは秋に市長が私のところに尋ねてきています。その際話をしたときには、まだこの城内地区全体についての地区計画の話が、住民の方々の同意を得るに至っていないという段階でございまして、いわば法律的にクリアしているものを、このことに限ってだめだということがなかなか難しいという話を当時した記憶がございます。
 私も「あの場所にマンションは似つかわしくない」ということを申し上げながらも、だからといって、いわば正当な行為でありますので、違法でない経済行為について、それをだめだととめるということは大変難しいという話をしておりました。
 そのときから、市の方としても、周りの地区を含めて一定の制限を受け入れるということであれば可能性があるということは示唆していたように記憶をしておりますので、その意味では、ある程度期間の熟成を待たざるを得なかったということは仕方ない部分もあるのかなとは思っております。
○日経新聞
 城内地区の住民の方以外に、県民もかなり注目されていると思うのですけれども、佐賀市と県の間で城内地区について百年構想というのがありますけれども、今回のことをきっかけにもっとそれを具体的に進めるような組織などをつくるなど、その辺のお考えというのはどうでしょうか。
○知事
 「佐賀城下再生百年構想」をこれから進めていきますので、それを具体的にどう進めようかという話自体を佐賀市の当局とは始めていたところでした。せっかくの機会でありましたので、これをいいように生かしていくために、きちんとしたテーブルを作って、何かあるごとに、ある一定の枠組みで県として話ができていくような、そういった提案を市に対してもこれからしていきたいと思います。
○日経新聞
 年内に組織を立ち上げるなど、具体的なことは決まっていますか。
○知事
 いつまでにということはありませんが、年末までかからずに、なるべく早くやりたいと思います。秋口ぐらいまでにはそういうテーブルを作っていきたいと考えています。
○佐賀新聞
 基本的には城内整備について話し合うということですか。それとも、ほかの問題も含めてなのですか。
○知事
 基本的には城内整備のことについてです。
○佐賀新聞
 水道局跡地の今後なのですけど、物産館などがこの間の県議会で出ていたと思うんですけど、その後、具体的に何か少し固まっていますか。
○知事
 いや、現時点でその後固まったということはありませんけれども、物産館の話もありましたし、そのほか、いろんな形であそこに古民家を移築したらどうだとかという話もございますし、歩いて楽しんでもらうのにふさわしい建物群といいましょうか、そういう風景を持った地域にしていくための提案をいろんな形でお聞きしてみたいと思います。そういう作業もまたこれからやっていきたいと思います。
○佐賀新聞
 県民の意見を聞くということですか。
○知事
 そうですね。
○佐賀新聞
 これも議会で出ていたのですが、例えば、唐津とか伊万里とかで同様の問題が起きた場合、今後、県としてどのような内容を決めるのかという、何らかのガイドラインのようなものを策定されるという考えはありますか。
○知事
 他のまちで起きたときについては、これと全く同じ問題が起きないようにするというのが行政としては一番必要なことであろうと思います。
 例えば、県議会の答弁で、例えば、大川内山で同じような問題があったらどうするかという質問があったわけでありますけれども、こういったことが起きないように、例えば、伊万里市では現在景観条例を作って、あそこの風景にそぐわない建物ができないようにしようという運動をしておられます。
 私たちとしては、まずは大事にしなくてはいけない地区には、そこにふさわしくない建物ができないような、そういう取り組みを各地でしていただくようなことをまず進めていきたいと思います。何かが起きてからそれに対応していくというのではなくて、何かが起きないように理解を求めていくということを、まず各地域にいろんな形で情報提供をしていきたいと思っています。

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