記者会見

●質疑応答:県快適まちづくり推進実行委員会会計からの着服事件に関連した食糧費等問題への対応について
○時事通信
 昨日発表があったこと、例の職員の不祥事に絡んでの話なんですが、いわゆる裏金工作というのが出まして、当県では、今年の3月まで食糧費のいろんな調査がされたというふうに理解しています。にもかかわらず、調査期間中に、この通帳の存在を知っている職員が3人いて、全く県に対して申告がなかったということですが、昨日の会見では、そうした意識がなかった、意識が行かなかったという回答があったんですけど、これに対して知事はどういうふうに受けとめられますか。
○知事
 もう理由にならないと思っています。
○時事通信
 これは明らかに組織ぐるみで隠ぺいしたと言わざるを得ないんですけど、知事もそういう認識でしょうか。
○知事
 まあ、隠ぺいしたかどうかはわからないにしても、不正、要するにきちんとしていない経理したものを、ちゃんと全部出せということを言ってやっていたわけです。確かに、調査要領というのを見ると、こうした通帳を全部出せというようには書いてはいないので、それは確かに書いていないと言えば書いていないかもしれません。だけども、当時何をやっていたかということを考えてほしいと思うのですよね。
 それは、食糧費だけでなく旅費も含めてでありましたけれども、かつて不明瞭、不適切な経理をしていたということに反省をして、今後、こういうことは二度とあってはいけないので、あえて過去のことにはもう目をつぶるから、この際、きちんと真実を出してくれということをあれほど強く求めていたにもかかわらず、調査の対象になっていなかったようだということで出ていなかったというのは、私もそのような説明を聞きましたけれども、私は正直言って、それは説明としてなっていないと思っています。
 ですから、今回、それを報告義務違反ということで処分に科しているわけでありますけれども、それは対象になっていなかったからとは考えていないということであります。
○共同通信
 昨年の食糧費の調査の際に、一番最初に知事が全職員に対して、その調査への協力ということで指示を出していたと思うのですけど、知事命での指示に従っていなかったということについてはどうお考えですか。
○知事
 それは非常に問題だと思います。あえてああいう形をとったということ自体、異例のことなんですね。さらに異例のことということで、繰り返しになりますけれども、過去、慣例的にやっていたやり方については、誰がやっていたとかという特定をすることなしに、それはそれで組織として謝ろうということで、きちんと出してくれということを相当強く言いました。さらには、皆さんお忙しい中、この食糧費の委員会の委員になっていただいた方には相当大変な作業をお願いして、仕分けの作業をやっていただいていたわけであります。それにもかかわらず、こうしたことになってしまったということは、県民の方はもちろんのこと、あれだけの膨大な時間を割いて、この食糧費の問題について整理をしていただいた委員会の委員の皆様に対しても、誠に申し訳ないと思っています。
 私自身が指示したことがこういう形で伝わらなかったということは、誠に残念であります。
○佐賀新聞
 昨日の会見の中で、経営支援本部長の方から再度調査を行ったということで、もうこれ以上は調査をやる考えはない旨の発言があったんですが、個別具体的には言えないのですが、情報の中にまだ隠されている通帳があるという話もあるんですが、前回もわざわざ業務命令までかけていたのが出てこずに、今回新たに1件、プラス2件出てきたということを踏まえて、もう一度再調査とか、あるいは再確認調査をやるお考えというのはございますでしょうか。
○知事
 今回の件が出てきた時に、その再調査をもう一遍かけたと私は考えています。その結果、2件新しく出てきたと思っていまして、もう幾ら何でも無いのではないかなと思っています。
 仮にこの後に何か出てくるようなことがあれば、もうそのときには、とにかく有無を言わさず、親睦会の通帳であろうが何であろうが、とにかく通帳という名のつくものを全部出していただいて、これがいかなるものなのかということの説明をしていただくということをしていただかない限りは、もう信頼を取り戻すことはできなくなるのではないかなと思っています。
 今の段階では、退職した職員に係る不祥事が明らかになった時点で、さらにこういったものがないかということを調査した結果、2件出てきたということでありますので、これをもって今の段階では県庁にあるおかしな通帳はもうすべて出てきていると認識をしています。
○佐賀新聞
 改めて、例えば、具体的な情報があった場合は調査をされますか。
○知事
 やります。それはさせていただきます。
 もし何か具体的なお話、特定されていなくても、こういったところにあったのではないかということでも結構ですので、そういう情報があれば教えていただきたいと思います。
○佐賀新聞
 それを職員に募るということはされますか。
○知事
 もちろん、県民に対して呼びかけるというのは、職員に対しても呼びかけるということでもありますので、それは私の方から呼びかけます。職員に対しても呼びかけたいと思います。
○時事通信
 これも昨日の会見で話があったんですが、関係されている書類が廃棄されたということがあって、廃棄したのは事実であり、ただ、隠ぺい、つまり悪意を持って処理したわけではないという説明があったのですが、かかわった職員の方が13人いらして、皆さんで年末に廃棄処分したというのですけれども、この期間というのは、いわゆる食糧費の、まさに調査の真っただ中の期間中であって、中身も確認されて捨てているわけです。いわゆる食糧費、旅費の問題に関係する書類ではないかと13人の職員の方がだれ一人として疑わなかったというのは、職員意識の問題として非常に私はゆゆしき問題だと思うのですが、今回の件を踏まえて職員倫理の再確立とか、職員の綱紀粛正、これに対して具体的に知事はどういうようにお考えなのか、教えてください。
○知事
 年末に捨てたという話は、私も最初に聞いたときには「おやっ?」という感じを持ちました。その後、職員から説明を聞き、再度退職した職員の方から別の言い方があったので、そこはどうなんだということを職員課に再度確認をさせています。つまりは、まずは捨てたという職員から話を聞き、その後に退職した職員の方から「あれは隠ぺいだったんだ」という話があったので、本当にそうなのかということで聞いたところ、違うというお話だったので、もう一遍退職した職員に、こんなふうに言っているけれども、どうなんだということを聞き直させました。そのときにも、退職した職員は「それはそうだ」ということは認めていますので、書類を隠ぺいするために捨てろという指示をだれもしたわけではなく、とにかくスペースを確保するために不必要と思われた書類を捨てたということは事実だろうと思います。ただ、そこに旅費だとか、そういったものを捨てたという行為がどうだったのかということは、今となってみれば、やや疑問に思う部分もないわけではありません。しかし、隠すために捨てたというのだとしたら、ちょっとその行為自体が非常におざなりというか、隠すんだったらもうちょっと隠したでありましょうし、そういう口裏合わせをしたという事実はないと思っておりますので、そこのところは、悪質なものではなかったんだろうと私も思っています。疑いは持ちましたけれども、そこは現時点では違うだろうと思っています。
 繰り返しになりますが、これだけ厳しいことを全庁で反省もしていろいろやっている中で起きたことでありますので、あれこれ言いわけをするのではなくて、もう一遍、再度、こういったことがこういう中で起きてしまった事柄について、職員全体でもう一度しっかりと見つめ直すということは必要であると思います。そういう職員への呼びかけなどについては私の方からなるべく早くしたいと考えています。
○時事通信
 例えば、綱紀粛正に関する内規を新たにつくるとか、職員倫理の確立について何か考えがあるとか、そういうことはないですか。
○知事
 大変残念なのですけれども、そういう問題でもないような気もしているのです。
 職員倫理で、何かこういうことをしてはいけないとか、ああいうことをすべきだとかということを仮に決めてどうなるものかというと、もちろん、そういったことをしないということではないのですけれども、私は大多数の職員はこういったことをきちんと受けとめてくれている職員だろうと思っています。けれども、1人でも2人でもそうでない人がいる、しかも、それを知っていて見逃していた人がいるということが、どれだけ組織にとって大きなダメージを与えるのかということを再度一人一人、一人残らず認識をしていただきたいと思うのです。そうした認識していただけるような工夫は自分で何か考えたいと思います。
○日経新聞
 県政の一つの根幹のところの、信頼という部分だと思いますので、それはこれから先に、県民への謝罪という形が妥当なのかどうかは別にしても、何らかの意思表明をきちんとされるべきですよね。それを9月や10月に行うことについて、どうお考えですか。
○知事
 そういったことを含めて、けじめのつけ方などについてこれから考えていきたいと思います。なるべく早くきちんと整理をして発表したいと思います。
○FM佐賀
 昨日の会見もそうなんですけど、不祥事の会見をされるときに、こちらの方から聞かなければ答えないという姿勢はよくないと思うんです。いいかげんにこれはやめた方がいいのではないですか。聞かないと情報を出さない、古川知事がどうおっしゃっているかわかりませんけれども、聞かれなくてもどんどん情報は出して、資料もちゃんと整えて、そうしないとわからないと思うんですよ。そういった姿勢をいいかげんにやめるべきだと思うんです。
○知事
 例えば、どういうことでしょうか。
○FM佐賀
 資料にはほとんど、大体簡単なことしか書いてなくて、その説明もわからないのです。聞かないとわからない。県民の立場になって普通に考えると、こういったことが気になるとか大体わかると思うんです。それなのに、それを全くしようとしないというのは問題だと思うのですよ。ですから、やっぱり危機管理のプロ、県民の立場に立ってきちんと広報する人を民間から雇うなどされた方がいいのではないですか。
○知事
 不祥事に限らずですけれども、そういう資料のつくり方については改めたいと思います。何を聞かれるかわかっていることについて、あらかじめきちんと書いておけば間違うこともないでしょうし、そういう十分な情報提供をするという観点から、プレスリリースの資料なり説明の仕方というものを考え直すということを早急に取り組みます。
○佐賀新聞
 また関連で申しわけないんですけど、情報提供の中身について、下の人が通帳とかそういう不祥事に関して提供しようとする場合に、上司が握りつぶしてしまうという話もあるんですね。今回もまた情報提供を呼びかけるということで、内部通報制度もできてはいるのですが、情報が提供しやすいような工夫というものもうひとつ考えていただきたいと思います。
○知事
 そうですね。内部通報制度が始まっていますし、それ以外でも私のところに届けられる、例えば、メールでありますとか、手紙でありますとか、そういったものの一定のものは、県庁内部に関するものというものもありますし、そういったものが握りつぶされないように、きちんと私のところに届くような、そういう仕組みと呼びかけをしていきたいと思います。
○時事通信
 先ほど知事はけじめのつけ方を考えたいとおっしゃいましたけれども、県政の総覧者として、目に見える形で具体的に何か責任をお示しになるというように理解してよろしいのでしょうか。
○知事
 私が責任をとるというと減給しかないわけでありますけれども、減給するかどうかということはいろいろ考えてみなくてはいけないと思います。
 リーダーシップ不足ということになっていくのか、目に見える形といっても私が髪切ってもしょうがない話だとは思いますけれども、今後、再発防止に向けてどのようにしていくかという、まさにそこのけじめのつけ方だというように私自身は思っています。そういったものであまりきちんとしたものが出せなければ、何か考えなくてはいけないかもしれませんけれども、まずはそういう再発防止をきちんとしていくというところでのけじめをつけていきたいと考えています。
○時事通信
 特に減給など、そういった形での責任のとり方というのは、今のところは考えていらっしゃらないのですか。
○知事
 今のところは考えておりません。

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