記者会見

●質疑応答:郵政民営化に係る衆議院解散、総選挙について
○佐賀新聞
 知事が海外に行っておられる間に解散総選挙となったのですけれど、今回の解散のあり方というものを知事ご自身はどのように受けとめておられますか。
○知事
 私自身は、それは、あるべき姿としておかしいものではなかったのではないかと思っています。というのは、賛否は別にしましても、郵政を民営化するということ自体は政権公約に書かれていたと私は認識しています。書き方が非常に微妙で、きちんと民営化するとは書いていなかったという言い方もありますけれども、自民党の公約として郵政民営化するということを政権公約、マニフェストとして掲げて政権をとっている以上、それができないということになったときに国民に真意を問うということは、それは私は理解できると思っています。
○朝日新聞
 郵政法案に対するお考えはいかがですか。
○知事
 何で民営化しなくてはいけないのかということの説明が十分でないと思っています。
 この法案そのものは、自治体の業務と直接関係ありませんので、私が軽々に賛否を言うべきではないと思いますけれども、私は地方分権改革と同じだと思っているんですけれども、例えば、民営化したらどのようにいいことがあるのか、具体的にどのように変わるのということがよく見えません。
 郵政民営化が東京の方では非常に大きなテーマになっているにもかかわらず、県政に向けて、または私に向けて、賛成とか反対とかというものが1通も届けられていないのです。というように、国政における熱い議論と、全国、特に地方における冷めた部分というのが非常に対照的なのではないかと思っています。
 それと、東京の方では、特に資金がむだな方に流れているという特殊法人改革の議論が主になされているのに対して、地方では、自分の島にある郵便局は存続するのだろうかという郵便局の議論なのですね。これも大きく東京と地方では違っていまして、そういういろんな意味での差を感じていまして、説明が十分ではなかったのだろうと思っています。
 さらに言えば、例えば、佐賀中央郵便局もそうですけれども、各地にある中央郵便局というのは非常にいい場所にあって、割と低層のものが多いのです。4階建てや5階建てなど、周りの建物を見ると10階建て、20階建てが当たり前になっているのに、そういう低層の利用しかできないというのはなぜかというと、今の郵政公社や、かつて国の機関だったときには、そういう形で高いビルを造ってほかに賃貸するようなことが法律上できなかったからなんですね。そういったものが民営化したら大いにできるようになって収益も生むことになるということだとか、民営化したら具体的に何が変わるのかということをもっと民営化推進論者の方は言われるべきではなかったのかと思っています。
○日経新聞
 未来予想図とも絡んでくるんですけれども、いわゆる三位一体改革はやっぱり小泉改革であることは間違いないわけで、今回の投開票の結果によっては民主党政権もあり得るので、そうすると、三位一体改革自体がどうなっていくのかわかりませんが、知事がずっと主張されてこられた、いわゆる改革の行方が本当にどうなっていくのか、どのようにお考えですか。
○知事
 そこを非常に心配しています。ですから、どういう政権の枠組み、または首班がどうなっていくかということにかかわらず、内政上の大きな課題として、この地方分権改革に積極的に取り組んでいただくということをこの総選挙を通じて実現しなくてはいけないだろうと思っています。
 小泉内閣というのは、郵政の民営化に見られるようにと言うべきかどうかわかりませんが、一般的には効率の重視とか、都市重視とか、そういったことがよく言われているわけなのでありますけれども、その中で、バランスをとった改革がこの三位一体の改革で、いわゆる地方部に目を向けた、焦点を当てた改革だったと思っているのですね。
 だから、小泉内閣そのものが、日本全土を視野に入れていろんなことを押し進めてきたというためには、三位一体改革の成就なくして、小泉政権があらゆるところに目配りをした政権だったということにはならないと思っているぐらい、私は意味のある改革だと思っているのです。
 ですから、今後どのような成り行きになっていこうとも、いろんな機会に、いろんな方々に地方分権改革を政策として大きく取り上げていただくような、そういうアプローチを、私一人では仕様がありませんので、全国知事会や地方六団体と一緒になってやっていくという取り組みが必要であろうと考えています。
○朝日新聞
 急な選挙なんですけれども、選挙管理委員会事務局にどのような指示を与えていますか。
○知事
 選挙管理委員会事務局は、私の指揮下にございませんので、それはいつものように公正にきちんと事務をしていただくことを望むだけであります。
 特に、市町村が大変だと思うのですよね。急なことなので、人の手配と場所の手配が非常に大変だと思うのですけれども、全きを期していただきたいと思っています。

記者会見トップへ 平成17年8月11日記事トップへ

トップページへ

Copyright 2004 Saga Prefecture. All rights reserved.
このサイト内の文章や画像を無断転載することを禁じます。