記者会見

●発表項目:九州電力玄海原子力発電所3号機プルサーマル計画の安全性について
 次に、プルサーマル計画の安全性について公表させていただきます。
 ご承知のように、平成16年5月28日、九州電力が玄海原子力発電所3号機プルサーマル計画について、原子力発電所の安全確保に関する協定、いわゆる安全協定に基づく事前了解願いが提出されました。これまで、この事前了解願いの判断については安全性の確保が大前提であるということを申し上げてまいりました。その上で、地元玄海町の意向や周辺地域住民、広くは県民の理解、県議会での議論などを踏まえて、県として総合的に判断すると申し上げてまいりました。
 本日、この事前了解の大前提である安全性について、2月定例県議会を前に県としての考え方をまとめましたので、公表させていただきます。
 佐賀県としては、これまでどおり国による厳格な規制・監督の実施と、九州電力による適正な安全管理が果たされることを前提に、玄海3号機プルサーマル計画の安全性は確保されるという結論に達しました。この結論に至った経過や考え方を説明させていただきます。
 玄海3号機におけるプルサーマル計画については、平成16年4月28日に九州電力がその計画を公表して以来、県民の皆様から県に対してさまざまなご意見が寄せられています。また九州電力、そして国が実施した各種説明会や公開討論会、シンポジウム、さまざまな場面において、九州電力や国、原子力の専門家などの説明、見解を聞くこととあわせて、会場からの意見や疑問にも県として耳を傾けてまいりました。その結果については県のホームページにも掲載をしておりますし、県民だよりや、その他の媒体を通じて、県民の皆様に広く提供をしてまいりました。
 このような中、佐賀県としては、既に核燃料サイクル政策におけるプルサーマルの必要性については理解できるということを申し上げてまいりました。一方、この玄海3号機プルサーマル計画の安全性についても、県民の皆さんからさまざまなご意見をお伺いすることとあわせまして、去年の12月には、このプルサーマルの安全性をテーマにする佐賀県主催の公開討論会を開きました。そこで、プルサーマルを推進する立場、慎重な立場の双方から、その議論を見守ってきました。
 県ではこれまでの議論の中で、玄海3号機プルサーマル計画の安全性に関する論点は出尽くしたと考えております。さまざまな機会を通じて寄せられた意見、今もなおいろんな形で意見を寄せられておりますが、そこに掲げられているご意見の内容は、既に論点として議論したものばかりであるというのが私たちの認識であります。そこで今回、これまでの意見や疑問、議論などを踏まえて、安全性に関する論点を抜き出して、その中から基本的なものや論争の焦点となったもの、八つの項目、12の論点について県の考えを取りまとめました。その結果、お手元の資料にありますように、いずれも安全性の確保はできると理解をし、納得できるものでありました。
 一方、我が国におきましては、原子力発電所の安全については、原子炉等規制法などの法令に基づきまして国が一元的に規制監督を行っています。国の安全審査においては、内閣府原子力安全委員会が、大学教授など原子力の専門家の慎重な検討を経て作った審査指針、こうしたものに基づきまして、まずは経済産業省の原子力安全・保安院が安全性についての事項について、一つ一つ技術的な審査を行います。次に、原子力安全委員会が、保安院の行った審査が妥当なものかをチェックするという、いわゆるダブルチェックなどをした結果、安全性は確保されるとして許可がなされました。
 また、九州電力の安全管理体制についても検討を行いましたが、これまで30年間の運転を通して、地元の信頼を損ねるような大きなトラブルを起こすこともなく、地元との信頼関係を築き上げておられます。
 東京電力における不正などが発生した際の点検におきましても、九州電力では適切な管理がなされているという評価を受けています。さらに、事業者の定期検査体制やそのプロセスを審査する国の定期安全管理審査におきましても、国内で唯一、最高評価のA評価を受けるなど、良好な安全管理体制にあると考えられます。
 以上の点を総合的に考え合わせまして、冒頭申し上げたような結論に達した次第であります。
 私からは以上です。


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