○佐賀新聞
　土木事務所とか農林事務所の未竣工工事の問題、今まだ調査中ですが、ほかにもいろいろ伊万里土木だけではなく出てきているということで、そういったことについての今の知事のお考えをお願いします。
○知事
　非常に申しわけないことであり、私としても非常に大きな問題だという認識に立っております。これを使って、何か公金を私的流用したとか、そういうことではないにせよ、実際に検査が済んでいないのに検査をしたという書類をつくる、またはどうしても年度内には終わらないということがわかっていながら、終わるかのような書類を作成する、こうしたことが工事をなるべく早く済ませたいという気持ちからだったということではあるとはいえ、そうしたことが法律や規則を守るという、公務員があらゆる仕事をするときに前提としなければならないこと以上にこのことが重視されたということが問題であるというふうに思っておりまして、また、全容がわかり次第、改めて公表させていただきたいと思っておりますけれども、今回、こうしたことがわかったことを契機にして、こうしたことを根絶していきたいと考えております。
　私は問題点は二つあると思っております。一つが、やっぱり現場を抱えている身としては、どうしても繰り越しの手続がややこしいとか面倒くさいとかいうふうなことで、それよりも早く地権者の了解を得て、一日も早く工事を完成させる方が先だというふうな気持ちが先に立つということの話も聞きます。それはそれで現場を預かっている人間の気持ちとしてはわかるわけでありますが、それよりも大事なのは、きちんとしっかり決められた手続や決まりを守るということ、コンプライアンス（法令遵守）の思想をやはり徹底させていかないと、法律を守っていたら仕事ができないよとか、そんなことであってはならないというふうに強く考えます。
　それともう一つは、実は監査委員から平成15年度の監査結果の指摘の中で、検査が年度末に集中しているということについて、このやり方や内容についても再検討しなくてはいけないという指摘があっておりました。こうした指摘があっておりながら、それが何ら、わずかは改善したようではございますけれども、抜本的な改善に結びつかなかったということも大いに反省すべき点であると考えております。
　とにかく事業実績を上げることをコンプライアンスよりも優先したこと、そして内部監査、監査委員による監査という制度的な指摘がありながら、それを重要視しなかったこと、この二つが大きな問題であると考えております。