記者会見

●質疑応答:県立病院好生館の移転について
○佐賀新聞
 話は変わりますが、県立病院の移転のことで、佐賀市の木下市長が市有地の無償譲渡はできないということで、このほど返事に来られましたが、そのとき知事は所見を述べられていたんですけれども、改めて市の返答を受けての知事の考え方と、それから、今後どういうふうに進めていくのかということをお尋ねしたいんですが。
○知事
 はい、まず一つは、今後ですが、今回佐賀市が提案してきた現地改築の再提案であるとか、駅前の案であるとか、その話を聞かないといけません。それを事務的にまずやっていただきたいと思っています。
 これから事務的にやり取りをいたしましょうということだったんですが、まだ、佐賀市からは何の音さたもなかったので、こちらの方から佐賀市に連絡したところ、今、議会中であるので、議会が終わってからにしてほしいということでありました。佐賀市は9月21日に議会が終わるようでありますので、議会が終わってからということになるのかもしれませんが、そのころ私どもが議会になっていきます。
 私どもは、これは大切な問題なので、議会中であっても、議会中のあいた時間を使ってでもお話を伺っていきたいと思っております。
 今回の佐賀市の判断については、それは独立した自治体の判断でありますので、それはそれで尊重しなければならないだろうと思っておりますが、非常に残念だと申し上げているのは、何も結論が残念だということではございません。私どものところにも今回の場所の決定については、さまざまな意見が寄せられております。賛成の意見もあれば反対の意見もあって、むしろ反対の意見が多いわけでありますから、あの場所で本当にいいのかということについて、もう少しじっくり考えていく必要があるのではないか、そういったやりとりというのは私どもも十分あり得るのかなと思っていたわけであります。
 そうしたところについて、全く相談も打ち合わせもなく、そこがだめだというだけではなくて、さらに県と市で一度検討したはずの駅前案と現地改築案とが出てきたというのが非常に残念だと思っていまして、これまで県は、県がいろいろな動きをしていくときには市と相談しながらやってきたわけですけれども、市が動かれるときには、これは県とは事前には話はできないんだ、そういうやり方で本当に協議がこれからもできるんだろうかということを非常に不安に思っていまして、心配をしているということです。
 県立病院の場所というのは、一遍決めたら、そこで何十年間かやっていかなくてはいけない場所ですので、決めるに当たっては慎重でなければならない、これは我々にも異論がありません。だから、そこについてはいいのですけれども、こういう仕事の進め方というのは、私としては全く残念だと思いますし、いつも言っていますけれども、やっぱり唐突感は免れないと思います。実際にずっとやりとりをしていた現場の職員たちの気持ちからすれば、正直もう協議なんかしたくないという気持ちではないかなと思うんですね。だけども、そういうわけにはいきませんから、協議はこれからやっていかなくてはいけないということだと思いますけれども、非常にこのやり方というのは、県と市の間に溝をつくったということは間違いないと思います。
○朝日新聞
 県立病院の移転は、県の事業であるわけですけれども、それでも市とこういうことになって溝ができたとおっしゃいましたが、これから市の意向を無視して県だけでどうしてもあそこでやりたいとか、そういうふうな判断ということもあり得るんでしょうか。市の協議というのは、やっぱり大事にされていかれるんでしょうか。
○知事
 やっぱり物事を決めていくときには、それはいろいろあってもきちんとやっていかなくてはいけないとは思うわけですよね。こっちでもうあなたとは話なんかするもんかと、居直れば簡単なのかもしれませんけど、仕事というのはそういうものではないと思うんですよね。やっぱり10数万人の市民の意見や市民の代表という立場もあられますし、そこに何より立地していくということになれば、社会資本の整備だとか、交通のことだとか、地元の市の方にもお願いしなくてはいけないこともありますから、ただ単に居直るのではなくて、とにかく話はしていかなくてはいけないだろうと思っています。
○時事通信
 佐賀市以外も含めて全県的に候補地を探し直すというふうな考えはあるんですか。
○知事
 私自身にはありませんが、いっぱい来ています。もう佐賀市につくらない方がいいですという意見があって、どことは申し上げませんが、ぜひうちにというところが随分出てきています。
○時事通信
 知事としてはあくまでも佐賀市内にということで。
○知事
 まず佐賀市ということでやっているので、今の時点で佐賀市以外にしましょうということは考えていませんけれども、そういう声が出てきているのは事実です。
○共同通信
 唐突感があるというのは、職員の方々含めて感情的には非常に理解できるんですが、県としての独立した機関の中で、仮に事前に話があったとしても結論は変わりないわけで、今後、打ち返された結論について協議していくということについては、事前に話があってもなくても変わらないわけですよね。
○知事
 そこが違うと言っているんですけどね。結論が同じだから話をしなくてもいいじゃないかというのは、まさに市長がそうおっしゃっているわけですけどね。結論どうせ変えないんだから一緒だよということは。こっちは、結論は同じであっても、例えば、私どもざっと見ただけで、まだ市から詳しい説明をいただいていないんでよくわかっていません。例えば、あそこに出てきている駅前案における建築コストというものの単価だとか内容というものが本当にこれでできるのかということなんですよ。そうしたものなんかは我々から見ても非常に疑問がある。もしそれがそこで可能であれば、そういう建設手法を駅前だけで持っていかずに、じゃあ、我々が思っているところのアバンセのところにもそういったものを持っていけば、もっと安くできるのではないかということだってあるわけなんですね。
○共同通信
 内容ではなくてプロセスとして、では、市が今こうやって市の提案として出す前に、その提案はいかがなものかというのをあらかじめ打ち合わせをしたかったという御意向なんですか。
○知事
 つまり、よくわからないのは、アバンセの北のあそこに今すぐ決めてしまうのですかということに疑問がありますというところは、私たちも理解できると言っているわけです。我々もいっぱい意見をいただいているので、それはそれでわかるけれども、でも、県と市で駅前案と移転案というのは検討したのです。そもそも移転の前に現地改築でできないかというのは我々も考えました。そして、市もそういったことができないかということを一緒に検討したんですね。一緒に検討したけど、だめだということであきらめて、では、やっぱり移転しかないかということでお互いに場所探しをやってきていたわけなんですよ。
 だから、これまでいろんな作業を県と市が一緒にやってきていたと我々は思っているんですよ。我々はそのように思っているにもかかわらず、例えば、いや、実は移転はもう一遍考えませんかとか、駅前のはもう一遍考えませんかというようなことを急に出されると、我々としては出されたものを前提にものを言います。私たちは市の積算がひょっとしたら適切でないのかもしれないと思っているわけですよ。そしたら、それは適切でないと言わざるを得ないということなんですね。
 だから、そういったやりとりを、それは自由闊達にやればいいじゃないかということもあると思いますけれども、そういうお互いに検討して、これは無理だろうねと言った事柄について、これを言えば反対されるだろうからということだったのかもしれませんけれども、全く話をせずにいきなり持ってこられるというのは極めて違和感があるということなんです。本当に残念だということなんですよ。
○西日本新聞
 知事は今後もどんどんどんの森で、佐賀市と交渉というか、その内容について事務方で詰めていくというふうにおっしゃっていますが、佐賀市の方はどんどんどんの森はだめだと、もう明言されているんですよ。詰めていっても、多分合わないと思うんですけれども、その場合に、計画を全部白紙に戻してやり直すこともあり得るんですか。
○知事
 それは現地改築ということでしょうか。
○西日本新聞
 それもだめなわけですね。
○知事
 ただ、現地改築案の中身にしても、駅前の案にしても、今、我々が見た案と違う案を提案しておられるようにも聞くのですけれども、案の中身の説明を受けていないんです。だから、今この時点でどうかと言われると、まずは佐賀市が提案されている駅南の話と現地改築という話がどういう考え方でどのようにお考えなのかということについて、まず聞いてみたいと思うんですね。それがまず先だろうと思っています。
○西日本新聞
 でも、十分検討を県でしているわけでしょう。
○知事
 だから、何が違うのかですね。県で検討しただけではなくて、市でも検討してもらったんですよ。
○NHK
 ただ、佐賀市に言わせると、県に意見を言ったのは、やはりパブリックコメントで意見を重視しているということがやっぱりあると思うんですね。もちろんお金のこととか、そういったこともあると思うんですが、やっぱりそれなりの数がですね、どんどんどんの森に建ててほしくないという意見が大勢を占めていると。そうした意見もやっぱり民意としてそれは検討するべきだと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○知事
 だからこそ、我々もだからあれだけの反対が多かったということですから、やっぱりここに決めるということについては慎重でなければならないねということ自体、我々も同意見なわけですよ。
○NHK
 そうだったら、どんどんどんの森にこだわらないでこれから協議を続けるというスタンスですればいいと思うんですが、その辺はどうなんですか。
○知事
 どんどんどんの森にこだわらずに協議を続けていけばいいんですけれども、向こうからは、じゃあ、駅前と現地でお願いしますと言われているわけですね。
○NHK
 そうだったら、それも含めて白紙に戻すとか、いろいろあると思うんですが、その辺の最初から協議をまたやるという可能性は全くないわけですか。
○知事
 せっかく御提案があるようなので、その御提案の中身を全然聞かずに白紙にするというのもまた失礼だと思うので、そこはまずお伺いをしましょうということなんです。お伺いした上で、これではお話になりませんなということで、事実上白紙になるということは結果としてあるのかもしれませんが、目指しているところではありません。
○西日本新聞
 駅南とそれについての協議はわかるんですけど、どん3の森自体を今の段階で白紙にするということではないと。
○知事
 それは違います。
○佐賀新聞
 どん3の森はあくまでもまだ候補として県としては考えていらっしゃいますか。
○知事
 県としては今の段階では市からこのような答えがありましたので、中身についてはよく事務局に説明させますからという段階で、その事務的な説明が来ていないという段階だと思っています。ですから、またそこで話をよく伺って、そして、県としてのまた方針を決めていきたいと思います。ただ、現時点においては、このどん3の森の方がいいだろうという考えには今のところ変わりはありません。
○佐賀新聞
 ただ、それは現実的には非常に厳しい状況になっているという認識はありませんか。
○知事
 それはもう非常に厳しいという認識はあります。

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