記者会見

●質疑応答:九州新幹線長崎ルート建設に関するJR九州長崎本線存続期成会からの回答書の提出について(1)
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○西日本新聞
 まず最初に、今日は期成会としての結論が出されたわけなんですけど、それについての感想からお願いします。
○知事
 ある程度の予測はついていたこととはいえ、大変残念でした。
 これまで随分忙しい日程の中で協議をしていただいたということについては感謝をしております。ただ、時間的なこともあったし、内容的な踏み込みが足りなかったということもあったのだと思いますが、今日の時点では経営分離に同意することはできないということで、また、地元の方とは新たな協議をさせていただきたいと考えています。
○佐賀新聞
 同じ質問を桑原市長にもしたんですが、県が推進したいという立場と、期成会側の並行在来線を守りたいという立場は、去年の12月と全く変わっていないんですけれども、8月末という結論が過ぎて、以前と今とで何が一番変わりましたか。
○知事
 まずは、費用対効果ですとか、収支だとか、そういうそもそもの議論というものについては、評価はいろいろでしょうけれども、まずは同じテーブルで、同じ数字を見て議論ができていること。ここは大きな違いだと思います。
 さらに言えば、こんなふうに推進する側と並行在来線側がテーブルに着いて、国から数字を得て議論するなんていうのは、我が国の新幹線の整備史上、初めてのことなんですよね。こういう大きなプロジェクトをやっていくときに、そうやって議論がなされるようになったということ自体は、私は非常に大きな意味があったのではないかと思っています。残念ながら、まだ話はついていませんので、私たちからしたら「よかった、よかった」とはなりませんけれども、まずはこうしてテーブルを挟んで議論をしたということの意味は非常に大きかったと思いますし、その過程の中で、新しいクリアすべき問題点であるとか、運行案であるとか、地域振興策を提案できたのも大きかったと思います。
○西日本新聞
 今後新たな協議をさせてもらいたいということなんですが、知事が考えていらっしゃる協議のスタイルと、協議するテーマ、これはどういうものとお考えですか。
○知事
 私が希望していたのは、今回の確認書に基づく協議は本日をもって終わりということになるんだろうと考えていまして、新しい協議が始まるんだと思っています。
 ただ、協議を始めるに当たっては、これまでの確認書を生かすということが議論になったということでありまして、この点について先ほどやりとりがありまして、私ども今確認をしました。この点については、桑原会長がおっしゃっていることが正しいと思います。
 確かに、何遍か議論になっているのですけれども、一度明確に、引き続き協議を行っていくときには、この確認書が生きるんですかという桑原市長の問いかけに対して、副知事が「はい」と答えているというのは事実としてありますので、先ほどはそのことがよくわからないという前提で申し上げましたけれども、これは県として公の席で発言をしたと認識をさせていただきますので、この確認書に沿った形で今後新たな協議を始めていくということが基本になります。
 ただ、これは私どもからの提案、お願いという話になっていきますが、局面が随分変わってきていると私は思っています。例えば、地域振興策だとか運行案については、その市、町によって随分置かれている状況や問題意識が違うと思っておりますので、そうしたことについて、すべて期成会の場でというのではなくて、個別にやりとりをすることをぜひお認めいただきたいと思います。
 いや、そればかり行われると困るということであれば、妥協点で、ある一定の条件のもとということであっても結構だと思うので、その具体的な協議の仕方については、また明日以降、期成会の方とやりとりをさせていただければと考えているところであります。
 テーマについては、地域振興策と運行案、この二つが大きなテーマになっていくと考えています。
○西日本新聞
 これは新たな地域振興策ととらえていいわけですか。
○知事
 新しいものが何か出てくるというよりは、まずは新たな協議ですので、これまで出したものが一遍白紙になっていますので、もう一遍それをどういう形で出し直すかということがあるんだと思います。運行案についてもそうだと思いますし、太良については地域振興策が足りないというのも、私どもも認識をしているんですけれども、今まで個別のお話が全然できなかったものですから、太良町でどういったことを非常に重く思っておられて、どういったことをやってほしいのかという意見交換があんまりできていないのですね。
 だから、そういった意見交換をさせていただく中で、地域振興策というものもまたまとめて出し直すということになるのかなと考えています。
○共同通信
期成会の方では、地域振興策についてはやはり期成会を通してということを考えているんですけれども、知事はその辺はどういうふうにお考えですか。
○知事
 確認書が生きているという前提に立てば、それを全く無視してやっていくということは、信頼関係の問題もあって難しいかもしれないなと思っています。
 ただ、協議を再開したときには、ああいうやり方で私たちも了解したわけですけれども、これから、さっきも言ったように個別の地域の話が随分出てくるときに、すべてを期成会にということは、ちょっとどうかなと思っていまして、ただ、そこのところは我々からの申し入れ、ないしお願いの話になっていくのかなと思っていますけれども、そればかりするという気持ちはないので、期成会は期成会として尊重をしていきながらも、それ以外の経路も全く否定をするということでなく、できれば認めていただきたいと思っています。
○佐賀新聞
 期成会側は、協議再開の大前提として、もちろん確認事項もありますけれども、JRによる運行の現状維持というのが前提だということを主張されているんですけれども、まず、この辺の入り口論のところで、多分立ち往生状態になるのかなと思うんですけど、その辺はどのようにして論議していこうと思われていますか。
○知事
 そこは、期成会側とまず話をしてみなくてはいけないと思います。どういうことでおっしゃっているのか。新たな前提条件だとすると、私どももまだそれは聞いていませんので。ただ、期成会そのものがJR長崎本線による運行の維持・存続が目標ですから、目標が前提となっているということかもしれませんし、我々もJR九州ができる限り主体的に今の路線を運行していただくことというのを、我々としても望んでいることは事実でありますので、それが大きく違うということはないのかなと思っていますけれども、いずれにしても、きちんと話をしてみたいと思います。
○佐賀新聞
 あと、太良町長はJRが前面に出てきてほしいと、協議の場に出てきてほしいという発言がありましたけど、県としては今回、次のステップの協議によって、JRを前面に出す、一緒にテーブルに着くということは考えていますか。
○知事
 それもJRに申し入れたいと思います。
○毎日新聞
 先ほど個別協議を認めていただきたいとおっしゃっていたことについては、これは住民説明会についても、今後、個別の形で行われるのでしょうか。
○知事
 住民説明会自体は今までも期成会と一緒にやってきて、あんまり違和感がなかったんですけれども、むしろ、例えば、議長さんだとか、首長さんだとか、そういった期成会の構成メンバーの方々との個別のやりとりをしないでほしいと会長さんはおっしゃっていたと。私どもは、そういったこともこれからはさせていただきたいというお話で、そこがポイントかなと思います。
 ちなみに、先ほど会長は、期成会のメンバーは3首長だけで、議長は入っていないような言い方をされたようにも思いましたけれども、これは事実として申し上げれば、JR長崎本線存続期成会の会則の第5条に「期成会の会員」という規定がありますが、前条の──つまり、「鹿島、江北、太良の自治体の首長及び議長をもって構成する」とありますので、議長さんを含めてメンバーであると私たちは認識をしております。
○西日本新聞
 新たな協議に入った場合、いつごろに結論を出すのか、県はどの辺に設定されていますか。
○知事
 「as soon as possible(できる限り早く)」ということだと思いますが、まだ始めてもいないのに決断するのは大変ですけれども、最終的なリミットが12月の予算編成だということは、もう間違いないんですが、いきなり予算編成まで引っ張っていくんじゃなくて、もうちょっとその手前に整理がついていないと、予算の整理もつかないという状況になるかと思いますので、私どもとしては、一日も早く協議を再開して、一日も早く理解が得られるように努力をすると。現時点ではこういうことしかないかなと思っています。
○西日本新聞
 ただ、最終局面は予算編成になるというのは認識されているわけですね。
○知事
 ただ、そこに至るまで、今と全く同じ状態でいけるかどうかということもあるんだと思うんですね。だから、全くこれと同じ状態で動かないというのではなくて、やっぱりいろいろ協議を進めていく中で、新しい提案だとか理解が進むとか、そういったことがあるように努力をしたいということであります。
○毎日新聞
 国土交通省は、事務的には10月末ぐらいに結論を出してほしいと言っているみたいですけれども、そうすると、あと2カ月ほどしか時間がないということで、これから協議のペースというのが問題になるかと思うんですが、県としてはどれぐらいのペースでやっていきたいと思いますか。
○知事
 これはもう「as often as possible(できる限り頻繁に)」ということで、できるだけ頻繁にということに尽きると思います。
 そういう頻繁に協議をやっていき、しかも、事柄が一個別の町のことになると、そのためだけに日程調整をしていると非常にしにくいということがあるものですから、できれば個別の町と協議をしていく方が日程調整もスムーズにいくのではないかと思っているところもあるわけなんですが、そこはもう話し合いでありますので、できるだけ頻繁にと思っています。

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