記者会見

●質疑応答:裏金通帳に関する調査の実施及び再発防止策について
○佐賀新聞
 いわゆる裏口座のことなんですが、先月の定例会見では、もう十分調査したから、これ以上の調査はないと。で、今月はまた改めてということですが、その整合性は。ここにも書いてあるんですが、その具体的な指摘があったのかという点と、前回の全庁調査と、今回の全庁調査のやり方の違い。それと時期をいつごろまでにやって、結果を報告するのか、3点お願いします。
○知事
 まず、前月と今月の違いですが、我々は今回の建築住宅課の一件で、こうしたものがあれば出してほしいということを事務的に行っていたんですね。それで、また社会教育課からも出てきましたし、建築住宅課からもまた出てきたんで、何にも出てきてなければ、これはまだあるのではないかなと思ったかもしれませんけれども、こうやって出てきたものですから、これで出てきているという判断を、先月の段階ではいたしました。そして、そのことをこの場で公表させていただきました。
 ところが、その公表を受けて、いろんな反応がありました。それは、個別具体の、この課のどこというのはありませんけれども、かつて県庁に勤めていたと思われるような方から、「いや、もっとあるはずだから、きちんと調べるべきである」という投書が来たりとか、私あてにもそういう内容のメールが来たりだとか、あまりきちんとあの場で言い切ってしまって本当に大丈夫かということで、改めてトップがきちんとけじめをつけるんだ、けりをつけるんだということを表に出して、そして、この際すべて洗い出しをするということを強く職員に指示をすべきではないかという意見があちこちからありました。
 そうしたことで、私は、ただ単に調べますというだけではなくて、今後こうしたことが起きないようにするには、では、どういう防止策を講じるのかということとセットにすることにしました。それで、この防止策を講じていくための通帳台帳の整備といったものと併せて、とにかく職員の机の中にある、引き出しの中にある通帳を全部一度所属長のところに、まず何も考えないでいいから、とにかく出してくれというところから始めたいと思ったのであります。
 これまでの調査は、どちらかと言えば要件を決めて、こういう要件に該当する通帳はありますかや、こういう要件に該当するようなお金がありますかということで、まずはそういう条件に該当するかどうかというところから始まっていたんですね。今回はそうではなくて、まずは持っている通帳、とにかく机の中にあるもの、ロッカーで見つけたものを全部出してくれというところから始めたいと思っているんです。
 そういう中で、これはなんだろうねというものもあると思うんですね、もう全然使われていないようなものとか。そういったのも含めて、この際整理をしていきたいと思っていまして、もちろん職員個人が旅費なんかを受け入れる通帳なんかもありましょうけれども、そういったものは別にしてというか、そういったものはこれはそうだねと言ってきちんと整理をすればいい話でありまして、それ以外の何らかの形で職員同士が引き継ぐような、そういう公的な通帳というものは、この際すべて、そういう例外を設けずに、とにかく、まず一度所属長の前にさらけ出すということによって明らかにしたいと思っております。
 先月もお願いをいたしましたが、もしこの会見場にいらっしゃる皆様の中にも、また、いろんな形でこの会見をご覧の皆様の中にも、何か具体的に御存じのことがありましたら、それはぜひ教えていただきたいと思います。そうすることによって、いつまでもあるのではないか、あるのではないかという問題にどこかでけりをつけないと、職員自身も安心して誇りを持って仕事ができないということになりますので、今回、最終的な答えを職員からいただきたいと思います。その後に何かが出てくれば、それは相当の覚悟で我々も臨まないといけないことだと考えています。
 期間については、大体、全庁的にやりますし、通帳の整備もやりますので、1カ月ぐらいと考えていまして、その間に再発防止策とあわせて結果を公表するようにしていきたいと考えております。
○NHK
 情報が寄せられたものについては、もう既に調査とかされたんですか。
○知事
 いや、具体的にこの課のものという言い方はなくて、いや、まだあるはずだとか、自分が職員の頃にはそういったものもあったなど、そのようなお話なものですから、ちょっと何本部の何課にこういったものがあるはずだとかという具体的なお話までは至っていないのです。
○NHK
 ただ、そういった情報から調べないと、恐らくいずれまた、そういった情報が出た時点で隠れる可能性というのは、全く捨てきれないと思うですが。
○知事
 来ているものできちんと住所が書いてあるものについては、また、返信してそういったさらに詳しい情報の提供を求めたりしていますし、ただ、匿名で来られたりしているものもあるものですから、それはなかなかつかみにくいということもあります。
 ただ、そのほかにも本当に県がしっかりやる気があれば、いろんな情報提供をしたいという方も別途いらっしゃるとも伺っていますので、そうした方からきちんと、いわば裏をとるようなお話を伺って、こちらの方が出してきたものとの突合をやっていくことによって、こちらもこちらで情報があるんだということを職員の方にも伝えていかないといけないという場面もあるかもしれません。
○西日本新聞
 そうすると、結果的に県庁にある全部の通帳を調べるということになるんですか。
○知事
 結果的に県庁の中にある全部の通帳をとにかく所属長が見ます。
○日経新聞
 県民債の発行も県の信用ですよね。裏金通帳の問題も信用ですよね。一方では、うちは信用力が高いんですと。だから、借金も利率低くできますよと言っておきながら、一方では、まだ裏金通帳問題がある。だから、さっき1カ月とおっしゃったんですけれども、少なくともこれは募集までに一応の形を県民にわかるようにやっぱりするべきではないかと思います。それから発行しても、手順としておかしくはないのではないかと思うんですが。
○知事
 まあ、それは確かに一つの考え方だと思いますね。もちろん、県政は、こういう通帳の問題だけではなく、さまざまな場面で常に信用、信頼というものを問われています。我々がこうやって問題があることを明らかにして、そして、いろんな御意見を踏まえながら、全庁的に、もう最終的な調査をやっていくんだということ自体も、こういう通帳があったということ自体は、大きく県民の信頼を損ねていますけれども、そのことを明らかにした上で、再発防止策を講じるということ自体は、私は県民の方から見たら、ちゃんと反省をして、まじめに取り組んでいるということを評価いただける一つの材料でもあると考えております。
 この一月というのは、今日からぴったり一月ということではございませんので、9月28日発行ということも頭に置きながら、その日の前にできるだけまとめられるように努力をしていきたいと考えます。
○佐賀新聞
 この再発防止で、ちょっと改めて思ったんですが、コピー費の問題が出たのは、たしか97年ぐらいで、今回ずっと一連の食糧費の調査もやってこられて、なぜ当時というか、当時は知事はいらっしゃらなかったんですけれども、就任後も含めて、ずっと担当者レベルでそういう通帳を保管し、あるいは引き継いできたという事実がありながら、なぜもうちょっと早く課長とか、あるいは別の人、所属長が保管するというシステムに変えられなかったのかなと思ったんですが、その点はどうでしょうか。
○知事
 正直ですね、それはもう無いと思っていたんですね。まず一つは、コピー費問題のときに、随分いろいろ不適正な経理の仕方が問題になりました。その後、この食糧費の調査委員会が入ったときも、相当厳しくいろんなもので経理、庶務的なチェックをいたしました。これだけのことをやっているので、さすがにもうそういったものはないだろうと考えていたというのが正直なところでした。
○時事通信
 先ほど知事は、次出てくれば相当な覚悟とおっしゃったんですけど、具体的にどういう意味なんですか。
○知事
 もう言いわけがつかないよねと。例えば、前回のときには、いわゆる、食糧費の調査のときには、その食糧費の調査のことで頭がいっぱいで、こういう通帳の存在というところにまで思いが至らなかったと、そのような答えをしているわけですね。今回は、とにかく理由を問わずに、庁内にあるあらゆる通帳を全部出せと言っているわけですから、理屈抜きなんですね。ただ、理屈抜きで出せと言っているのに出さなかったというのは、それはもう理由がないということだと思っていますので、それは明らかに故意に事実を隠蔽しようとした行為としか思えないということになるということであります。
○時事通信
 となると、例えば、懲戒免職とか、かなり厳しい処分で臨むと。
○知事
 それはかなり厳しい処分で臨まざるを得ないことになりますので、そうならないようにしてほしいと思っております。
○時事通信
 その場合の知事御自身の責任というのもかなり厳しいものになるのでしょうか。
○知事
 私がリーダーシップをとってやっているわけで、その結果がきちんとしたものにならなかった場合には、私自身もいろんなことを考えなくてはいけない場面も想定されると思います。
○西日本新聞
 今回の調査で申し出た方には、特段の処分はないということでしょうか。
○知事
 今回までは組織ということで整理をさせていただこうと思います。本来であれば、もう前回までとしたかった気持ちもありましたけれども、もう今回が最後だということを改めてきちんと告げます。
○西日本新聞
 知事のところにはもっとあるはずだとか、自分の時はやっていたという、そういう投書、メールは何通ぐらい届きましたか。
○知事
 私自身のところへ来たのは、大体5通ぐらいです。
○西日本新聞
 職員課には行ってないですか。
○知事
 職員課には、そういう御批判の電話、メールはいただいているようでありますけれども、具体的にここにあるというような情報提供までは来ていないというように伺っております。

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